2014/12/10配信分

「イノベーション」講座を覗き見! ⑨RTOCS(How to get out of gutter)


イノベーション講座9回目だ!今回はBBT大学院オリジナルのケースメソッド「RTOCS」について解説していくぞ!くまおはもちろんやったことあるな?




やったことあるのですが、ケンイチさんの解には全然近づけません。。どうやったらいいのでしょう?




私の解が絶対ではないぞ!自らがトップの目線に立って最適解を導き出すことが大事だ!


■イノベーション- 基本編 -■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9. RTOCS(How to get out of gutter)
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■ RTOCS とは?
RTOCS とは他人の立場になり考えることで、違う思考回路を働かせ今までにない発想を生み出すというものです。
BBT大学院では、日々の課題に『 RTOCS = Real Time Online Case Study 』、「もし、私が●●の立場だったらどうするか?」を出題しています。
「自社をどうするか?」ではなく、「あの会社の社長の立場だったらどうするか?」と考えることです。これによりメンタルブロックが取り払われ、様々な発想が自由に浮かぶのです。
こうした思考訓練を何度も繰り返し行うことで、自分、自社の問題に戻ってきても、柔軟に考えられるのです。
■「知的怠惰」になりがち
“これだけ考えていてもアイデアや発想が浮かばない” これは、自分自身を過信し、考えられる事は全て考えたと思い込んでいるだけです。こう考える人は意外にも多くいます。
思考の壁に当たり出口が見えなくなると、人は思考することを止めてしまいます。そして、気が付いたころには知的怠惰となり、会社の経営状態、自分の周りの問題が大きく膨れ上がり、手が付けられない状況に陥ってしまうのです。
そうした状況を打破するためにも、他人の立場で考えるという思考のトレーニングが有効です。こうしたトレーニングを繰り返すことで、絶えず、今何をすればいいか?という思考の癖が染みついてきます。
経営の話に限ったことだけでなく、地域振興/地方政治/国家戦略に至るまで、あらゆる視点で考えておくことが、より発想を豊かにするコツです。
■あなたも考えてみてください
以下、BBT大学院の受講生に出題したRTOCSです。皆さんも考えてみてください!
・あなたが、フィリピンのベニグノ・アキノ大統領とすれば、これから大きな人口ボーナスが続く利点を利用してどのような国家戦略を立て、アジアを代表する先進国としてOECD加盟を狙うか?
・あなたが、株式会社WOWOWの和崎信哉社長だったら、スマホの台頭、Netflix等の登場により市場が変化する中で「総合エンターテインメント・メディア企業」としていかなる戦略を実践していくか?
・あなたが、ソーシャル・エコロジー・プロジェクトの社長なら黒字化を達成した今、シャボテン公園はじめ伊豆半島全体の地盤沈下にどう取り組むか?
・あなたが、ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長兼CEOなら量産化に目途を付けたビジネスジェットを強豪ひしめく中でいかにシェアをとっていくか?
■イノベーティブな発想の裏にある前提
「フィリピンのアキノ大統領のことはほとんど知らない。この業界は詳しくないし、考えたこともない。」上記の課題を見て、多くの方は瞬間的に思考が止まったと思います。
BBT大学院では出題される課題について、事前に情報を知っているか、知らないかは全く問題ではありません。
皆さんが、頭を悩ませている仕事上の課題のほとんどが未曽有の問題です。未曽有の問題でなければ、答えが分っているはずなので悩む必要はありません。
イノベーティブな発想(思考のジャンプ)は一足飛びには成し得ません。まずは、その業界・分野における徹底した論理展開がなされていることが前提です。
■実は問題解決のプロセスと同じ
今回、紹介した発想法「RTOCS」は、最終的なソリューションを発想する際に用いるかのように紹介していますが、実はこの「RTOCS」自体が「問題解決法」のプロセスそのものになっています。
ただのブレーンストーミングであれば、現実的でない発想が大半をしめ、おもしろいと思った発想でも、良く考えたら実現不可能ということばかりです。
前述のとおり、この発想の前段階には、論理思考が必要になります。まず情報収集から始まりファクト分析、論理展開、本質的問題の抽出などなど、通るプロセスは多々あります。そこまで出来て始めてイノベーティブな発想(思考のジャンプ)のトレーニングになるのです。
■まとめ
・「自分が●●だったら」と、現実の自分、自社とは違う軸で発想してみる。
・メンタルブロックを取り払って、気軽に考える。
・違う状況で発想することにより、柔軟な思考が身に付く。
・発想に詰まっても知的怠惰にならない。
・イノベーティブな発想に辿り着くためには、論理的な展開が欠かせない。