BIZTIPS>BIZトピックス>小池氏は都政と国政の二足の草鞋で前進できるのか?【大前研一メソッド】

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2017/09/29配信分

経営戦略 論理思考

小池氏は都政と国政の二足の草鞋で前進できるのか?【大前研一メソッド】

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都民ファーストの会が都議会の第一党になって初めて議会が始まりましたけど、あんまりニュースにはなっていないみたいですね。しかし小池都知事はこれからどうやって都民ファーストな都政をしていくのでしょうか?

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都民ファーストの会には政治経験が全然ない議員も多い。したがってどうなることやらとしか思えないが、これから都知事としてどう力を発揮していったらいいのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 「都民ファーストの会」が都議会第1党となって初の定例会が始まる 』
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小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が都議会第1党となってから初の都議会定例会が9月20日に始まりました。

 

解散総選挙のニュースによって、都議会定例会の開催のニュースはすっかりかき消されてしまっています。そもそも、小池都知事と小池新党である「都民ファーストの会」がこれから何をするのかを冷静に考えて投票した都民は少ないので、都議会定例会が始まったというニュースの扱いが小さくても気にならないのかもしれません。

 

「都民ファースト」「東京大改革」「忖度だらけの古い都議会を新しく」など具体的な政策は見えなくても、実にわかりやすい標語一発で今回の都議選に勝利したわけですが、小池都政の真価が問われるのはこれからだと大前研一学長は釘を刺します。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 「都民ファースト」のスローガンを都政に落とし込む具体案 』
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◆都知事と「都民ファーストの会」:二元代表制のチェック機能は働くか?

 

「都民ファーストの会」には医師や弁護士、公認会計士など多彩な専門家が集まっているようだから都政に新風を吹き込むことを期待したいが、当選者の大半は政治経験がなく、政治的資質は未知数だ。かつて、「平成維新」の旗の下で具体的な政策を掲げながら、それを共有したはずの政治家が現実を何一つ動かせなかった苦い経験が私にはある。「都民ファーストの会」が東京大改革、都政の変革という初心をどこまで貫けるのか、見守っていきたい。

 

都知事と議会の関係がどう変わるかも注視したい。都知事も都議も都民の直接選挙で選ばれる「都民の代表」だが、都知事は東京都という地方自治体の行政の長である。議員代表制により国会の指名で決まる総理大臣よりも直接権限を持っている。人事権を持つだけではなく、都の役人と相談しながら予算を組んだり、条例案や各種のプロジェクト案を策定したりしていく。そうした予算案や条例案を審議・決定するのが都議会の役割だ。

 

選挙で選ばれた行政のトップである首長と行政のチェック機能を持った議会の関係を「二元代表制」という。小池都知事が「都民ファーストの会」の代表を辞したのは、都知事が都議会第一党の党首を兼ねると「二元代表制のチェック機能を損なう」との懸念からだろう。しかし、そもそも都議会が行政のチェック機能を果たしてきたとは思えない。何しろ、行政が出してきた議案を都議会がつぶしたことは過去に一度もないのだから。

 

一般会計で7兆円、特別会計を加えると東京都の予算は約13兆円。潤沢な財源を自分たちで都合よく使い回すために、都庁の役人はさまざまな利権を餌に長年、議会工作をしてきた。都庁と都議会の癒着の闇は深い。小池都知事がそこにどこまで切り込めるか、第一党となった「都民ファーストの会」が二元代表制のチェック機能を果たせるのか、それとも旧来の利権構造に取り込まれて与党化するのか。そこが見物である。

 

◆築地移転問題:費用を税金ではなく、世界から資金を呼び込んでで賄え

 

「都民ファースト」は都政から置き去りにされてきた東京都民にはわかりやすく響く標語だが、それ自体に内容はない。議会を制圧した小池都知事には何を「都民ファースト」にするのか、いかに具体的な政策に落とし込めるか、が問われている。

 

たとえば「築地は守る、豊洲は生かす」と結論を下した築地市場の移転問題。中央卸売市場を豊洲に移したうえで、築地は5年後を目処に再開発して市場機能を確保しつつ、食のテーマパーク機能を有する一大拠点にする――という基本方針を都知事は発表した。築地跡地は売却せずに民間に貸し出すような形で再開発するという。

 

しかし豊洲市場の建設費約6000億円の大半は、もともと築地の売却益(約4000億円)で穴埋めする予定だった。築地を売却しないとなれば、豊洲の移転費用は都民の税金で賄うしかない。そこに築地の再開発費用も上乗せされるのだ。

 

土壌汚染対策など豊洲と同等レベルで築地を整備・再開発するとなると、少なくとも4000億円はかかる。このままでは豊洲と築地の両立は、一挙両得の「都民ファースト」なアイデアとはならない。それどころか都の予算で再開発となれば新たな利権が生じて、小池都知事が巻き込まれる恐れすらある。

 

築地再開発の具体的なプランはまだ不明だが、私は民間の資金を取り込むべきだと考える。築地近辺なら1600%程度の容積率で再開発が可能だろう。そのうちの200%は東京都が貸借して競りなどの市場内取引や食のテーマパーク施設として活用するなどの条件を付けて、民間に売却する。

 

築地界隈のウオーターフロントは東京に残された最後の巨大開発エリアだ。銀座に近接した立地は申し分ないし、築地ブランドも残るとなれば、2000億円、3000億円でも買おうという投資の手は世界中から挙がるはずだ。こうした方向に持っていければ、都民の負担は大幅に軽減される。「都民ファースト」な課題解決になる。

 

◆「世界でもっとも住みやすい都市」東京が抱える喫緊の課題

 

英国の情報誌『MONOCLE』が毎年発表している「世界のもっとも住みやすい都市ベスト25」で東京は15、16、17年と3年連続で1位に選ばれた。

 

【資料】MONOCLE、世界の住みやすい都市ランキング2017年版を発表

 

確かに世界の大都市と比べて東京は交通アクセスが抜群だし、美味しい店もたくさんある。犯罪発生率は低く、騒音も少ない。昔に比べて交通渋滞は驚くほど緩和されているし、隅田川にも魚が戻ってきている。東京から富士山が見える日はかつて20日もなかったが、今や100日以上だ。

 

そんな「世界でもっとも住みやすい都市」東京が抱える喫緊の課題は以下のとおり3つある。

 

(1)地震などの自然災害対策を打て
地震などの自然災害に対する備えが必要である。首都直下型はもちろん、相模湾などで大地震が起きた場合でも相当深刻な被害が予想される。

 

(2)築地-晴海-勝鬨エリアを一体開発し、日本版“シティ”を誕生させよ
もう一つは外国人から住みやすい街に選ばれながら、主要なグローバル企業が東京にアジア本社を置いていないこと。国際都市としてはまだ3流なのだ。貸席経済が進んだシンガポールや香港と比べて何が問題かといえば、まだ規制が多いことであり、外国人が住みたがるような職住近接の空間が足りない。

 

そういう意味でも、私が20年以上前から提案している築地から晴海、勝鬨エリアの一体開発ができれば、ビジネス環境も住環境も一気に向上し、東京の未来を決定づける魅力ある都市の中核部分に仕上げることができる。ロンドンのドックランズに匹敵する職住一体型の“シティ”が誕生する。

 

(3)PPPを活用して将来の繁栄を世界から取り込め
上記の(1)(2)を都民の税金を使わずにPPP(公民パートナーシップ)でやることが肝心だ。都民の安全と安心を着実に改善しながら、将来の繁栄を世界から取り込む。

 

 

「都民ファースト」な都政の実現には以下の3つの方向性が重要である。

 

(1)地震などの自然災害対策を打て
(2)築地-晴海-勝鬨エリアを一体開発し、日本版“シティ”を誕生させよ
(3)PPPを活用して将来の繁栄を世界から取り込め

 

米トランプ氏や仏マクロン氏など、党首が看板の個人政党が政治に風穴を開けるのは、世界的な現象になっている。一時のムーブメントで個人政党や地域政党が既存の政治勢力を蹴散らすパターンは過去にも繰り返されてきた。そして今、“小池ブーム”の風が日本中に吹こうとしている。しかし、小池都知事には(国政ではなく)まずは東京をピカピカに磨き上げることに専心してもらう必要がある。

 

 



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今回のポイントだ!
●小池知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が都議会第1党となってから初の都議会定例会が始まった。
●「都民ファースト」な都政の実現には以下の3つの方向性が重要である。
(1)地震などの自然災害対策を打て
(2)築地-晴海-勝鬨エリアを一体開発し、日本版“シティ”を誕生させよ
(3)PPPを活用して将来の繁栄を世界から取り込め

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その方向性を打ち出して都民ファーストな政策ができたら、さらに小池旋風が巻き起こりますね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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