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2012/11/28配信分

ITリテラシー グルーバル感覚 経営戦略

タブレット戦略に求められる視点とは?

『iPad mini』『Kindle』『Nexus』『Surface』など、IT大手各社がスマートフォンに続き、タブレット戦略でもしのぎを削っています。

 

タブレットの市場は今後どのように展開していくのでしょうか?そして、これから参入する企業に活路はあるのでしょうか?

 

今回の【MBAホルダーの視点】では、タブレット戦略を分析しながら、フォロワー企業が取るべき戦略を考えていきたいと思います。

 

2012年第3四半期(7〜9月)の世界タブレット市場の状況は、次のようになっています。

 

■タブレット主要メーカーの出荷台数
1. Apple『iPad』」:1400万台(シェア:50.4%)
2. Samsung『GALAXY』:510万台(シェア:18.4%)
3. Amazon『Kindle』:250万台(シェア:9.0%)
4. ASUS『Google Nexus』:240万台(シェア:8.6%)
合計:2780万台(年間:1億740万台)
(出典:米国調査会社「IDC」)

 

一方、日本のタブレット市場は、2012年:427万台で、『iPad』が65.9%のシェアを占めています(ICT総研)。世界市場では、2016年にタブレットの出荷台数がノートPCを上回ると予測されています。

 

■世界出荷台数(2012年→2017年)
・タブレット:1億2100万台→4億1600万台
・ノートPC:2億800万台→3億9300万台
(出典:NPD Display Search)

 

さて、タブレットでは存在感が希薄な日本勢ですが、米国巨大IT企業勢「GAFMA
(Google、Amazon、Facebook、Microsoft、Apple)」の戦略は明確です。

 

・Google:「Android」を開放してプラットフォーム戦略を敷く
・Amazon:自社eコマース用端末を安く提供する
・Facebook:圧倒的ユーザー数で標準アプリとして広告モデルを模索する
・Microsoft:ハードウェア事業に参入し新たなビジネスモデルを模索する
・Apple:「iTunes」「iCloud」など構築しつつハードウェアで稼ぐ

 

いずれも、プラットフォームのポジション確保を成功させるための3つの工夫が見られます。具体的には以下のものです。

 

1.価値創造:何が出来るのかを明確にする
2.自己増殖:仲間が仲間を呼ぶ仕掛けがある
3.クオリティ維持:レベルが低いモノを排除する仕組みがある

 

新製品を一発屋で終わらせず、継続的なビジネスにする為には、プラットフォーム戦略が重要だと言えます。

 

タブレットはスマートフォンと基本設計が共通なので、ハードウェアだけで訴求する事が難しい商品です。「タブレットで何が出来るか?」という本質的な価値訴求が必要なので、日本勢が苦手とする商品かも知れません。

 

一方で、スマートフォンとタブレットに「機能」として取り込まれた既存の市場が、次々と価格破壊の波に飲まれて危機に立たされていることも象徴的です。
ユーザー視点で見ると、様々な機器購入費用とコンテンツ購入費用が、タブレットによってトータル支出が抑えられるので、今後、ますます普及を加速するインセンティブになるでしょう。

 

さて、BBT大学大学院の 川上 真史 教授は、30〜40歳代のITリテラシーについて指摘しています。この世代は、Windows95の登場でITを使いこなした最初の世代とされていますが、実際に使われている機能の中心は、今でもメール/インターネット検索/コンテンツ視聴であり、ITを駆使して新たな創造を発信する今の若者とは、今後10年も経つと、大きな差が出ると言います。

 

つまり、タブレットは、情報を消費する人間と、情報を発信する人間と、情報から創造的活動を進める人間との格差をますます広げる可能性を持つと言えそうです。

 

また別の見方として、タブレットを「インスツルメンツ」と捉えると、「iPad」が追求しているのは、ネジやフタが露出する工業製品ではなく、手触り感や持ち易さという感性をくすぐる「楽器」に通じる品位です。執拗なまでに感性を追求するのは、それが創造力をかき立てる入り口となることを知っているためなのでしょう。

 

Appleが、創造力を発揮できるアプリ/作品発表の場/ビジネスチャンスを広げる環境を提供している理由とは、「創造的活動家」→「情報発信者」→「情報消費者」のピラミッド構造を意識しているためとも考えられます。これこそが、Appleが狙っているプラットフォームでしょう。

 

では、劣勢に立たされるフォロワーにとって、どのようなタブレット戦略が考えられるでしょうか?

 

いくつかの日本の家電メーカーも、かつて電子書籍端末やコンソールゲーム機でプラットフォームを狙った時期がありましたが、いずれも様々な理由によって失敗しました。考えられるアプローチとしては、自前プラットフォームを狙わずに「GAFMA」に準拠しつつ、専用機やプロ仕様、カスタマイズ化、ソリューション提供、周辺機器等で競合しない道がひとつの方法として考えられるでしょう。

 

クリス・アンダーソン著【MAKERS:21世紀の産業革命が始まる】では、3Dスキャナーと3Dプリンターの組み合わせによる製造業に与えるインパクトと可能性が語られていました。時代は明らかに、画一化された工業製品から、カスタマイズや独自性といった創造性へシフトすると見られています。

 

モノづくりがカスタマイズにシフトした時、職人的な技や作り込み、そしてそういった技をもつ人をつなぎ合わせて1回限りのモノづくりサプライチェーンでも自在に構築できることが求められてくるでしょう。例えば、スマートフォンの外装をデザインする人、素材を加工する人、塗装やメッキ仕上げする人、組み立てて完成品にする人といったようにプロ職人たちをつなぎ、1回限りのモノづくりサプライチェーンでも自在に構築できるようなイメージです。

 

皆さんが、タブレット販売に乗り出すフォロワー企業の社長であるとしたら、どのようなビジネスモデルを考え成長を目指しますか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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