BIZTIPS>BIZトピックス>老朽化したマンションを“住人負担なし”で建て替える方法【大前研一メソッド】

BIZトピックス 話題のビジネスマナーや、時事問題を大前研一やMBAホルダーの視点で鋭く解説。あなたの成長へのプロセス作りを後押しする、ビジネストピックス集。

2017/08/04配信分

経営戦略 経済原論

老朽化したマンションを“住人負担なし”で建て替える方法【大前研一メソッド】

熊画像
上部枠

マンションの建設がそこらじゅうで行われていますが、今後は老朽化していくマンションも急増していきますね。古いマンションは今後はどうなっていくのでしょう?

下部枠
矢印
人画像
上部枠

老朽化したマンションが急増するのはもちろんだが、住人もマンション同様年を取っていく。だから住人の高齢化も進むのだが、もっと大きな問題もはらんでいる。どんな問題があり、どう解決していったらいいのか一緒に考えてみるぞ!

下部枠
矢印

 

■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 老朽化マンションが今後急増し、「管理不全」のマンションが増える 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

老朽化マンションが今後急増します。国土交通省によると築40年以上は2017年末時点で63万戸ですが、10年後に173万戸、20年後は334万戸に増えます。古いマンションほど住民の高齢化も進みます。住民の高齢化は管理組合役員のなり手不足や空室の増加につながります。

 

さらに悪いことに、日本は人口減時代に突入しています。人口減によって住宅需要が落ち込んでいく課題はもちろんのこと、人口減に高齢化が相まって強く懸念されているのは「管理不全マンション」が増えることです。

 

【資料】築後30、40、50年超の分譲マンション数 ―― 国土交通省

 

老朽化するマンションと管理不全の問題をどのように解決したら良いのでしょうか? 大前研一学長に聞いてみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 遅々として進まないマンションの建て替えを一挙に進めるアイデア 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

◆高齢化と人口減少で、マンションの老朽化、管理不全問題が深刻になる

 

管理不全マンションとは管理組合がなかったり、管理組合が機能しないために、維持・管理や修繕が行き届かないマンションのことをいう。

 

管理組合とは分譲マンションを購入した住民(区分所有者)で構成される団体だ。マンション内のルールを決めたり、管理費や修繕費を徴収したりしてエントランス、廊下、エレベーター、外壁、配管など共用部分を管理維持し、修繕や改修のタイミングを適宜決めていく。

 

ところが昨今は管理組合がないマンションや住民の高齢化によって役員のなり手不足に悩む管理組合が非常に多い。また住民の高齢化や空室の増加は管理費や修繕積立金の滞納、修繕資金不足という事態も招く。

 

結果、組合が機能しないために老朽化しても修繕が適切になされず、共有スペースのメンテナンスもままならない管理不全マンションが全国で増加しているのだ。

 

管理不全マンションは経年劣化による老朽化が著しく、スラム化につながりかねない。スラム化して治安や環境衛生が悪化すれば、マンションの資産価値はさらに下落する。

 

マンションの老朽化、管理不全問題は高齢化、人口減時代に突入した日本に突きつけられた課題の一端として捉えるべきだろう。

 

◆「マンション管理組合」という組織形態が抱える問題

 

住民の高齢化や空室増が管理組合の機能不全を引き起こすのは前述の通りだが、管理組合という組織自体が抱えている問題もある。管理組合そのものに意思決定する仕掛けがないのだ。

 

08年の建築基準法改正で竣工・外壁改修等から10年を経たごとにマンションの外壁の全面打診検査が義務づけられたが、外壁塗装などのマンションの大規模修繕は一定の周期で必要になる。築年数によっては耐震基準に満たないなどの理由で建て替えを要する場合も出てくる。

 

住民の当事者意識が高く、管理組合が機能しているマンションなら話は比較的スムーズに運ぶ。しかし管理組合がいくら修繕や建て替えを呼びかけても、意思決定機関である総会で反対派が多数を占めたり、総会に出席する人数がまばらだったりして、合意が得られないケースは少なくない。修繕積立金の不足分の徴収など、お金の段になると反対や文句を言い出す人もいて、なかなか前に進まない。

 

建て替えともなるともっと大変で、建て替え決議を可決するには区分所有者および議決権の5分の4以上の賛成が必要になる。「今さら大金をかけて建て替えなくても、このまま静かに暮らしたい」と高齢の住民が考えるのも無理ないわけで、住民の高齢化は今後さらに重くのしかかってくる。日本ではマンションの建て替えは遅々として進まず、大地震で崩れるのを待つしかないような状況なのだ。

 

◆外部経済を利用して建て替え費用をまかなえる

 

マンションの管理組合は、組合員の総意に近い「合意」に基づく意思決定の仕組みしか持っていない。それゆえに時代環境に適応する思い切った方策も打てず、自ら組織変革もできずに、古臭い共同事業体として時代に取り残されてしまっている。

 

組合を意思決定ができる組織に変えるにはどうすればいいか。一番手っ取り早いのは商法上の意思決定の仕組みを取り入れることだ。

 

つまり、株式会社化である。株式会社であれば50%超の議決権で意思決定できるから、物事が前に進む。マンションの管理組合を株式会社化して私が社長になったら、たとえば「建て替えて倍の規模のマンションにしましょう」と提案する。

 

今時、都心部のマンションなら容積率は建てた当時の倍になっている。7階建てのマンションなら14階建てにできるのだ。当然、地下も大きく取って、非常用電源や食料備蓄庫なども完備する。

 

容積率が倍の近代的なマンションに建て替えれば、新しい住人やテナントが大挙して入ってくる。つまり外部経済を取り込むことで、建て替え費用をまかなうことも可能だ。

 

「建て替え費用を負担する必要はない。建て替え期間中の仮住まいの費用も後で精算する」などと説明できれば株主である住民の賛同も得やすい。それで意思決定できるわけだ。何なら隣近所のマンションと話し合って一緒に建て替えしようということになれば、街のブロック単位の大規模開発にもなりうる。新しい容積率にするとどれくらいユニットが増えて、分譲価格はいくらぐらいになるのか、建設会社にボリュームスタディ(建築規模の検討)をやらせて、綿密な事業計画を策定する。

 

 

得体の知れない組合では誰も金を貸してくれないが、事業戦略や抵当に取れる会社資産が明確な株式会社であれば金融機関だって融資しやすい。

 

マンション管理組合を株式会社化することは、日本の再起動に欠かせない仕掛けだと私は思っている。マンションの管理組合の株式会社化はアップサイドが大きい。近代的なマンションに建て替えることが可能になれば、日本中に信じられないような建設ブームが起こるはずだ。

 

 



人画像
上部枠

今回のポイントだ!
●マンションの老朽化、管理不全という問題が、高齢化、人口減時代に突入した日本に突きつけられている。
●マンション管理組合を株式会社化することは、日本の再起動に欠かせない仕掛けである。
●容積率が倍の近代的なマンションに建て替えれば、新しい住人やテナントが大挙して入ってくる。

下部枠
矢印
熊画像
上部枠

これは新しい発想ですね!勉強になります! 住人負担なしで建て替えができるなら反対する人はあまりいなそうですね!

下部枠
矢印
一票を!

今後のサイト作りの参考にさせて頂きます。

役立った!
同一カテゴリのトピックスを読む
MBA診断

本サイトのBIZトピックス・ビジネステンプレート・ビジネス用語集は、ビジネス界の第一線で活躍する大前研一が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。

【無料】9日間でカフェ経営メルマガ

<ステップメール>経営学の要諦を物語で学ぶ!定年退職した父親は元公務員。ビジネス経験ゼロの父が、一流の経営者になるまでの感動のストーリー

BIZTIPSとは?
close

BIZTIPSは、ビジネスに関する様々な情報を集約したビジネスパーソンの知的給油所です。現在進行形で起こっている諸問題、疑問に対するプロの見解や最新のビジネストピックスなど、必読情報満載のポータルサイトです!

BIZまとめ
役立つ5つのコンテンツ
BIZトピックス
BIZ用語集・テンプレ
BIZライブラリ
BIZリファレンス
検索人気ワード

バナー

バナー

バナー

BIZクイズ一問一答!

問題

一定期間に国内で生産された商品・サービスなどの付加価値の合計のことをなんと呼ぶか?

ビジネスの第一線から最新情報を配信中!
本サイトは日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を努めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。
ビジネスの第一線で活躍する講師陣ならではの最新のビジネス情報を配信中です。

大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

PAGE TOP