BIZTIPS>BIZトピックス>「ビジネス・エシックス」講座を覗き見! ③企業はどうやってビジネス・エシックスを確立するか

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2014/09/03配信分

経営戦略

「ビジネス・エシックス」講座を覗き見! ③企業はどうやってビジネス・エシックスを確立するか

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「ビジネス・エシックス」講座第3回目だ!企業はビジネス・エシックスをどのように確立していくのだろうか?くまおは経営者の立場だとしたら、企業倫理を社内に浸透させるために何をするかな?

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やはりクレドを作って全社に浸透させる方法が良いのでしょうか?

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■ビジネス・エシックス■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 3.企業はどうやってビジネス・エシックスを確立するか
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■タイレノール事件

 

1982年9月、米国で「タイレノール」という頭痛薬に毒物が混入され、それによって7人が死亡し、犯人から100万ドルが要求されるという事件が起こりました。

 

タイレノールの発売元であるジョンソン&ジョンソン社は、自社製品への毒物混入の疑いが出たという段階で、消費者の安全第一を考え、全国の薬局、家庭から商品を回収するとともに、タイレノールを使用しないようマスコミ等を使って積極的に情報開示を行ないました。事件は再度1986年にも発生したのですが、このときも即座に全品を回収しました。

 

これらの事件により、ジョンソン&ジョンソン社は約1億ドル以上の純利益を減らすこととなりましたが、会社の利益よりも消費者の安全を優先した経営判断は高く評価され、同社への信頼もさらに高まる結果となりました。

 

 

■「OUR CREDO(我が信条)」

 

ジョンソン&ジョンソン社はなぜ即座にこのような判断ができたのでしょうか。このことについて、当時のジョンソン&ジョンソン社のバーク会長は「OUR CREDO(我が信条)」に謳われている第一の責任(顧客への責任)を拠り所にして行なった当然の判断」だと言いました。

 

ジョンソン&ジョンソン社にはグループ全社員が共有する、恒久的な価値判断の基準としての「OUR CREDO(我が信条)」というものがあります。これはジョンソン&ジョンソングループの全社員が守るべき倫理的価値観を明文化し、共有化したものです。

 

そこには、顧客に対する責任、社員に対する責任、地域社会に対する責任、株主に対する責任という形でそれぞれのステークホルダーへ果たすべき責任が定められています。ジョンソン&ジョンソングループの社員は経営陣から一般社員まで全員がこの「OUR CREDO(我が信条)」に従って判断・行動することを求められています。

 

 

■トップのコミットメントと社員への浸透

 

価値判断の基準や行動規範が明文化されていたとしても、多くの企業においては実際の判断・行動に必ずしも繋がっているとは言えません。ジョンソン&ジョンソン社で「OUR CREDO」が社員に深く浸透し、日常の業務における判断の拠り所となっている理由のひとつがトップのコミットメントと言えます。

 

1943年に「OUR CREDO」の前身である「An Industrial Credo」が発表されたのですが、その際に当時の会長は「ただ今より、この信条の中で規定された原則を会社の経営哲学とする。これに賛同できない人は、ここでないどこかで職を見つけて欲しい」とまで言ったそうです。

 

また、さらに「OUR CREDO」を浸透させるための施策も継続的に行なわれています。そのひとつが「クレドーチャレンジ」と言われるもので、多くの社員が参加して「OUR CREDO」が、価値のある内容になっているか、表現は適切か、変更の必要はないか等を議論し、「OUR CREDO」を磨きあげていくのです。さらに「クレドーサーベイ」という全社員向けの調査を定期的に行ない、「OUR
CREDO」の実践度合いや浸透度合いを分析し、発見された問題に対して迅速に対処しています。

 

これらの結果、「OUR CREDO」の内容はわかりやすく納得性のあるものとなり、グループにおける共通言語となって、研修の機会だけでなく、日常普通に語られるまで社員全員に深く浸透するものとなっています。

 

 

■企業倫理確立に必要なもの

 

ここまでジョンソン&ジョンソンを例に企業がどのように企業倫理を確立しているかを見てきました。どの企業もジョンソン&ジョンソンと全く同じことをやれば企業として倫理的な判断・行動ができるようになるというわけではないと思いますが、この事例から学べることとしては、

 

①全社員が守るべき倫理的価値観の明文化
②明文化された価値観へのトップのコミットメント
③全社員への徹底的な浸透策の実施

 

が企業倫理を確立するために必要ということが言えるのではないでしょうか。

 

 

【執筆:岐部 健一/BBT大学院2014年3月 修了】
 
 



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経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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