BIZTIPS>BIZトピックス>大前研一が選ぶ「お手本にできる政治家」は誰?【大前研一メソッド】

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2017/10/06配信分

グルーバル感覚

大前研一が選ぶ「お手本にできる政治家」は誰?【大前研一メソッド】

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安倍さんは国難突破解散という、庶民には理解困難な解散に踏み切りましたけど、結局どういう国にしていきたいのかさっぱりわかりませんね。「地方創生」「一億総活躍」「働き方改革」「人づくり改革」と毎年のように政策が変わるってどういうことなんでしょう?

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結局安倍さんは何がしたいのかさっぱりわからず、政治家のお手本にはならないが、今回はお手本にしてほしい政治家をあげてみよう!政治家としてのポリシーがあれば毎年のように看板政策が変わるなんてことはないぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 「日本が国難に直面している」のだとすると解決の方向性は如何に? 』
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安倍晋三首相に言わせると日本は国難に直面しており、国難を突破するために衆議院を解散するのだと言います。国難という割には突破するほどの方向性が自由民主党の政権公約から全く見えてきません。

 

【資料】政権公約 ―― 自由民主党

 

第1次政権スタート時、安倍首相が掲げていたVisionは「戦後レジームからの脱却」であり、「戦後体制、戦後秩序、戦後政治の見直し」でした。

 

しかし米国に一喝されるやすぐに尻尾を振って、米国べったりという戦後政治の上塗りに方向転換。トランプ大統領にも我先にと謁見して「米国に民主主義を教えてもらった」などと持ち上げるまでに成り下がっています。

 

vision drivenなドイツの政治が一つのお手本になると大前研一は言います。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 ドイツのコール元首相に見る「政治家のあるべき姿」とは? 』
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◆visionを掲げ、政策をぶれることなく積み上げ、やり通し、結果を出す

 

2017年6月16日に死去したドイツのヘルムート・コール元首相は、戦後最長の16年(1982~98年)にわたってドイツ連邦共和国の首相を務めて、東西ドイツの再統一を成し遂げ、EU創設を定めたマーストリヒト条約の締結や欧州共通通貨ユーロの導入など欧州統合にも尽力。その功績から過去3人しかいない「欧州名誉市民」の称号をEUから贈られている。

 

「ドイツ、欧州、世界の歴史に目に見える足跡を残した傑出した人物」と旧ソ連のゴルバチョフ元大統領が弔意を表していたが、同感だ。私が見てきた中でも最高の政治家の一人だと思う。

 

何が素晴らしいかといえば、Visionを掲げ、それに一致した政策をぶれることなく積み上げ、やり通し、結果を出すというVision drivenな政治姿勢である。具体的には以下の二つのVisionである。

 

◆vision1:「ドイツだけが突出して強くなると欧州は不幸になる」

 

彼のvisionの中核にあったのは「欧州の中のドイツ」ということだ。

 

ドイツが突出して強くなると欧州は不幸になる。ドイツの復興、繁栄は欧州とともにあるべし――。こうした考え方から欧州統合を積極的に推進した。西ドイツ初代首相アデナウアー、さらには前任のシュミット首相がジスカール・デスタン仏大統領と連携して築き上げてきた「統合」の素地をさらに発展・加速させて、マーストリヒト条約までこぎつけた。

 

欧州共通通貨ユーロの導入にしても、奇跡の戦後復興の象徴であり、欧州最強の通貨になっていたマルクを放棄することへのドイツ国内の抵抗は非常に強かった。しかしコール氏は「欧州の中のドイツ」を貫くためにこれを決断、反対論を押し切ってミッテラン仏大統領とともにユーロを導入した。

 

◆vision2:「東西に分断された祖国の再統一」

 

もう一つのビジョン、というより悲願は戦後、東西に分断された祖国の再統一である。東西冷戦下でまったく見通しが立たない時期でも、「統一」の夢は決して諦めなかった。だからこそ冷戦終結、ベルリンの壁崩壊という決定機を逃さなかったのだろう。

 

コール氏はミッテラン大統領とソ連のゴルバチョフ大統領と頻繁に会談して究極の信頼関係を築いた。ドイツの再統一に強く反対していたのがナチスドイツに痛い目に遭ったフランスとソ連だったからだ。

 

89年のベルリンの壁崩壊から1年後、東ドイツの州が西ドイツに編入される形で再統一を果たしたときには、フランスもロシアも反対せずに歓迎の意を表した。ベルリンの壁崩壊を千載一遇のチャンスと見るや、ドイツ再統一に関する国際合意をまとめあげ、国内の反対勢力を封じ込んで、わずか1年という短期間で再統一を成し遂げた突破力は見事というほかない。とはいえ困難な課題は統一後にも待ち受けていた。西と東の経済格差である。大きくは以下のような二つの経済格差が存在した。

 

(1)西と東の経済格差1:東西ドイツマルクの為替レート差

 

当時、西ドイツマルクと東ドイツマルクをブラックマーケットで両替すると20対1ぐらいの交換比率だった。しかしコール氏は4000マルクまでは1対1、4000マルク以上は1対2という交換比率での通貨統合を決めた。いわば東ドイツの人々の資産を10~20倍底上げしてあげたわけだ。東ドイツの生産性は西ドイツの半分程度だったにもかかわらず、労働者の賃金を同一にする政策も実行した。

 

(2)西と東の経済格差2:インフラ格差

 

インフラ格差もひどかった。ベルリンの壁崩壊前に西から潜り込んで東ドイツを見て回ったことがあるが、石炭産業のせいでどこの街も煤けて薄暗く、供給不足でマーケットにはモノがない。ヒトラー自慢の飛行機が離発着できるアウトバーン(ハイウェイ)もデコボコ。そんな東ドイツの復興財源として、コール氏は連帯税を91年に導入した。当初は所得税、法人税の税額の7.5%、98年以降は5.5%の連帯税をドイツの人々は今も払い続けている。

 

◆世界最強のドイツ経済の一翼を担う旧東ドイツ

 

コール氏の東ドイツ優遇策は決してうまくいったとはいえない。通貨統合と労働コストの上昇で割高になった東ドイツの製品は売れなくなって多くの企業が倒産した。

 

一方、復興資金の調達でドイツの財務状況は悪化したし、統一の興奮が冷めるとともに連帯税などの復興負担を強いられることへの不満も高まっていった。結局、コール氏は98年の連邦議会選挙に大敗、5期16年の長期政権にピリオドが打たれた。

 

しかし、後から振り返れば、コール氏の決断がなければ東ドイツがあれだけのスピードで復興することはなかったと思う。私が訪れたときには約40%だった旧東ドイツ地域の失業率は今やその4分の1程度に縮小し、完全雇用に近づいている。多少の経済格差は残っているが、世界最強のドイツ経済にガッチリ組み込まれているのだ。

 

 

政策的にもメルケル首相はコール氏の路線を踏襲し、徹底してEurope firstを貫いている。今やドイツの象徴であるばかりか、ポピュリズムや右派勢力が台頭する欧州ではメルケル首相が唯一の希望の星だ。

 

かつてのシュミット首相とジスカール・デスタン大統領、コール首相とミッテラン大統領のように、今またメルケル首相とフランスのマクロン大統領が良好な独仏関係を築いて、英国のBREXITで揺らいだEUの結束を固める求心力になっている。

 

欧州の安定という視点で見れば、ドイツの偉大なるリーダーの系譜を受け継ぐメルケル首相の存在は、コール氏の最高の置き土産なのだ。

 

 



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今回のポイントだ!
●私が見てきた中で、ドイツのコール元首相は最高の政治家の一人である。
●何が素晴らしいかといえば、visionを掲げ、それに一致した政策をぶれることなく積み上げ、やり通し、結果を出すというVision drivenな政治姿勢である。
●欧州の安定という視点で見れば、ドイツの偉大なるリーダーの系譜を受け継ぐメルケル首相の存在は、コール氏の最高の置き土産である。

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Vision driven って大事ですね!まずはそこを決めて政治をしてほしいですね!私もVision drivenな仕事をしていきます!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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