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2011/09/28配信分

論理思考

しっかりとしたロジックに基づいてあなたならどう考えますか? 〜 東京大学の秋入学の本質的問題とは? 〜

先頃、東京大学で、秋入学移行が検討されているとニュースになり、賛成派と反対派に分かれて様々な意見がネット上を賑わせています。

 

賛成派は、国際標準の入学時期に変更して、優秀なグローバル人材を呼び込む事に繋がるという主旨の様です。

 

一方、反対派は、高校卒業から大学入学までの半年間の過ごし方への懸念や、企業の就職活動への影響、グローバル人材を指導できる講師陣の不足など、システム対応の不足を挙げています。

 

ただ、意外かもしれませんが歴史を紐解いてみると、大学が作られた明治維新後は、国際標準に合わせて9月入学でした。

 

1918(大正7)年、高等学校令で旧制高校が4月入学になると、1921(大正10)年、帝国大学も4月入学に変更されます。背景は、陸軍が入隊届出開始日を9月から4月へ変更し、大学が9月入学のままだと、高卒の人員が陸軍に流れてしまう為、対抗措置として4月入学に変更したのがきっかけの様です。

 

戦後、学校教育法によって4月入学と決められて以降は、4月入学が続きます。

 

そして、2004年に行財政改革の一環として「国立大学法人法」が施行されます。
これにより、大学学長のリーダーシップが強化され、大学財政に裁量の自由を与えると共に、国の予算削減が示され、各大学は経営改革に乗り出す事になります。

 

2007年に教育基本法が改正され、大学学長が入学時期を自由に決められる様になりました。文部科学省によると、2008年は、75の大学学部に1867人が秋入学するも、留学生/帰国子女/社会人を除く一般学生はわずか443人と低調だった様です。

 

当時の東京大学 小宮山 宏 総長は、「東京大学ビジョン2005〜2008 時代の先頭に立つ大学、世界の知の頂点を目指して」を掲げ、【課題先進国 日本】をキーワードに大学改革を進めます。任期満了後は、副総長 濱田 純一 氏が投票で選ばれ、総長として大学改革を引き継ぎました。

濱田総長は、任期の6年間(2009〜2015年)で東京大学を改革すべく「行動シナリオ」と、国際的に通用する「タフな東大生」の育成を掲げ、学内にワーキンググループを立ち上げ、実行段階へ進めました。3月〜9月までの半年間を「ギャップイヤー」と位置付け、海外留学やボランティア活動等に取り組んで貰い、タフさに磨きを懸けて欲しいと考えている様です。

 

これに対し、BBT大学院の大前 研一 学長は、

 

「背景として、世界的な大学間競争の激化で、東京大学の地位低下への危機感がある。英QS社:世界大学ランキング(2010年)で東京大学は24位と、アジアのトップを香港大学(23位)に譲ってしまった。台頭著しい中国/韓国/シンガポール/台湾などの大学に対抗して、留学生を増やし、国際競争力を高め、グローバル人材を育てるには、国際標準の秋入学が必要と考えている訳だが、これはクリティカルな問題ではない。
海外では、半年間のモラトリアム期間は当たり前であり、慶応義塾大学(藤沢湘南キャンパス)では、春・秋どちらでも入学可能ながら、多くの帰国子女は春入学を選択している。
東京大学はようやく重い腰を上げたという事になるが、単に秋入学にしただけでは、グローバル人材が育つはずも無く、重要なのは、学生のアンビション(大志)をどう育てるのかという事である」

 

と言っております。

 

一筋縄では解決することができない問題。この状況はどのようにして乗り越えればいいのでしょうか。

 

少なくても、今回は学生の質的向上をいかに図るかという本質的問題に対して、行動段階に一歩進んだということにはなりそうです。

 

MBAホルダーが今回のようなニュースを読み解く場合、キーワード「秋入学」だけに着目するのではなく、制度の歴史的背景/国際競争状況/国内状況/大学内部状況から、本質的問題の構造を紐解き、本当は何が問題点なのかを把握し、具体策を検討するというプロセスを踏むことがあります。

 

このようにすることで、問題の表層的な面のみでなく、問題の本質に迫ることができる可能性が高まります。

 

さて、あなたが濱田総長の立場ならば、学生の質的向上を図るべく、どの様な具体策を考えますか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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