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2017/09/22配信分

経営戦略 論理思考

争点がない解散総選挙で何か変わるのか?【大前研一メソッド】

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安倍さん、ついに解散総選挙に踏み切りましたけど、一体何を考えてるんでしょうか?モリカケ問題の追求から逃れるための選挙ってことだとしたら国民を舐めているとしか思えません。

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基本的に自民党は国民を舐めきっている。腐敗しきった自民党政治に喝を入れてやったほうがいいのだが、それに変わる政党がいないのも事実だ。では安倍政権がこれまでどんな成果を出してきたのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 安倍首相、解散総選挙に踏み切る 』
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北朝鮮情勢が緊迫しており、一刻の政治空白も許されない中なのにもかかわらず、安倍首相は衆議院の解散に踏み切り、「10月10日公示―10月22日投開票」の日程で衆院選が行われる見通しとなりました。

 

現在の衆院議員の任期は2018年12月まであります。しかし、森友学園と加計学園問題のほとぼりがさめかけ、8月に入り内閣支持率が回復に転じている今のタイミングなら「勝機がある」と安倍首相は判断したようです。野党第一党である民進党は相次ぐ離党者の対応に追われて四分五裂の状態です。

 

どうして、このように日本の政治が停滞しているのでしょうか?
大前研一学長に聞きます。

 

【資料】内閣支持率(NHK世論調査)

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 安倍政権は5年間成果を出していないし、これからも期待はできない 』
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◆森友学園と加計学園問題:平然とウソをつく政府を、国民は許さない

 

支持率急落の原因になった森友学園と加計学園問題の震源地は明らかに安倍首相本人および首相夫人だ。にもかかわらず、「知らぬ存ぜぬ」で押し通してきたことが国民の不信を招いたのである。

 

たとえば加計学園が国家戦略特区に獣医学部の新設を申請していることについて、安倍首相は「(加計学園の申請が国家戦略特区諮問会議で正式決定した)2017年1月20日まで知らなかった」と国会で答弁した。

 

首相は加計学園理事長の加計孝太郎氏を「腹心の友」と呼び、16年中にはゴルフだけで7回一緒にラウンドしている。加計学園は構造改革特区の時代から獣医学部の新設を申請してきたし、国家戦略特区諮問会議の議長はほかならぬ安倍首相である。

 

「1月20日まで知らなかった」との答弁は違和感がすぎる。私は私学の経営者だから、文部科学大臣に会うのがどれほど大変か、よく知っている。担当課長から始まって縦横斜めに面会理由を聞かれて、局長やら何やらと手順を踏んでようやく面会できるのだ。

 

加計理事長は16年の8~9月にかけて農水大臣、文科大臣、地方創生大臣に立て続けに面会している。これも普通では考えられない。首相当人の指示があったのか、「官邸の最高レベル」に対する忖度が働いたのかは不明だが、首相以下、このようなウソを平然とつく政府に国民が不信感、不快感を抱くのは当然のことだ。

 

◆外交:活発な割に成果に乏しい

 

贔屓筋は安倍政権の外交成果を強調する。

 

首相自ら米国連邦議会や真珠湾で堂々と演説したし、オバマ前大統領を広島に呼び寄せた。ロシアのプーチン大統領とは何度も会って関係を深めたし、トランプ大統領には各国首脳の中では一番乗りで面会を果たした。一緒にゴルフをしたのも各国首脳では安倍首相が最初だ。

 

しかし、就任当初から足元が揺らぎっぱなしのトランプ大統領と仲良くなって何かいいことがあるだろうか。むしろ米国と仲良くなりすぎたために、北方領土問題は動かなくなってロシアと新しい関係を構築できていない。

 

欧州との関係もほとんど進捗していないし、中韓とは冷え込んだまま。政権発足当初は「最優先」としていた拉致問題はすっかり動きが途絶えて、北朝鮮との関係は極度に緊張している。つまり、外交的な成果はほとんど何もないのだ。

 

◆安倍首相悲願の憲法改正:将棋で言えば「詰んだ」に等しい

 

安倍首相のライフワークである憲法改正も、将棋で言えば詰んだに等しい。5月3日の憲法記念日、安倍首相は憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せて「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と語った。憲法9条の1項、2項を維持したまま、第3項に自衛隊を明記する改憲を目指すという。

 

唐突すぎる提案に与野党双方で戸惑いが広がったが、これは完全な勇み足だろう。憲法改正の手順から言えば、まず国会議員の3分の2以上の賛意を得て、国会で憲法改正の発議をしなければならない。しかし、9条に第3項を加える安倍首相の提案ではまず与党の公明党が乗れない。公明党はもともと9条改正に反対だし、山口那津男代表は「憲法改正は政権の課題ではない」と再三述べている。

 

仮に「与党ファースト」の公明党を脅して発議まで持っていったとしても、国民投票で過半数以上の賛成を得るのはきわめて難しい。“朝日新聞的戦後民主主義”に洗脳されてきた日本人の多くは9条改正最優先の改憲に疑いの目を向けるからだ。

 

自民党は「自衛隊は軍隊ではないから憲法9条に違反していない」と横車を押し続けてきたわけで、「合憲ならなぜ書き足す必要があるのか。今になって9条に自衛隊を明記するのは何か魂胆があるのでは」と勘ぐられても仕方ない。

 

安倍首相が提案するような形で憲法改正の是非を問うても国民投票は十中八九通らない。そこで否決されたら当面は憲法改正に手を付けられなくなる。10月の解散総選挙で今の安倍政権では改憲議席の3分の2はまず獲得できない。つまり発議もできなくなる。どう転んでも、安倍政権による憲法改正は詰んでいるのだ。

 

◆国民が求めるのは政権交代ではなく、自民党の腐敗と奢りを正す健全野党

 

「コンクリートから人へ」とスローガンを掲げた民主党も一時は政権を取ったが「日本をこうしよう」というまとまった国家観はなく、七夕の短冊のようにランダムに思いついたマニフェストしか持ち合わせていなかった。

 

結局、その目玉であった八ッ場ダムの中止もできず、民主党政権の約3年間では内政外交ともにめぼしい成果はなし。同情するとしたら東日本大震災に見舞われたことだが、その危機対応も強い批判にさらされ、「民主党政権はもう懲り懲り」というすさまじい逆風の中で政権を明け渡した。

 

その後も野党第一党の存在感を示せずに党勢は萎むばかり。昨年には民進党に改名、知名度の高い蓮舫氏を代表に選出して巻き返しを図るも、二重国籍問題で完全に裏目に出た。ウソつきを代表に選ぶような党に国民の信頼が集まるわけがない。私は蓮舫氏を代表に選んだ瞬間に民進党の使命は完全に終わったと思っている。

 

「八ッ場ダムの中止」一つなしえなかった前原誠司元国土交通相が新代表になった民進党に未来はないだろう。すでに四分五裂の状態で、先に沈没船から逃げ出した長島昭久氏や細野豪志氏などは小池百合子都知事との連携を模索している。

 

しかし小池都知事と「都民ファースト」のブームに乗っかる程度の腹づもりなら、やめておいたほうがいいと忠告しておこう。国民が求めているのは政権交代ではなく自民党の腐敗と奢りを正す健全野党だ。森友学園問題や加計学園の問題を審議する国会をみればわかるように、その役割を共産党の小池晃書記局長1人に奪われている。民進党のように問題追究力の弱い野党第一党など国民は全く興味がないのだ。

 

◆小選挙区制が、長期的ビジョンを持つリーダー不在の諸悪の根源

 

振り返れば、政権交代可能な二大政党制の実現を目指して1996年の衆院選から小選挙区制が導入された。あれが諸悪の根源で、私は当時から小選挙区制には大反対だった。最大の問題点はオセロのように白か黒かで決まるために雪崩現象が起きやすいことだ。

 

「都民ファーストの会」が圧勝した先の東京都議選のように、ブームになれば一気に黒から白、白から黒にひっくり返る。スイングの幅が大きすぎるのだ。政策の中身を吟味するよりも時の勢いで選ばれやすいから、長期的な国家ビジョンを持ったリーダーはなかなか出てこない。

 

小選挙区制では選挙区当たりの平均有権者数が約35万人。市長選レベルだ。市長選レベルの小さな選挙区から出てくると、どうしても地元への利益誘導が政治活動の中心になる。天下国家を論じ、外交、防衛、経済といった日本の長期的な課題に国政レベルで向き合う政治家がすっかり少なくなった。

 

確かに小選挙区制導入の目的である政権交代は果たした。しかし、中選挙区制でも細川連立内閣が生まれているわけで政権交代は起こっている。小選挙区制という選挙制度から見直す必要がある。

 

 

アベノミクスのまやかしが白日の下にさらされ、活発なわりに外交成果は乏しく、悲願の憲法改正も立ち往生――。8月3日にスタートした第3次内閣改造でまだ何の成果も生み出せていない。「結果本意の仕事人内閣」を自負する安倍首相は、経済を最優先課題に掲げていたにもかかわらずである。

 

第2次安倍内閣でトラブルメーカー続きだったお友達やイエスマンのクビを一部すげ替えて、安倍首相と距離のある河野太郎氏を外務大臣に、野田聖子氏を総務大臣に抜擢した第3次安倍内閣とは何だったのか。こんな小手先の人事で自らを震源地とする国民の不信が払拭し終わったから解散総選挙に踏み切ると考えているのだとしたら、国民をなめている。

 

もはや自民党に期待できそうにない。それでも「代わりがいないのだから、安倍さんにやってもらうしかない」という議論はついてまわる。約5年も結果を出せないリーダーの代わりがいないというのだから、日本の政治はリーダーを生み出せない仕組みになっている。

 

 



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今回のポイントだ!
●国民は首相交代を望みつつも、約5年も結果を出せていないリーダー安倍首相の代わりになる政治家がいない。
●市長選レベルの小選挙区から衆院議員を選ぶため、並に天下国家を論じ、外交、防衛、経済といった日本の長期的な課題に国政レベルで向き合う政治家がすっかり少なくなった。
●1996年に導入された小選挙区制度に日本の政治の諸悪の根源があり、見直す必要がある。

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安倍さんに変わる政治家がいないってかなり問題ですね! 小選挙区比例代表並立制なんてさっさと変えてほしいものです!

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経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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