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2017/06/09配信分

経済原論

個人が解放される!ギグ・エコノミー時代の到来(後編)【大前研一メソッド】

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前回はギグ・エコノミーという新しい働き方の紹介をいただきましたが、これから日本もそういった働き方がどんどん増えていくんでしょうか?

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日本は、働き方後進国だ!安倍首相がやっている働き方改革は時代遅れであることに早く気づいてほしいものだな。プレミアムフライデーって一体何の意味があったんだ?ギグ・エコノミーは早く帰るとかそういった働き方ではないからな。どうやったらソロとして活動できるようになるのか、考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 働き方後進国の日本で「ギグ・エコノミー」に必要な能力をどう習得? 』
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前号では、米国を中心に拡大しているネット経由の単発請負型経済「ギグ・エコノミー」とは何かについてその概要を解説しました。

 

しかし日本は、その潮流からほど遠い“働き方後進国”の状況に置かれたままであると大前研一は警鐘を鳴らします。「ギグ・エコノミー」で各個人が必要とされる能力はどのようなものなのか、大前学長に解説してもらいます。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 名刺や肩書でなく実績だけで個人が国際的に活躍する時代 』
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◆安倍晋三政権の「働き方改革」は時代遅れ

 

安倍晋三政権は「働き方改革」で「同一労働同一賃金の実現」「残業時間の上限規制」「非正規という言葉をなくす」などの旗を掲げている。だが、これらはすべて20世紀の古い労働形態に対する政策だ。

 

21世紀のギグ・エコノミーでは、同一労働同一賃金、残業時間、正規雇用・非正規雇用という概念はない。会社に雇われるかどうか、長時間働くかどうかではなく、成果を出せるかどうか、新しい事業を生み出す能力があるかどうかが各個人に問われるのだ。

 

その現実を知らない安倍政権は、国を挙げて月末の金曜日に早めの退社を促す「プレミアム・フライデー」などを提唱したが、的外れも甚だしい。前号で紹介した米国のコロラド州に移住してネット経由で仕事をしている人たちは、成果さえ出せば、いつどこで何をしていてもかまわないので、いわば「プレミアム・エブリデー」なのだ。

 

そんな“働き方後進国”の日本にも、ギグ・エコノミーが拡大しそうな“芽”はある。たとえば、ICT(情報通信技術)ベンチャーやネットベンチャーの起業家たちは、10代の時のゲームに始まった友達同士のネットワークで、その後もそのままつながっている。まさに「類は友を呼ぶ」である。

 

彼らは組織に属することを嫌い、「ソロ」で活動することを好む。自分1人だと手に余る場合は、仲間と組んでジャズのジャムセッション(即興演奏)のような形で仕事をする。会社の名刺や肩書で仕事をするのではなく、個人の能力でギグ(単発の仕事)をするのが当たり前――そういう人たちが増えてくることが強みになるのだ。

 

◆プログラミング能力を早期に鍛えるのが「ソロ」活動デビューへの近道

 

では、そもそもソロで国際的に活躍できる人材とはどういうタイプなのか?

 

興味深いことに、マイクロソフトのビル・ゲイツ、ツイッターのジャック・ドーシー、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ペイパルやテスラ・モーターズのイーロン・マスクら、株式時価総額が1000億円以上の「ユニコーン企業」を創設した起業家たちがいつからプログラミングができるようになったか調べると、たいがい小学生時代で、遅くとも中学生時代には大人と互角以上の勝負ができるようになっていた。

 

プログラミングができる能力とコンピューターを使える能力は全く違う。プログラミングができる人は新しいものを自分で生み出すことができるが、コンピューターを使えるだけでプログラミングができない人は、誰かが作ったプラットフォームに乗っかるしかない。

 

プログラミングができるということは、画家が絵を描いたり作曲家が音楽を書いたりするのと同じく、頭の中にある新しいシステムを現実に創り出していく能力なのである。だから、これからのサイバー社会においては、プログラミングができるかどうかが人生の分かれ道、と言っても過言ではないのである。

 

小学生時代から母国語のごとくプログラミングに習熟し、高校を卒業する頃には企業から仕事を頼まれるくらいのレベルになるのがベストだ。

 

ところが、安倍首相や文部科学省は「教育勅語」を教材として使用することを否定しないとする閣議決定を出したり、アナクロな道徳教育を強化したりしている。そんな時代錯誤なことに力を注ぐよりも、これからは日本語と、英語などの外国語、さらにプログラミング言語を加えた「トリリンガル」を目指す教育にシフトすべきである。

 

◆英語力とサイバー・リーダーシップもギグ・エコノミーで求められる

 

ギグ・エコノミーでは、名刺も肩書も関係ない。「私はこれができます!」「こういう実績があります!」と言えなくてはならない。ネットの世界では「使用前」と「使用後」が明確にわかる人、すなわち期待された以上の成果を出せる人しか評価されないし、通用しないのだ。

 

さらに、多国籍で様々な人種・民族に属し、面識もない人たちとサイバー空間でコンボ(バンド)を組んで、うまく“ジャムセッション”するには、それなりのルールやエチケット(=“ネチケット”)が必要だ。チームメンバーを取り仕切る「サイバー・リーダーシップ」も必要になってくる。

 

国境のないネット上で新しい価値が創出される21世紀は、サイバー・リーダーシップとネット上で議論しながら最適解を導き出す「ネット集団知」を高めることが何事においても極めて重要なのだ。

 

英語ができて、サイバー・リーダーシップがあり、集団知を高めることができれば、即座に世界中のギグ・エコノミーで活躍できるであろう。しかし、そういうことは今の文科省の学習指導要領には1行も書かれていない。つまり、そんな学習指導要領に従って教えている既存の学校には、ギグ・エコノミーでボーダレスに活躍できる人材を育てることはできないのだ。

 

 

幕末期の日本では、吉田松陰が主宰した「松下村塾」や緒方洪庵の「適塾」のような“私塾”が次世代の有為な人材を輩出した。従来型の幕府の下ではそうした人材が育たなかったからだ。それと同様に、旧態依然の大学や会社組織からは、国際的なギグ・エコノミーに対応できる人材は生まれない。

 

「ソロ」でも活躍できる実力を身につけるにはどうすれば良いのか?

 

自分で考えて行動していくしかないが、まずはサイバー社会で仲間と作り、何か共通のものを開発する仕事を仲間に呼びかけて、経験値を蓄積することから始めてみてはどうだろうか。

 

 



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今回のポイントだ!
●英語、サイバー・リーダーシップ、プログラミング能力の習得がギグ・エコノミーで生きていけるかどうかの分かれ道になる。
●学習指導要領に従って教えている時代遅れの学校では、ギグ・エコノミーでボーダレスに活躍できる人材を育てることはできない。
●サイバー社会で仲間と作り、何か共通のものを開発する仕事を仲間に呼びかけて、経験値を蓄積する必要がある。

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英語に加えてプログラミングですね!リーダーシップはクマの世界ではなかなか発揮することがないですが、頑張ります!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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