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     ③AI(人工知能)の歴史2:ディープラーニングへの軌跡

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2016/07/20配信分

ITリテラシー

シリーズ 「ビジネスパーソンのための『 AI 』」
 ③AI(人工知能)の歴史2:ディープラーニングへの軌跡

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今回もAIの歴史について解説していくぞ! AIは前回でも学んだが、歴史はそこそこ古い。そこで成果を上げてきた事例について今回は取り上げていくぞ!

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AIの成果ですか?そのときに上げた成果が現在のAIにもつながっているんですよね? どんな功績があるんでしょうか?

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■本当に使える分析力■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 3.AI(人工知能)の歴史2:ディープラーニングへの軌跡
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¶ ディープラーニングへの軌跡
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AIの第一次ブーム(1960年代)では、なかなか実用的な成果が出せませんでしたが、専門家の知識をコンピュータに蓄積させる試みが成功を収めたため、1970年代の終わりから第二次AIブームが始まりました。
 
そして現代のAIは第三次ブームと呼ばれており、その代表格が「ディープラーニング」です。
 
第一次から第二次は連続的な手法の改善といえますが、第三次は非連続的なイノベーションです。
 
今回は一気にディープラーニングに至るまでの流れを紹介したいと思います。
 
 
¶ 第二次AIブーム:エキスパートシステムの貢献
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スタンフォード大学のAI研究者、ファイゲンバウムは、有機化合物の解析目的でDENDRALと呼ばれるAIプログラムを開発し、その精度の高さと実用面への貢献で評判を呼びました。従来の手法だけでなく、専門家の知識をコンピュータに事前に覚えさせたことにその特長があり、以後このタイプは「エキスパートシステム」と呼ばれます。
 
DENDRALの成功を受けて、同じ原理で1970年代に開発した医療診断システムMYCINも同様に成果を上げたため、一気に知識を中心としたAIブームが沸き起こりました。
 
エキスパートシステムは、欧米だけでなく日本でも盛り上がりを見せます。
 
ちょうど1970年代は高度成長期を迎え、経済は絶好調の時代でした。1982年には、日本は世界に先立ち、国家プロジェクトとして次世代コンピュータの開発に1000億円を投じると発表し、その内容はAIの研究そのもので非常に野心的なものでした。
 
「AI白書1991」によると、1989年時点で企業の3割超がエキスパートシステムを導入しています。決して企業のAI活用は今に始まったものではなかったのです。
 
欧米も、日本に負けじと類似の国家プロジェクトを推進しましたが、残念ながらどの国も大きな成果をあげることはできませんでした。
 
その理由の1つは、知識の事前格納という手法自体の限界と言われています。
 
特に、時代の変化で有用な知識内容は変わるため、常に価値のある知識として引き出すには、どうしてもそれを見直す(学習)プロセスが必要となります。
 
 
¶ 機械学習 ~自立的な学習
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今のAIを実現する手法で、最も代表的なものは「機械学習」と呼ばれるジャンルです。語感のとおり、自律的に学習するコンセプトを指します。
 
機械学習には、主に以下のような手法が存在します。
 
1.ルールベース(従来の探索・知識手法に学習処理を足したもの)
2.確率/統計
3.強化学習
4.進化的計算
5.ニューラルネットワーク
 
本連載では、比較的成果を挙げた「2.確率/統計」「5.ニューラル・ネットワーク」を取り上げたいと思います。
 
「確率/統計」は、過去のデータを元に確率的に推論しようという立場で、なかでも「ベイズ理論」は多大な貢献を果たしました。
 
ざっくり言えば、まず主観的に確率を設計して試し、その結果を補正して徐々にその確率精度を高めようという考え方で、学習データが多いほどその効果が上がります。
 
ちょうど1980年代に登場したPCおよびインターネットのおかげで、学習データを大量に入手出来るようになったのも追い風となりました。特にその恩恵を受けたのがGoogle、Microsoft、IBMといったIT企業です。
 
余談ですが、IBMが開発した人工知能「ワトソン」にもこの手法が活用されています。
 
 
次に「ニューラルネットワーク」ですが、これは脳の神経回路の構造を参考にした学習モデルです。
 
脳はニューロンと呼ばれる神経の集まりで、ニューロン間で電気信号を伝達することで、我々の精神活動を全てやりくりしています。これをモデル化したアプローチと言えます。
 
AIにとって大きな契機になったのは、「形式ニューロン(神経)構造モデル」が1940年代に提唱され、それをもとに1958年に「パーセプトロン」という数学的なモデルが作られたことです。
 
これらは入力層・中間層・出力層という3層で構成された階層型のネットワークです。一時期、論理表現の限界が指摘されたりもしましたが、中間層を重ねることで弱点を克服することが出来ました。
 
しかし、中間層が増えることであまりにも学習方法が複雑化し、かつ処理負荷が重すぎるため、2000年代までこの流派が表舞台に出ることはあまりありませんでした。
 
 
¶ ディープラーニングの出現
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ダートマス会議からちょうど半世紀後にあたる2006年に、AI研究者ジェフリー・ヒントンが提唱したニューラルネットワークの多層学習手法が、大きくその勢力図を書き換えることになるのです。
 
それこそが「ディープラーニング」と呼ばれるものです。
 
技術的なブレークスルーは大きく2つあり、「多層での効果的な学習手法を編み出したこと」「並列演算装置を組み込んで計算性能を高めたこと」ことです。
 
ディープラーニングがもてはやされているのは、その特徴を機械自身が抽出出来ることです。
 
例えば、我々が猫を見て猫と見なすのは、髭があって耳が立ってニャーとなく生き物という特徴を今までの経験で学習しているからです。
 
今までのAIには、その特徴を人間が教えてあげる必要があったのですが、ディープラーニングでは、機械自身がそれを学習することが出来るようになりました。
 
これがAIの歴史において最大のイノベーションといわれるゆえんです。
 
次回は、ディープラーニングがもたらした成果を、それを積極的に取り入れた企業の動きと紐づけながらご紹介したいと思います。
 
 
【執筆:福岡 浩二/BBT大学院2014年9月 修了】
 
 



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ディープラーニングが画期的な発明だったんですね! しかも結構最近! もっと知りたいです!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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