BIZトピックス 話題のビジネスマナーや、時事問題を大前研一やMBAホルダーの視点で鋭く解説。あなたの成長へのプロセス作りを後押しする、ビジネストピックス集。

2014/03/12配信分

マーケティング 経済原論

若者消費を喚起せよ!まとめ「ヤンキー経済」

最近、経済誌等で「ヤンキー経済」なるキーワードを目にされた方も多いのではないでしょうか。経済が長期低迷期に入り、消費が増えない中、現代の若者達をセグメンテーションして何とか消費拡大させようという動きは、今後どうなって行くのでしょうか?
 
そこで今回の【MBAホルダーの視点】では、「ヤンキー経済」を取り上げてその本質について紐解いてみたいと思います。
 
まずは、「ヤンキー」の語源と、キーワードが登場した背景について整理してみます。
 
ヤンキー(Yankee)の語源とは、アメリカの南北戦争当時、北軍の兵士らを軽蔑した呼称が転じ、アメリカ北東部に住む白人に対する俗称となりました。
日本では、1970~1980年代に、大阪・難波のアメリカ村で買った派手なアロハシャツや太いズボンを履いて、繁華街をウロウロする不良っぽい若者を指して呼ばれる様になりました。
 
やがて日本各地に飛び火し、周囲を威嚇するような格好をして、仲間から一目置かれたいという少年少女を指す言葉になったのは皆さんご存知の通りでしょう。今では、その特有なファッションや消費などライフスタイル全般を含めて、「ヤンキー」と称される様になりました。
 
今回のテーマである「ヤンキー経済」においては、地元への土着指向が強く、派手な高級ブランドとキャラクターが好きといった消費行動を取るといった具合に、首都圏に住むエリート層と対比させる形で、セグメントが定義付けされています。

これについては、2013年3月、東洋経済誌における『ヤンキー消費をつかまえろ』という特集が話題を呼び、後追いする形で週刊現代誌が2013年12月に『日本人の9割がヤンキーになる』という記事を掲載して、このキーワードが全国に広まりました。
 

両誌の主張を比較すると、以下の様にまとめる事が出来ます。
 
◆共通点◆
・旧来の「ヤンキー」ではなく、ライフスタイルのキーワードとしての「ヤンキー文化」が広がった
・背景には、エリートとの階級格差が影響している
 
◆相違点◆
・セグメンテーションの違い
 【東洋経済誌】:4分類(ITスキル度と社交的・内向的の二軸)
  「オタク」「エリート」「マイルドヤンキー」「ギャルサー」
 【週刊現代誌】:2分類(生活格差、価値観、東京vs地方の複合)
  「エリート」「ヤンキー」
 
・結論の違い
 【東洋経済誌】:「マイルドヤンキー」が消費の主役になる
 【週刊現代誌】: 社会が「ヤンキー」と「エリート」に分断されていく

 
つまり、両誌ともヤンキー文化と生活スタイルに対する主張は共通していますが、若者層に対するセグメンテーションに違いがあり、結論として、マーケティング視点で活用しようとするのか、社会分析視点で将来の危機を論じるのかという違いがあります。

 
では、2誌はどのような文脈で「ヤンキー」について議論を展開しているので
しょうか。

 
まずは【東洋経済誌】から見ていきましょう。
 
東洋経済誌で、ヤンキー消費を解説したのは、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田 曜平 氏で、著書【ヤンキー経済】も書いている人です。
 
原田氏は、現代の若者ITスキル度と社交的・内向的の二軸で4つにカテゴリー分けした「オタク」「エリート」「マイルドヤンキー」「ギャルサー」のうち、「マイルドヤンキー」が今後の消費を支えるターゲットと分析しています。
 
そして、その消費行動と行動傾向について大きく3つの特徴を挙げています。
 
◆マイルドヤンキーの特徴と消費のキーワード◆
 
【生活スタイルは、メンツや見栄を重視】
  ・周囲の目を気にする:高級ブランドをお得に購入したい
 
【家族や仲間などの“仲間内”の関係性を重視】
  ・子供に苦労させたくない:有利になる習い事をさせたい
  ・家族や友人と楽しめる:室内が広いミニバンを選びたい
  ・親子お揃い:ペアルックや子供同伴で行きたい
  ・手軽な非日常:ハロウィン仮装など楽しみたい
 
【生まれ育った5km四方の地元で安住したい】
  ・地元志向:地元に一軒家を持ちたい
  ・既知のモノを選ぶ:ディズニーランドの様にハズレを引かずに楽しみたい
  ・望むのは安定:家族の絆と安定を求めたい
 
原田氏が「マイルドヤンキー」にインタビューをした結果、彼らは現在の生活に対する満足度が高く、優良な若者消費者であるという姿が浮かび上がりました。そこから、未来の日本経済は「マイルドヤンキー経済」が牽引していくと結論付けられたのです。

 

一方【週刊現代誌】はどんな論点で語られているのでしょうか。
 
こちらは、書評家や精神科医、編集者、大学教授、思想家といった6人が複数の視点で解説しています。
 

複数の解説者が順に「ヤンキー」について分析を加えているのですが、「地元のヤンキー」vs「都会のエリート」という、2極構造を浮き彫りにすることを主眼に置いているようです。
 
将来的には、1割の「エリート」と9割「ヤンキー」という階級格差が日本の構図となり、主に「ヤンキー」を労働力としてとらえた時にその構図が顕著になると主張しています。つまり、「ヤンキー」が、低学力、低賃金、非組織、非正規労働者の供給源になるというのです。
 
つまり、エリートから剥奪される側に立つことに。しかし、反政府的な運動を組織することもなく、反知性主義ゆえに、自らの立場に疑問を呈することに一切を興味を示さないため、この「ヤンキー」vs「エリート」の流れを押しとどめることはできないだろうと結論付けているのです。

 
このように、「ヤンキー」という同じキーワードを用いながらも、アプローチ方法や結論は異なる2誌。【東洋経済誌】は冷え込んだ若者の消費を喚起するために、特定のセグメントに対して目を引くような「ラベル」を貼り、マーケティングに活用しようとする意図が見え隠れしており、一方【週刊現代誌】は格差社会の主流を成す層と捉え、政治・社会学的な見地で語っています。
 
しかし、いずれも、「ヤンキー」という目に留まりやすいキーワードを使用することで、閉塞感が蔓延する社会に風穴を開けようと問題提起をしているように思われます。

 
さて、皆さんは、「ヤンキー経済」について、どの様な分析をしますか?



一票を!

今後のサイト作りの参考にさせて頂きます。

役立った!
同一カテゴリのトピックスを読む
MBA診断

本サイトのBIZトピックス・ビジネステンプレート・ビジネス用語集は、ビジネス界の第一線で活躍する大前研一が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。

【無料】9日間でカフェ経営メルマガ

<ステップメール>経営学の要諦を物語で学ぶ!定年退職した父親は元公務員。ビジネス経験ゼロの父が、一流の経営者になるまでの感動のストーリー

BIZTIPSとは?
close

BIZTIPSは、ビジネスに関する様々な情報を集約したビジネスパーソンの知的給油所です。現在進行形で起こっている諸問題、疑問に対するプロの見解や最新のビジネストピックスなど、必読情報満載のポータルサイトです!

BIZまとめ
役立つ5つのコンテンツ
BIZトピックス
BIZ用語集・テンプレ
BIZライブラリ
BIZリファレンス
検索人気ワード

バナー

バナー

バナー

BIZクイズ一問一答!

問題

相互に重複がなく全体として漏れがないことを指すロジカルシンキングの基礎技術って次のどれ?

ビジネスの第一線から最新情報を配信中!
本サイトは日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を努めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。
ビジネスの第一線で活躍する講師陣ならではの最新のビジネス情報を配信中です。

大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

PAGE TOP