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2013/07/03配信分

グルーバル感覚 経営戦略

軽自動車のグローバル展開を考える

先日、三菱自動車が、軽自動車をグローバル展開すると報じました。この時、日本の軽自動車の仕様を「ガラケー」になぞらえて「ガラ軽」と称し、賛否両論が巻き起こったことはまだ記憶に新しいのではないでしょうか。

 

今回は軽自動車のグローバル展開について取り上げたいと思います。そもそも、日本独自の仕様である軽自動車はなぜ誕生したか?まずはその原点に立ち返ってから考察を進めていきましょう。

 

時代は戦後、GHQが戦後復興を進めていた頃まで遡ります。

 

GHQは中華人民共和国の成立(1949年)と朝鮮戦争の勃発(1950年)を受け、日本の戦後復興を加速させていました。この流れの中、通産省から「国民車構想」政策が打ち出され、1955年(昭和30年):『国民車育成要綱案』が公示されます。そこには、自動車製造における当時においては高い目標が掲げられていました。

 

1. 最高速度は時速100km
2. 乗車定員は大人2人+子供2人、又は大人2人+100kg以上の貨物が積載可能
3. 平坦路では時速60kmで燃費30km/L以上
4. 修理せず10万km走行が可能

 

当時、何社かがチャレンジして実現不可能とする中、自動車市場への新規参入を狙う富士重工が、1958年「スバル360」を発売し、軽自動車市場を確立します。
1959年には鈴木自動車工業が「スズライトTL」を、
1960年には東洋工業が「R360」を、1962年には新三菱重工業が「三菱ミニカ」を、
1962年にはダイハツが「フェロー」を発売し、軽自動車市場が一気に活況を呈しました。

 

その軽自動車が最近では、新車販売の4割を占める人気となっています。
なぜ、軽自動車が売れているのでしょうか?いくつかの視点から情報を整理しつつ考えてみましょう。

 

【経済状況】
長期間続いた景気低迷により、価格、維持費の安さと燃費性能の高さによる経済性。
【人口動態】
家族の構成人数が減り、単身世帯も増え、5人乗りの小型車ではなく、4人乗りの軽自動車で十分。

 

【メーカー】
品質と居住性だけでなく、デザイン性、使い勝手が格段に向上した点。
雇用面から国内生産の維持が課題となっており、軽自動車が国内生産を支える原動力となっている点。

 

【エリア別シェア】
軽自動車のシェアが高いのは、特に九州・四国・中国地方であり、中には50%超える地域も。公共交通機関が整っていない地域は一人一台、コスト面を考慮すると、各家庭セカンドカー以降は軽自動車を選択。

 

つまり、軽自動車が選ばれる理由(顧客が感じるメリット)としては、

 

・価格、維持費の安さ(税金、保険料、駐車場確保)
・燃費の良さ。エンジン性能もさほど引けを取らない。
・小さくても広々とした車内と居住性(下手なコンパクトカーを上回る)
・日本の道路事情に合致(狭い道、渋滞)
・小回りが利き、駐車など、扱いやすい。

 

を挙げることができそうです。このようなメリットから売れている軽自動車。
では、なぜ三菱自動車が軽自動車をグローバル展開していくと発表した際、賛否両論を呼んだのでしょうか。

 

賛否それぞれの意見をまとめると、以下のようなものが挙げられています。

 

【賛成派】
・商品力が強く、十分に勝負できる。
・似たような規格を持つ国があり、最低限の対応で済む。
・排ガスや渋滞などの問題を改善できる。
・現地生産すれば、現地の雇用創出につながる。

 

【反対派】
・利ざやが少ないので、輸出に向かない。
・小さすぎるので、大きな体格の人達に向かない。
・ラフな扱いに向かない。文化の違い。日本独自の進化を遂げた仕様
・排ガス規制、小型エアコン、カーナビ、鋼板等の技術が盗まれかねない。

 

グローバル展開しようとする場合、その国の事情に合わせて仕様のマッチング対応をするだけでなく、軽自動車の特性を活かして排ガス/渋滞/雇用等の国が抱える問題を解決するという視点とセットで切り込んでいくことが選択肢のひとつとしては考えられます。
例えば、軽自動車をベースに現地の事情に合わせた仕様として、その国のメーカーや政府と一緒になって国民車を企画し、その国で高いシェアを狙うのが効果的なのではないでしょうか。それには、政情が安定しており、親日的であり、日本ブランドの人気が高い東南アジア諸国がターゲットにできそうです。体格も日本人に近く、技術流出のリスクも抑えられる可能性が高いのではないかと思われます。

 

皆さんでしたら、最適解に近づくために、まずはどういった視点で、どの情報ソースから、どのような情報を集めれば良いと思いますか?
そして軽自動車をグローバル展開するために、どのような方策を考えますか?



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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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