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2017/10/27配信分

グルーバル感覚 論理思考

「大学教育無償化」公約は政治家の票集めにすぎない!?【大前研一メソッド】

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今回の衆院選で、各党が大学教育を無償化すると公約で掲げていましたが、そんなことできるんでしょうか? 借金がとんでもないことになっているのに、またお金をばらまこうということなんですかね?

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大学を無償化することは一見良いように見えることは確かだ。だが、本当にできるとは到底思わないし、しない方がいいのではないかな? 大学無償化がなぜ公約として掲げられたのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 無償化を含む大学教育の機会均等を、第4次安倍内閣が検討へ 』
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自民党の安倍晋三総裁(首相)は、11月1日に招集する特別国会での首相指名を受け、第4次安倍内閣を発足させます。

 

選挙で公約した「人づくり革命」の具体化が当面の政策課題となります。その具体策を話し合う「人生100年時代構想会議」を再始動させ、年内に案を取りまとめる方針です。同会議で議長の安倍首相は、無償化を含む大学教育の機会均等などを検討するよう指示しています。

 

大学教育の機会を均等に与えるために無償化することは一見すると良いことのように思えますが大前研一学長は反対します。理由を聞いてみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 高賃金を将来期待できる大学教育の費用は自己負担?国負担? 』
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◆高校まで義務教育化し、成人年齢を18歳に統一すべき

 

私はこの件に関しては、これまでにはっきりとした考えを何度も発表している。

 

まず、義務教育は高校まで延ばし、高校卒業までに大人になる責任と教養を徹底的にたたき込んで、社会人として立派に適応できる人間になれるよう、教育カリキュラムを変える。

 

義務教育が中学までというのは、現状にはそぐわない。例えば、中高一貫教育をすると、1年は授業が浮く。その浮いた1年で、プログラミングや社会人として適応していくなど、これまであまりしていなかったことを教育するのだ。当然、高校までの義務教育は無償化する。

 

私は『平成維新』を出版した約30年前から「成人年齢を18歳にしよう」と主張してきた。ただ、選挙権を与えるだけでは不十分だ。飲酒、たばこなども18歳で許可し、自動車事故も含めた刑法上の責任も18歳から負わせるべきだ。少年法の改正も含め、「18歳」でピタッと統一するのだ。

 

「18歳成人制」導入で重要なのは、国をあげて「18歳で高校を卒業するまでに、社会人として立派な人間に育てる」という意志を持つことだ。法律も学校もすべてセットにして、21世紀を担う大人をつくりあげていく。国はこういう強い気概を持たなければいけない。

 

◆大学は「稼ぐ力」を養う職業教育の場だから自己負担にすべき

 

高校までは義務教育であるのに対し、大学は職業教育で、「稼ぐ力」を養うために行くところと決める。これが自己負担になるのは当然のことだ。

 

大卒と高卒のコストパフォーマンスをざっくりと比較してみよう。

 

文部科学省・私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果によると、国立私立理系文系の全ての平均で、日本の大学生は初年度納付金を含めて4年間で約400万円を大学に納めている計算になる(直接コスト)。

 

大学教育を受けるコストは授業料という直接コストだけではない。大学に行かずに働いていれば得られたであろう賃金を放棄してまで教育を受けているからである(間接コスト)。

 

厚生労働省・平成27年度賃金構造基本統計調査によると、男性高卒労働者が最初の4年間で得られる賃金の平均は約1000万円になる。それに対し22歳から59歳の間で男性大卒労働者は平均して高卒労働者よりも約5200万円多く稼いでいる。

 

つまり、日本の大学教育は平均すると1400万円の投資を行い、5200万円のハイリターンを得ることができる投資先であると言える。高い賃金を得られるという具合に、教育を受けるメリットが教育を受ける個人本人にしかないのであれば、政府が公教育支出を行うことは正当化しにくい。

 

【資料】日本には「教育無償化」が本当に必要なのか? 徹底図解で考える

 

カネのない人のために教育ローンを充実させ、借金をしても将来は身につけた「稼ぐ力」で返していくというようにする。借金は本人の責任で、親には払わせない。

 

そうなれば、大学で遊びほうけて、くたびれきって就職するという現在の弊害はなくなる。大学は「稼ぐ力」の場所と決める。大学院も同様だ。

 

ただ、大学院の博士課程(ドクター・コース)で、さらに深い研究に携わる場合は別だ。これは国力を維持するために必要なものだから、きちんとした奨学金を出し、優秀な人は税金でバックアップする。つまり、一般の大学とドクター・コースの大学院はまったく違う考え方で当たるべきだ。

 

 

もし、大学教育を全学生を対象に無償化すれば、現状ではおよそ3兆円という巨額の財政資金が必要となる。これは債務残高が対GDP比230%超(2016年)と世界最悪の国家財政にさらに大きな負担となってのしかかる。

 

今回の衆院選では「大学を無償化する」という公約を各党が掲げた。選挙公約としては聞こえは悪くない。特に今は18歳から投票できるから、高校3年生や大学生は一票を投じたかもしれない。そのようなポピュリズム(大衆迎合主義)には一貫した思想もなく票を金で買っているようなもので私は大反対である。

 

 



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今回のポイントだ!
●大学教育を全学生を対象に無償化すれば、現状ではおよそ3兆円という巨額の財政資金が必要となる。
●大学教育は高賃金が得られるハイリターンの投資先であり、教育を受けるメリットが教育を受ける個人本人にしかないのであれば、政府が公教育支出を行うことは正当化しにくい。
●教育ローンを充実させ、借金をしてでも将来は身につけた「稼ぐ力」で返済していくというようにすべきである。

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個人が稼ぐ力を身につけるために大学にお金を払っていくのが筋ですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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