BIZトピックス 話題のビジネスマナーや、時事問題を大前研一やMBAホルダーの視点で鋭く解説。あなたの成長へのプロセス作りを後押しする、ビジネストピックス集。

2012/06/13配信分

経営戦略 経済原論

日本のスマートテレビの未来は?

テレビメーカー各社が、スマートテレビへと、大きく舵を切っています。

 

最近、スマートテレビについて耳にすることが皆さんも増えてきているのではないでしょうか。

 

例えば、先頃報じられた世界最大の家具販売店「IKEA」からのスマートテレビ発売。

 

また、Appleでは『Apple TV』に続き、テレビ市場への本格的参入が噂されており、早ければ、6月11日〜15日:米サンフランシスコで開催される『WWDC 2012 (Worldwide Developers Conference)』で具体的な商品が紹介されると言われています。

 

このような流れの中、薄型テレビ競争で大きく水をあけられている日本の家電メーカーはどのようなアプローチでこのような状況を切り開いていくのでしょうか。

 

今回の「MBAホルダーの視点」では、経営戦略論や情報リテラシー、企業分析といったスキルを活用して、各社の戦略を比較しながら、日本の家電メーカーのスマートテレビの方向性を予測してみたいと思います。

 

まずは、日本の大手家電メーカーが、薄型テレビ競争で大敗した背景から確認してみます。

 

デジタル競争時代の特徴とは「設備があれば誰でも製品を作れる」ことから、スピードとコスト競争力に勝る韓国/台湾/中国のメーカー参入によって一気に価格競争に突入し、コモデティ化が加速しました。

 

しかし、日本の大手家電メーカーはハードウェア指向で垂直統合型の投資拡大に走り、その結果赤字を拡大させてしまいました。

 

その結果を受け、日本の大手家電メーカーは、新たな高画質技術を打ち出したソニー、主力工場閉鎖と新商品を打ち出したパナソニック、国内生産から撤退した東芝、Foxconn(富士康)を筆頭株主とする資本提携を決めたシャープなど、戦略を見直しています。

 

一方、韓国Samsungでは、「ジェスチャーコントロール」「ボイスコントロール」「ユーザー顔認識」といった機能を使いながら、テレビに話し掛けての各種操作や、ユーザーのライブ映像を見ながらエクササイズトレーナーが指導したりなど、“見るテレビ”から“使うテレビ”へとシフトしています。

 

中国TCLでも、Androidを搭載した「モーションコントロール」機能付きスマートテレビを発売しており、「オンラインモール」への誘導など、ビジネスを拡大させる動きが活発化しています。ちなみに、IKEAのスマートテレビ『Uppleva』は、TCLが製造します。

 

そのIKEA『Uppleva』は、プレーヤーやサラウンドシステムなどをオールインワンにすることで配線ケーブル束を見せずに見た目をすっきりさせることで、IKEA家具にマッチした洗練されたデザインで、1000ドル以下で販売すると報じられています。

 

また、Appleによるスマートテレビは噂の域を出ませんが、「タッチパネル」「ジェスチャー操作」「音声認識 siri」を搭載すると見られており、「iPad」「iCloud」との連携だけでなく、Macでおなじみのアプリが使え、ホームPCとしてのポジションを狙っているようです。

 

これらから、各社が提案しているスマートテレビとは、IKEAは低価格/シンプル/分かりやすさを提案し、SamsungとAppleは多機能/サービス/機種連携を提案し、TCLがポジションアップを狙う構図というように、二極化しつつあると言えそうです。

 

GoogleではかつてソニーやLogitecと組んで「Google TV」を進めるも失敗した経験があり、今度はSamsung/LG電子と組んで再挑戦するものの、その成功はまだ未知数です。一方のAppleも、スマートテレビで成功するかどうかは、まだなんとも言うことができないというのが現状でしょう。

 

この団体戦に対して、興味深い商品を出してきたのが、Microsoftです。
今年の米国コンピューターゲーム展示会・見本市「E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)」で発表された「Xbox Smart Glass」は、既存のテレビをスマートテレビに変えるというアプリでした。

 

これは、各社が販売しているスマートフォンやタブレットを「Xbox360」に接続して既存のテレビに連携させることで「もう1つのテレビスクリーン」「もう1つのゲームコントローラー」「番組のコンパニオン」「インターネットのリモコン」に変えてしまうものです。

 

ソフトバンクモバイル(株)副社長:松本 徹三 氏は、このコンセプトに近い考え方を示しています。松本氏は「テレビは、スマートである必要はなく大画面装置だけで良い。受信機能/データ蓄積機能/BB回線接続ノードはどこかに在れば良く、全ての操作はスマートフォンで行えば良い」と言います。

 

これは、家電メーカー各社が、ハードウェアの進化に合わせて、テレビの買い換え需要を促すのはナンセンスであり、求められるのは、単純/柔軟/オープンという考え方を示しているといえます。

 

そのように考えると、スマートテレビの進む方向性としては、基本要件は、

 

・ユーザーの多様性と双方向性への対応
・いつでもどこでも見られるユビキタスへの対応
・様々なサービスへの対応

 

であり、技術的には「Xbox Smart Glass」のように、スマートフォン等のキーデバイス/ソフトウェア/クラウドによって、各社ハードウェアの組み合わせを可能とする「スマートな環境」と言えるのではないでしょうか。

 

従来、プラットフォームを取る事は重要な戦略でしたが、スマートテレビでは、様々なプラットフォームを統合できる上位プラットフォームの概念が重要になってくるのかもしれません。

 

さて、皆さんが、日本の家電メーカーの立場ならば、スマートテレビに対して、どのような方向性を追求しますか?



一票を!

今後のサイト作りの参考にさせて頂きます。

役立った!
同一カテゴリのトピックスを読む
MBA診断

本サイトのBIZトピックス・ビジネステンプレート・ビジネス用語集は、ビジネス界の第一線で活躍する大前研一が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。

【無料】9日間でカフェ経営メルマガ

<ステップメール>経営学の要諦を物語で学ぶ!定年退職した父親は元公務員。ビジネス経験ゼロの父が、一流の経営者になるまでの感動のストーリー

BIZTIPSとは?
close

BIZTIPSは、ビジネスに関する様々な情報を集約したビジネスパーソンの知的給油所です。現在進行形で起こっている諸問題、疑問に対するプロの見解や最新のビジネストピックスなど、必読情報満載のポータルサイトです!

BIZまとめ
役立つ5つのコンテンツ
BIZトピックス
BIZ用語集・テンプレ
BIZライブラリ
BIZリファレンス
検索人気ワード

バナー

バナー

バナー

BIZクイズ一問一答!

問題

相互に重複がなく全体として漏れがないことを指すロジカルシンキングの基礎技術って次のどれ?

ビジネスの第一線から最新情報を配信中!
本サイトは日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を努めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。
ビジネスの第一線で活躍する講師陣ならではの最新のビジネス情報を配信中です。

大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

PAGE TOP