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2013/05/22配信分

ITリテラシー 経営戦略

第3のスマホOS競争から見えてくる将来のモバイル環境

先頃、通信キャリア各社が、夏モデルの新製品発表会を開催しました。
スマートフォンシフトが加速する中、第3のスマホOS競争が勃発しています。

 

今回の【MBAホルダーの視点】では、スマホOS競争について取り上げ、将来のモバイル環境を紐解いてみたいと思います。

 

まずは、OSのシェアを見てみましょう。

 

■OS別世界スマートフォンシェア
2011年(4Qのみ) 2012年(4Qのみ)
1位:Android 49.2%(52.9%) → 68.8%(70.1%)
2位:iOS 18.8%(23.0%) → 18.8%(21.0%)
3位:BlackBerry 10.3%( 8.1%) → 4.5%( 3.2%)
4位:Windows 1.8%( 1.5%) → 2.5%( 2.6%)
出荷台数 494.5百万台 → 722.4百万台
(出典:IDC)

 

Androidは、多数のメーカーがハイエンドから低価格まで、幅広いニーズに応える端末を販売したことが成長要因であり、中でもサムスン電子が大きなシェアを占めています。iOSでは、iPhone4/4Sの占める割合が大きく、新製品発売時に旧モデル値下げで廉価端末ニーズに応える戦略を採っています。

 

さて、1位・2位で大半を占めるスマホOSですが、今年2月:スペイン・バルセロナで開催された『Mobile World Congress』で、いくつかのスマホOSが発表されました。

 

●Firefox OS:米非営利団体「Mozilla」が開発
参加通信キャリア:スペイン、ドイツ、イタリア、KDDI等の世界18の通信キャリア
参加日系メーカー:ソニー他

 

●Tizen(タイゼン):サムスン電子、インテルが開発
参加通信キャリア:フランス、韓国、ドコモ等
参加日系メーカー:NEC、富士通、パナソニック他

 

さらに注目すべき動きとして、Googleでは、Android事業責任者のアンディ・ルービン氏が退き、Chrome OS責任者のスンダル・ピチャイ氏に兼務させたことから、AndroidとChrome OSが統合されるのではないかと見られています。

 

新たなスマホOS登場の背景には、「HTML5」と呼ばれる次世代Web技術対応があります。「Firefox OS」と「Chrome OS」は、「HTML5」に特化した新世代OSで、「Tizen」は「HTML5」と旧世代アプリの両方に対応する中間的ポジションを狙っています。

 

では、第3のスマホOSと「HTML5」は、どのような恩恵を提供してくれるのでしょうか。

 

例えば、ビジネスマンが会社PCでやっていた作業内容が、地下鉄に乗ってタブレットを起動した瞬間に再現され、その場で作業を再開できるようになります。また、家のゲーム機で遊んでいた子供が、父親の自動車に乗った時、後部座席スクリーンで、中断したゲームを再開できます。

 

つまり、シームレスなクラウドコンピューティングが可能になるのです。加えて、ユーザーがアプリを端末にインストールする作業を排除できるのです。

 

「HTML5」は表現力が高いウェブページ記述言語であり、これによって作られたアプリは、OSに関わらず対応ブラウザで見ることができ、アプリ開発が比較的簡単であることから、アプリベンダーが歓迎しているようです。

 

ちなみに「iOSアプリ」/「Google検索」は通信キャリアに収益をもたらしませんが、「Firefox OS」や「Tizen」ならば自由にカスタマイズできるので、通信キャリアの独自サービス展開によって利益分配をコントロールできます。つまり、Google社は、各社のAndroid離脱の意向を察知して、戦略の変更姿勢を示したとも言えるのです。

 

一方メーカーにとって新規OS採用は開発負担が大きいので、保険を掛けておく意味で意思表示していると見られています。2013年3Qにも登場するとされる「Firefox OS」と「Tizen」搭載のスマートフォンですが、勢力図がはっきりして本格的に普及するには時間が掛かるでしょう。

 

こうした中、ドコモが大手術を行っています。『ドコモクラウド』向け認証基盤を、これまでの回線契約(電話番号)に紐付けするのではなく、IDベース(メールアドレスなど)の基盤へと再構築しています。これは、マルチデバイスに対応する目的がありますが、IDベースでの認証とは様々なビジネスを進める際にも適しているのです。

 

例えば『dゲーム』は、ドコモ以外の端末からでも利用できますが、これはドコモが「回線フリー」「キャリアフリー」へと舵を切り、モバイルを核とした総合サービス企業への転身を示すものと見られています。

 

同様に、KDDI auでも『au ID』がマルチデバイス対応できる認証基盤であり、ソフトバンクでも、ソフトバンク・テクノロジーが『サイバートラスト デバイスID』によりマルチデバイス対応の認証基盤を追加したと発表しました。ドコモとKDDIが、いち早く第3のスマホOSに参加表明したのは、総合サービスを視野に入れていることを示したとも言えるのです。

 

さて、今後、キャリア/端末/OSに縛られないモバイル環境が進む中、日本の各社はどのような戦略を採ることが考えられるでしょうか。

 

例えば、生活シーンへの浸透。無料通話・メールアプリ『LINE』が大躍進している要因の1つとして、ITリテラシーが高くなくてもユーザーが利用できるように敷居を下げ、機能を拡大して生活インフラへの道を進んでいることが挙げられます。
つまり、従来の枠組みやコンセプトを再構築して生活シーンに溶け込んでいくことが必要になるということが考えられます。

 

一例を挙げると、単純な健康サポートから長寿日本にちなんで寿命を縮めない食事や生活習慣をサポートし、更にはアクティブな生き方へと導くようなサービスや、単純なナビから、保険会社と連携して事故の因果関係データを活かして、より安全で確実なルートへ導いたりすることができるサービス開発等、より良く生きるという目的で見直すと様々なサービスが考えられそうです。

 

さて、皆さんでしたら、第3のスマホOSから見えてくる新たな世界に対し、日本の各社はどのような戦略を採れば良いと考えますか?そして、どのような価値を提供していくと良いでしょうか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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