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2013/04/25配信分

経営戦略 論理思考

英会話スクールが成長するために必要なこととは?

2013年3月15日(金)に、第4回産業競争力会議が官邸にて行われました。
その中の議題で「人材力強化」がテーマとして挙げられています。

 

議事録に記載のある下村文部科学大臣のコメントによると、生産年齢人口の減少が続く中で国が成長していくためには一人ひとりの「人」の力を高める以外に手段はないとあります。そのために、日本の高等教育の質・量の充実・強化の必要性を訴えています。

 

特に大学に対し、日本の成長を支えるグローバル人材、イノベーション創出人材、地域に活力を生み出す人材の育成と、大学の研究力を活かした新産業の創出が期待されています。

 

グローバル人材の育成に関しては、

 

・世界を相手に競う大学は5年以内に授業の3割を英語で実施するなど明確な目標を定め、外国人を積極的に採用するなど、スピード感を持ってグローバル化を断行する大 学への支援を進めること
・日本人の海外留学生を12 万人に倍増し、外国人留学生を30 万人に増やすために必要な手立てを講じること
・使える英語力を高めるため、大学入試でのTOEFL などの活用も飛躍的に拡大していくこと

 

が施策案として挙げられていました。産業競争力を向上させるための本提言。
学生だけでなく、実際にビジネスの現場ですでに働いているビジネスパーソンにも当然一人ひとりの「人」の力を高めることが求められます。

 

楽天など一部の企業で社内公用語として英語を取り入れるところも出てきており、まずは英語力を向上させていくことを最優先に取り組もうとしているとも考えることができます。

 

このような動きは、英会話スクールにとっては追い風ではないでしょうか。
このチャンスを英会話スクールはどのように活かしていくことができるのか、考えてみたいと思います。

 

まずは市場を俯瞰して考えてみましょう。

 

「英会話・語学学校」の市場規模は、2781億円(2010年)。「教育産業」の市場規模:2兆4395億円の11%を占めています。これは、「学習塾・予備校」:9150億円、「企業向け研修サービス」:4630億円、「通信教育(幼児・学生・社会人向け)」:2825億円に次ぐ大きな市場となっています。

 

市場の流れを紐解くために長期的な推移を見ていくと、

 

◆英会話・語学学校市場規模の推移(単位:億円)
2000年:3150
2005年:3650
2010年:2781
2011年:2871
2012年:2968(予測)
(出典:矢野経済研究所)

 

英会話・語学学校市場は、一度縮小の動きを見せましたが、再度市場が拡大してきていることが読み取れます。『ECC』『イーオン』『ベルリッツ・ジャパン』『GABA』などに加え、小学校向け英会話事業に参入する学習塾の増加が要因として挙げられそうです。

 

学校の英語教育が「Reading」「Writing」中心であるため、ビジネスなどの現場で英語を活かすには「Hearing」「Speaking」のトレーニングが不可欠です。その力を身につけていくためにも、英会話スクールが貢献できる余地は大きいと言えるでしょう。

 

上記の企業以外に、どのようなプレイヤーがいるのでしょうか。詳しく調べてみると、小規模な英会話スクールがほとんどを占めているというデータが出てきました。

 

◆事業従事者規模別事業所数
4人以下: 2889(57%)
5人〜9人:1199(24%)
10人〜29人:759(15%)
30人〜49人:149(3%)
50人〜99人:61(1%)
100人以上:32(0.6%)
合計:5090
(出典:経済産業省「平成22年特定サービス産業実態調査」)

 

上記のデータに加え、英会話スクールで勤める講師などが出版している本を読んでみると様々な勉強法が紹介されていることから、乱立する小規模英会話スクールがそれぞれで異なる教育メソッド/テキストや教材/講義形式/試験方法などといったものを展開していることが予測できます。これといった確実な指導システムがまだ確立されていないのでしょう。

 

つまり、誤解を恐れずに言えば、現場で活かせる英語力を確実に伸ばせる英会話スクールはまだないのではないかと思われます。

 

しかし、教育メソッドの前に、本質的な問題として考えられるのは、学校も英会話スクールも、基本的には細切れの時間でしかレッスンを受けられず、継続して英語を使い続ける環境がないことにあるのではないでしょうか。
しかも、教室のみのトレーニングであるため、厳しい言い方をすると「実践の場」がありません。現場に出ることで英語を使わざるを得ない、何があっても相手に意志を伝えなくてはならない状況に追い込まれることで活かせる英語力は身につきます。

 

また、英語力が高いビジネスパーソンであっても、実際に海外のビジネスパーソンと仕事をすると打ち負かされるケースが多くあります。日本企業の現地法人でCEOを務める方々にヒアリングをすると、「構想力」「論理思考力」「問題解決力」が海外のビジネスパーソンと比較すると不足しているためにこのような事態に陥ることがあるようです。つまり、本当に成果につながる英語力を身につけるとしたら、これらの能力を同時に鍛えることが必要ではないでしょうか。

 

このように考えると、英会話スクールが市場の流れに乗じ成長していくためには「グローバル人材育成スクール」と自らを再定義し、従来の英語力育成機能に加えてコーディネーター機能を強化することで、ワンストップで成果につながる英語力向上に不可欠なサービス(例えば、他社・他校と連携することで前述の場を提供し、力をトレーニングする)を提供していくことが考えられるのではないでしょうか。

 

英語ができれば、世界は広がるかもしれません。しかし、英語はあくまでもツールです。

 

なぜ英語が必要なのか?なぜグローバル化が必要なのか?なぜ日本人は英語が不得手なのか?

 

など、日本人の本質的な問題まで踏み込めた企業がこれからの世界を勝ち抜いていけるのではないでしょうか。

 

皆さんが英会話スクールの経営者ならば、どのような戦略を考えますか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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