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2011/12/07配信分

マーケティング 経営戦略

テレビ業界の未来

テレビを取り巻く業界全体の不調ぶりが、報じられています。

今回はひとつのアプローチの仕方として、現状を整理・分析した上で大局的な視点で問題を深掘りしてみましょう。

 

まずはハードの部分についてです。

薄型テレビを主力商品とする日本の大手家電メーカーが、軒並み赤字を計上しました。

 

・パナソニック:▲4200億円(2012年3月期連結純損益)
・ソニー:▲900億円(2012年3月期連結純損益)
・シャープ:▲398億円(2011年6月中間連結純損益)

 

テレビの売上げは、オリンピックやワールドカップの開催年が需要を喚起すると言われており、目立った大会が無い2011年は、業界内に危機説が流れていました。
更に、昨年のエコポイント制度で需要の先食いの影響や、経済状況の悪化から、地上波デジタル放送移行に伴う需要が低調に終わっています。

 

現に、地上波デジタル放送への完全移行(岩手・宮城・福島の3県を除く)が進められる中、約1億3000万台あったアナログ放送対応テレビから、地上波デジタル放送対応テレビに移行したのは約8000万台であり、約5000万台のテレビが失われ、テレビを持たない世帯が増えてきているという状態です。

 

一方、コンテンツ(ソフト)面ではどうなのでしょうか。

 

コンテンツについては、テレビ局各社の広告収入の激減に伴って経営が悪化しているため質が低下してきているといわれています。
また、ゲーム/パソコン/携帯/スマートフォン/タブレット等が普及し、コンテンツも充実してきていることから、可処分時間がテレビからシフトしてきているため、若者層を中心にテレビ離れが助長されているという分析もあります。

 

ハードもコンテンツ(ソフト)も国内市場での成長がなかなか厳しそうです。

 

それでは、グローバル市場に活路を見出すという考え方もありますが、海外市場の状況はどうなのでしょうか。

 

まず、韓国・台湾の企業が薄型テレビに関連する製造、つまりハードの部分を席巻しています。韓国は、部品/テレビ/ブランド/コンテンツ(韓流ドラマ、K-POP)が一体となって、日本と似たアプローチをとり、台湾はブランド/コンテンツ以外の分野に注力を入れているようです。

 

さらに、コンテンツ(ソフト)の方にも視点を向けてみると、放送とネットとの融合に向けて、Apple/Google/Microsoft といった企業が各種サービスを立ち上げてテレビとの垣根を崩そうとしています。

 

日本のテレビ業界全体にとって苦しい状況にあることには変わりないでしょう。

 

では、どのようにしてこの苦境を脱することができるのでしょうか。

 

ひとつの視点として、「A Ghost(=Apple/Google/Honhai(Foxconn)/Samsung/TSMC)」が圧倒的強さをもっているため、これら企業のビジネスモデルを追いかけても勝てないとし、「A Ghost」と戦わない戦略を提案する声もあります。

 

それは、「A Ghost」が扱わない白物家電/家具/住宅/建築との連携/調和という視点で、テレビとは何かというところまで立ち返り、他の家電とつながる新たな価値で差別化するといった構想です。パナソニックは「家まるごと」、シャープは「メガソーラーシステムインテグレーター」やApple向け中小型液晶パネルで下請け企業としての道を進むといったことです。

 

以上をまとめると、テレビ業界全体が収益を上げていくためには、コンテンツ制作側は高品質化/多様化/グローバル化/ネット化を前提とした機動性ある収益モデル構築を、メーカー側は「A Ghost」と戦わない商品の再定義をしていく必要があるといえるのではないでしょうか。

 

ただ、メーカー側については「A Ghost」と“戦わない”のではなく“巻き込む”という視点での商品開発を行うという道もあるように思えます。
どちらを取った方がより効果的かについても検討してみるのも良いかもしれません。

 

このように、これまでにない新たな取り組みをしていくにはイノベーション(企業変革)の視点が必要になります。そのための発想力、そして新しい時代を読み解く力をいかにして身につけていくかということが必要といえるでしょう。

 

皆さんでしたらテレビを取り巻く業界について、今後どの様なイノベーションが必要だと考えますか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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