BIZTIPS>BIZトピックス>北朝鮮に残された4つのシナリオ(自滅、暴走、亡命、交渉)【大前研一メソッド】

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2016/11/04配信分

グルーバル感覚

北朝鮮に残された4つのシナリオ(自滅、暴走、亡命、交渉)【大前研一メソッド】

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北朝鮮がまた水爆実験らしきことをやりましたね。 一体これにはどんな目的があるんでしょうか? 今後も実験を続けてあの国は最終的にどうしたいんでしょう?

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まだまだ続けそうな気配が濃厚だな。 各国の制裁も実施はしているが、実はなんちゃって制裁をしている国もある。 まあこのままいけばこの国に明るい未来はないのだが。 

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 北朝鮮の核弾道ミサイルの開発が着々と進む 』
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9月9日、北朝鮮が「核弾頭の爆発実験に成功した」と発表しました。同日、午前9時半頃に日本の気象庁は北朝鮮北部を震源とする地震波を観測しています。

 

マグニチュード5.3で震源の深さは0km。自然の地震波とは異なる波形だったというから、おそらく地下核実験だったのでしょう。北朝鮮の核実験はこれで5回目。2016年に入って1月6日に「水爆」と称する核実験を強行して以来2度目となります。一方で核弾道ミサイルの発射実験も繰り返しています。10月には2回にわたり発射実験するも、失敗したと報じられています。

 

北朝鮮の狙いは何なのでしょうか。核に詳しい大前研一の意見を聞いてみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 北朝鮮の今後:自滅が先か暴走が先か 』
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◆北朝鮮の核実験とミサイル発射実験はまだまだ続く

 

2回の実験が意味する北朝鮮の狙いは明確で、弾道ミサイルに搭載する核弾頭の小型化である。そこにまた一歩近づいたということだろう。

 

北朝鮮の核開発については「ウクライナが技術供与している」という情報もある。旧ソ連邦で核開発の中核地の一つがウクライナだった。今のウクライナは核開発を放棄しているから人材が余っているはずで、そういう人間が北朝鮮の核開発に関わっているというのだ。一方、弾道ミサイルの開発は中国およびロシアのロケット技術が使われている。いかにも“パクリ国家”の北朝鮮らしいが、それだけに開発レベルと開発スピードは侮れない。

 

また6カ国協議の合意を受けて北朝鮮の原子炉は2007年から運転を停止している。もともと米国の学者などからは、北朝鮮が保有しているウラン235とプルトニウムで核実験をするのは4~5発が限度と指摘されていた。としたら今回の核実験で打ち止めの可能性もあるのだが……。

 

北朝鮮は原子炉の再稼働を表明していて、再稼働に向けた動きも確認されている。しかし、プルトニウムをつくり出すまでには数年かかる。またウラン型原爆をつくるにはウラン235を濃縮する技術が必要だが、ガス拡散法などは非常に難しく、おそらく北朝鮮はやっていないだろう。あるいは原子力潜水艦などロシアが廃棄した核兵器から核が取り出されて、闇ルートに流れている可能性もある。当然、北朝鮮はそうしたルートも研究しているだろう。

 

我々のような専門家から見れば、北朝鮮の核開発ステップは決して非常識なものではなく、常識的な開発ステップを踏んでいる。核弾頭を小型化してミサイルに積むにはまだ何回か実験が必要だろうし、核弾頭をミサイルで飛ばせるようになっても、適時に起爆する技術がこれまた難しい。

 

実用化の一歩手前くらいまできているから、もう止まらない。核実験にしてもミサイル発射実験にしても、まだ続行しそうな気配である。

 

◆北朝鮮に対する国連安保理制裁も、中国とロシアが抜け穴

 

北朝鮮の核実験に対して日米韓と国連安保理はすぐさま非難声明を発表した。国連安保理は北朝鮮の4度目の核実験と長距離弾道ミサイルの発射に対して、3月の時点で北朝鮮に対する制裁強化決議を全会一致で採択している。

 

日本はさらなる制裁強化を安保理に働きかけているようだが、これまでの決議同様、効果のほどは疑わしい。安保理決議があるのだから加盟国は決議に従わなければならない。しかし北朝鮮に対して「なんちゃって制裁」しか行っていない国が、中国とロシアである。常任理事国が一国でも反対したら安保理決議は成立しない。つまり中国もロシアも北朝鮮への制裁に一応賛成しているわけだが、まじめに制裁する気はない。それはなぜか。

 

北朝鮮は核開発疑惑とIAEA(国際原子力機関)の査察要求に反発して、03年にNPT(核兵器不拡散条約)を脱退しているが、そもそもNPTに加盟せずに核開発をやっている国がある。インド、パキスタン、イスラエルである。インドとパキスタンは「5大国のみに核保有の特権が認められているのは不平等」とNPT批准を拒否して核実験を行ってきた。イスラエルは核開発疑惑を肯定も否定もしていないが、フランスの協力を得て200発ぐらいの核弾頭を持っているのは公然の事実だ。

 

欧米はNPTを批准せずに核開発しているインド、パキスタン、イスラエルには制裁しないではないか。アメリカはインドの原発開発の手助けまでしている。これはダブルスタンダードではないのか――。

 

こういう割り切れない思いが中国やロシアにはある。北朝鮮の後ろ盾になってきた立場上、金正恩に「自制しろ」とは言う。半島の非核化は大事なテーマだから、国連決議にも一応賛成はする。しかし、実力行使までして北朝鮮を制止する気にはならないのだ。

 

◆中国やロシアと北朝鮮は持ちつ持たれつの関係

 

中国やロシアが北朝鮮制裁に本気になれないのは、経済的理由もある。中国遼寧省南部にある丹東市は北朝鮮と国境を接する街で、北朝鮮との交易で成り立っている。鴨緑江(おうりょくこう)に架かる橋は物流のトラックや通勤の人や車が行き交って大変な交通量だ。

 

中国は人件費が高騰して競争力を失ったといわれるが、人件費が10分の1の北朝鮮の人々を使えばまだいけるということで大勢雇っている。中国政府の悩みの種は東北3省(遼寧省、吉林省、黒竜江省)で、石炭と鉄鋼の街が多いので、すっかり寂れきっている。北朝鮮との交易、労働力が途絶えたら、経済状況はさらに悪化する。だから中国政府としては見て見ぬふりをするしかないのだ。

 

一方のロシア。極東ロシアの最大の問題は人口だ。中国の東北3省で1億5000万人いるのに、極東ロシアは650万人しかいない。そこで北朝鮮の人々を大量に密入国させて農村や工場で働かせており、貴重な労働力として地域に組み込まれている。やはりロシア政府も見て見ぬふり、である。いくら欧米や日本が国連安保理を動員して北朝鮮に制裁圧力をかけても、中国とロシアが抜け穴になってしまうわけだ。

 

 

北朝鮮は今後どうなるのか。シナリオは4つが考えられる。可能性が高い順番に以下のとおりである。

 

《シナリオ1:自滅》

 

一番可能性が高いのは自滅シナリオである。会議中の座る姿勢が悪いというだけで副首相が銃殺されるほど粛清の嵐が吹き荒れている。恐怖政治がエスカレートする状況で、明日はわが身の側近が金正恩の命を狙うことは大いにありうる。ルーマニアのように、独裁者が排除されたら案外ケロッと普通の国になりそうだ。

 

 

《シナリオ2:暴走》

 

2番目は暴走シナリオである。暗殺を恐れて国外に出られないほど金正恩は追い込まれている。「せっかく開発したミサイル兵器を一度も使わずに殺されるのは嫌だ」という(論理的ではない)理由で、攻撃ボタンを押すことも考えられる。ターゲットは米国や日本よりも、やはり確実に叩ける韓国だと思う。「ソウルを火の海にする」が脅し文句でなくなるのだ。ただし米国の反撃は確実で、攻撃ボタンを押した次の瞬間、金王朝は滅びることになる。あるいはボタンを押す寸前に「シナリオ1」が発動して金正恩は消されるかもしれない。

 

 

《シナリオ3:話し合いによる開国(ロシア亡命)》

 

第3のシナリオは話し合いによる開国である。韓国には「統一省」があるくらいで、話し合いで南北統一に向かう可能性もなくはない。ただし、金正恩が相手ではまず話し合いには応じない。金正恩の生命を保証してロシア辺りに亡命させたうえでなら、その目も出てくる。

 

 

《シナリオ4:米国との単独交渉》

 

第4のシナリオは北朝鮮の一番の狙いであるところの、米国との単独交渉である。米国を交渉の席に引きずり出したいから、米国本土が射程距離内に入る長距離ミサイルを開発し、危険な火遊びをしているのだ。新大統領にトランプ氏が就任すればわからないが、普通に考えたら米国が単独交渉に応じるとは思えない。米国は北朝鮮の核なんて風船爆弾程度の脅威にしか感じていないから、まともに相手をするはずがない。

 

北朝鮮では外交官や兵士の脱北が相次いでいる。つまり敵前逃亡が始まっていて、ここから先は自滅シナリオが先か、暴走シナリオが先か、という展開になると思われる。

 

自滅でも暴走でも金正恩が消えれば、朝鮮半島の南北統一のプロセスに入る。統一すれば日本にも引けを取らない、人口7600万人の大朝鮮連邦(Greater Korean Republic)が誕生し、韓国は自動的に核保有国になる――。

 

韓国人が密かに見ている夢だ。米国に乗っかるだけの日本に状況を動かす術はない。自らが攻撃対象になることがないように祈りつつ、ひたすら自滅を待つしかないだろう。

 

 



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今回ポイントだ!
●北朝鮮は今後以下の4つのシナリオのどれかをたどることになるだろう。
(1)自滅、(2)暴走、(3)話し合いによる開国(ロシア亡命)、(4)米国との単独交渉――。
●自滅でも暴走でも金正恩が消えれば、朝鮮半島の南北統一のプロセスに入る。
●統一すれば日本にも引けを取らない、人口7600万人の大朝鮮連邦(Greater Korean Republic)が誕生し、韓国は自動的に核保有国になる。

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誰がどう見ても問題は金正恩にありますね! 国民からしても早く消えてもらいたいと思っていると思います! 平和な国に進化を遂げてもらいたいものですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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