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2014/03/27配信分

論理思考

ファクトを見抜く、ニュースへの接し方

最近、ニュースで、全聾の作曲家:佐村河内 守 氏と、STAP細胞を発見:小保方 晴子 氏の活躍が報じられましたが、その後、一転して逆風が吹き荒れています。
 

今回の【BMAホルダーの視点】では、最近顕著に見られるマスコミ報道が反転する構造を紐解き、議論に耐えうる情報収集の方法を考えてみたいと思います。
 

まずは、それぞれのニュースの経緯を簡単に見てみます。
 

佐村河内氏については、医師の診断書と「聴覚障害」の障害者手帳があった為に、誰からも真偽に対する疑問の声が出ませんでした。楽曲についてもゴーストライターの存在に気づかず、2001年に米『TIME』誌で取り上げられて以降、テレビでも特集が組まれ、クラシック音楽の中で異例のヒットが続きました。それが今回、『週刊文春』での暴露記事をきっかけに、騒動に火が付いたのです。
 

小保方氏については、iPS細胞を超えるSTAP細胞を発見したとして、一躍、時の人となりました。その後、発表された論文に無断引用が確認されたり、理化学研究所の広報対応に疑問の目が向けらていますが、未だにSTAP細胞の真偽と対応の是非については、決着がついていません。

 
さて、こうしたマスコミ報道の検証が甘くなる事に共通しているのは、「視聴者が見たいと思うコンテクスト(文脈)」に、人物、ストーリーがぴたりと合致している点が挙げられます。「現代のベートーベン」「かっぽう着姿/リケジョのエース」というタイトルには、いずれもドラマティックな物語が想起されます。そのため、多少おかしな点があっても、強烈な物語を優先してしまい、結果的に誤った像の拡散を招いてしまったと言えます。
 

更に、評価されるべき作品や成果の質に対しては、「凄い」という言葉のみのお墨付きのラベルを貼って、深い検証を避けようとしている姿勢が垣間見えます。
 

特に今回の報道で顕著だったのは、佐村河内氏の周辺報道より、小保方氏の周辺報道が多かった点からも、暗黙のうちに容姿・性別・年齢等、興味本位の視点が働いている様に見受けられた点でしょう。
 

つまり、マスコミ報道が誘導されやすくなるのは、「強烈なコンテクスト」、「お墨付きのラベル」、「容姿・性別・年齢等」といった条件が重なると、真偽を見誤る可能性が高まると言えそうです。
 

しかし、佐村河内氏の報道については、NHK側は十二分に真偽について検討を重ねたにも関わらず、事態を防げなかった理由について詳細を説明しています。
 

その要旨は、米『TIME』誌に掲載された点と、社会現象化してCD販売枚数の相当な実績があり、取材時の行動に全聾者としての疑問が生じなかった点を挙げています。
カギを握る作曲シーンの撮影要求に対しても、「神聖な作業」として拒絶され、代替案として楽曲構成を詳細に即興でメモ書きして見せた事から、深追いはしなかった様です。
この微妙な状況に対する判断ミスが、間違いを拡散してしまうという結果に至ってしまったのです。それだけ、情報の真偽を見極める事は、難しいのです。
 

最も留意すべきは、「真/偽」「賛成/反対」「賛同/批判」の双方の情報を、偏見無く集めて、感情や意見を排除して、ファクトのみ抽出する事でしょう。
更には、できる限り長期的に過去に遡り、経歴を調べる事も重要です。特定人物に関係する場合、性格を把握する事も、その行動のカギを解く参考になるので有効です。
 
今や、マスコミ報道は時間と競合同士との戦いで、真偽を確認する時間が充分に取れない状況にあります。マスコミ各社はニュースを入手しても、真偽を検証するより、即時報道を優先する必要性から、横一線の報道をますます加速してしまうの
です。
 

さて、この様なマスコミ報道の問題点を見ていくと、個人としての情報収集の在り方が見えてくるのではないでしょうか。
 

私がかつて大学院で学んでいた時、学生同志がオンライン上でディスカッションする際に、留意されていた点があります。それは、自分の意見や考えを示すには、「ファクトベース」で語ること。
そのための情報収集は「真偽を見極めながら」徹底して行いました。そして、その「ファクトを整理をした上で」、「問題点を定義して」、「解決案を示し」、その「理由を説明する」という大きな流れで最終的な結論を出すということを繰り返すようにしていました。
 

議論に耐えうる情報収集が、ニュースに踊らされるないというだけでなく、説得力ある論理構成のテクニック研鑽につながるのです。
 

さて、皆さんは、ニュースへの接し方として、どの様にすれば良いと考えますか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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