BIZTIPS>BIZトピックス>「日本の国家戦略と税制」講座を覗き見!
     ⑦人類最高の発明の一つ!? 複式簿記について

BIZトピックス 話題のビジネスマナーや、時事問題を大前研一やMBAホルダーの視点で鋭く解説。あなたの成長へのプロセス作りを後押しする、ビジネストピックス集。

2015/04/08配信分

経営戦略 財務

「日本の国家戦略と税制」講座を覗き見!
 ⑦人類最高の発明の一つ!? 複式簿記について

人画像
上部枠

くまおは簿記をやったことがあるか?複雑で分かりにくいイメージがあるが、人類最高の発明ともいわれるのが複式簿記だ。これによって会社の財務状況を一目でみることができるようになった。日本経済の発展も複式簿記の功績が大きいんだぞ!

下部枠
矢印
熊画像
上部枠

複式簿記で会社が発展したんですか?今では当たり前のように使われていて、その功績がよく分かりません… どういうことでしょう。

下部枠
矢印

 

■日本の国家戦略と税制■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 7.人類最高の発明の一つ!? 複式簿記について
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「日本の国家戦略と税制」では、簿記の歴史と効用についての講義があります。
第7回は、その内容を中心に、複式簿記についてお話します。

 

 

■ 複式簿記の特徴

 

あらゆる経済取引を借方(左)と貸方(右)に分解して漏らさず記帳し、それを科目ごとに集計して会社の財務諸表を作成する複式簿記は、財務会計を仕事にされている方や会計士、税理士等の専門家以外の方には、あまり親しみがないと思います。

 

しかし、この複式簿記を人類最高の発明の一つと賞賛したのは、18世紀の文豪、ゲーテでした。彼はその作中で、複式簿記について、「整理されていればいつでも全体が見渡され、商売をやっていくのに広い視野を与えてくれる。複式簿記が商品に与えてくれる利益は計り知れない」と語らせています。

 

複式簿記の最大のメリットは、まさにこの点にあると言えます。複式簿記の主要な財務諸表には、会社の財政状態をみる「貸借対照表」と、経営成績をみる「損益計算書」があります。そして取引さえキチンと整理されていれば、この2つの財務諸表によって、その会社の規模にかかわらず、会社の財政状況と経営成績をひと目で知ることができます。

 

小さなビジネスであれば、複式簿記を使わなくても経営者は自分のビジネスの隅々に目を光らせ、自分自身で把握していることができますが、規模がある程度大きくなってくると自分の目が届かない部分が増えてきてしまいます。しかし、複式簿記によって帳簿をつけていれば、会社の財産や活動について、たった2種類の財務諸表を見るだけで、その全体像が把握できてしまう。そして、その会社の規模にかかわらず、つまり、家族で経営している小さな商店でも、トヨタ自動車のような超巨大企業でも、それが可能なのです。

 

このような、会社の地図でありカルテでもある複式簿記は、企業経営のツールとして、欠かすことは全く考えられないほど、偉大な発明だといえるでしょう。

 

 

■ 複式簿記の歴史と文明への恩恵

 

複式簿記の起源は諸説ありますが、そのひとつは14世紀頃イタリアのベニスの商人が発祥といわれています。その後ヨーロッパの商人の間で広まり、1494年、イタリアの数学者であるルカ・パチョーリが著した「スムマ」という書籍で、歴史上初めて複式簿記が紹介されました。

 

17世紀のフランスの法律「サヴァリ法典」には会社が倒産して複式簿記の帳簿を裁判所に提出できない経営者は、死刑に処すという厳しい法律がありました。このサヴァリ法典は、複式簿記による財産目録の作成と定期的な更新を義務付けており、これは法律による定期決算を要求した最初のものといわれています。サヴァリ法典はその後、ヨーロッパ各国の商法に大きな影響を与え、その結果、欧州では複式簿記が広く普及しました。

 

我が国では、1万円札で有名な福沢諭吉が、1873年に「帳合之法」という書物で複式簿記を日本に紹介しました。「帳合之法」はアメリカの簿記の教科書を翻訳したものでした。その2年後、諭吉らは商法講習所を開き、複式簿記を教えました。この商法講習所が、現在の一橋大学です。このため、日本は比較的早い段階で複式簿記が普及したと言われています。

 

大武教授は、この複式簿記こそが、先進国と発展途上国を分けたのではないか、という仮説をお持ちです。すなわち、複式簿記が発明されたヨーロッパやそれが早く伝わったアメリカは、複式簿記があったからこそ強力な経済力を早く身に付け、列強として世界を支配する立場に立つことができた。日本も、アジアの他の国と比べて早く複式簿記が普及したからこそ、明治維新以後驚くような
発展を遂げ、当時の列強の一角を成すようになった、というわけです。

 

大武教授は、複式簿記の普及こそが発展途上国を先進国へ導く鍵である、と考え、現在ベトナム人に日本語で簿記を教える学校を主宰するNPO(ベトナム簿記普及推進協議会)を運営していらっしゃいます。

 

多くの人にとって馴染みの薄い、むしろ地味な複式簿記が導いた文明の発展。興味深いと思いませんか。

 

 

【執筆:植田 秀史/BBT大学院2009年9月 修了】
 
 



熊画像
上部枠

複式簿記が日本を先進国へと発展させたのかもしれない、というのは面白いですね!もっと研究してみます。

下部枠
矢印
一票を!

今後のサイト作りの参考にさせて頂きます。

役立った!
同一カテゴリのトピックスを読む
MBA診断

本サイトのBIZトピックス・ビジネステンプレート・ビジネス用語集は、ビジネス界の第一線で活躍する大前研一が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。

【無料】9日間でカフェ経営メルマガ

<ステップメール>経営学の要諦を物語で学ぶ!定年退職した父親は元公務員。ビジネス経験ゼロの父が、一流の経営者になるまでの感動のストーリー

BIZTIPSとは?
close

BIZTIPSは、ビジネスに関する様々な情報を集約したビジネスパーソンの知的給油所です。現在進行形で起こっている諸問題、疑問に対するプロの見解や最新のビジネストピックスなど、必読情報満載のポータルサイトです!

BIZまとめ
役立つ5つのコンテンツ
BIZトピックス
BIZ用語集・テンプレ
BIZライブラリ
BIZリファレンス
検索人気ワード

バナー

バナー

バナー

BIZクイズ一問一答!

問題

一定期間に国内で生産された商品・サービスなどの付加価値の合計のことをなんと呼ぶか?

ビジネスの第一線から最新情報を配信中!
本サイトは日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を努めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。
ビジネスの第一線で活躍する講師陣ならではの最新のビジネス情報を配信中です。

大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

PAGE TOP