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2017/11/10配信分

経営戦略 経済原論

原発ゼロ時代に国民に問われるものとは!?【大前研一メソッド】

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関西電力が原発を廃炉にする方針を固めたようですが、古い原発は日本にまだ多く残されていたと思います。他の原発もどんどん廃炉になっていったら日本の電力はどうやって賄うんでしょうか?

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日本で原発を新設するのはもう無理だろうな。だからこのままどんどん廃炉になっていくだろう。そうなったときに国民には一体なにが問われるようになっていくだろうか?一緒に考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 関西電力の大飯原子力発電所1、2号機が廃炉へ 』
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関西電力は、2019年に40年の運転期限を迎える大飯原子力発電所1、2号機(福井県)を廃炉にする方針を固めました。

 

1、2号機がそれぞれ117.5万kWと大飯のように発電規模が大きい原発は効率がよいとされ、関電はこれまで運転期間を延長する考えを示していましたが、補強や耐震化などの安全対策に必要な追加費用がかさむことで、延長しても採算がとれないと判断し、方針転換したものです。

 

大型原発の廃炉が現実のものになってきました。廃炉にしてしまって、日本の電力供給は本当に大丈夫なのでしょうか? 大前研一学長に聞きます。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 黙っていても、日本ではいずれ「原発ゼロ」になる 』
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◆原発の運転期間は原則40年

 

原発は11年の東日本大震災後、運転期間が原則40年と定められたが、原子力規制委員会が延長を認めれば最長60年まで運転可能となっている。

 

一方、原発の廃炉も東日本大震災後、美浜原発1、2号機(福井県)などが認可されたが、いずれも出力30万~50万kWの小型原発だった。出力100万kWを超える大型原発の廃炉は東京電力福島第1原発を除いては初めてとなり、原発の再稼働を目指す他の電力会社にも影響を与えることになる。

 

今回の衆院選では、新潟のような立地県でなく、消費地をベースとする東京都知事が代表を務める希望の党までもが「原発ゼロ」を公約に掲げていた。

 

しかし原発は国政選挙の争点とはならない。なぜなら日本ではいずれ原発ゼロになってしまうからだ。国民感情を考えると、日本はもう新しい原発を立ち上げるのはほぼ不可能だからだ。

 

運転経過年数別に日本の原発数を見ると、現在、運転経過10年未満の原発は1基、10~19年が6基、20~29年が17基、30~39年が16基。運転開始から37~38年が経過している大飯1、2号機はここに含まれる。そして、40年以上が8基。約半数が運転開始から30年以上経過している。

 

先月、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6、7号機が原子力規制委員会の安全審査に事実上合格したことを受け、東京電力は再稼働への準備を進めている。安全対策に計6800億円を投じる方針を示した。しかし、これでは絶対にペイしない。

 

もう新しい原発は造れないし、建設中断中の東電の東通(ひがしどおり)1号原発(青森県)や大間なども難しいと思う。新しい原子炉が造れない以上、いずれ原発はゼロになる。だから、これを衆院選の公約にしても意味はなかったのだ。

 

政府は福島第一原発事故の原因と対策をいまだに説明していない。だから、国民も納得していない。そういう状況だから、昨年の新潟県知事選のように原発再稼働に慎重姿勢の米山隆一知事が当選することになる。

 

私は基本的には、余命の少ない大飯の1号機と2号機が廃炉になるのは当然だし、まだ10年以上いけるはずの運転経過20~29年の原発も半分ぐらいは再稼働することなく廃炉になると思っている。

 

◆原発はいずれゼロへ。ほかの電源ですべてを穴埋めすることはできない

 

電源構成(総発電電力量に占める各電源の内訳)を見ると、原子力の比率は06年に30%を超えていたが、11年の大震災後はいったんゼロとなり、今でも1%台だ。その分をLNG(液化天然ガス=2015年は約4.4%)、石炭(同約3.1%)、石油(同約9%)、水力(同約10%)、地熱と新エネルギー(同約5%)で穴埋めしている。

 

石炭の場合、排出ガスを水にもう1回通してCO2を捕捉した後、表に出せばCO2排出の問題が少なくなる。再生可能エネルギーに関しては、日本の場合、水力はほぼ開発し尽くしたし、太陽光や風力は平均稼働率が20%だが、これはあくまで平均稼働率であって稼働率0%~100%の間のどの値を取るかは“風まかせ”“お天道様次第”と変動が大きく、安定供給が難しい。

 

 

結局のところ、ベースロードとしては原子力から“先祖返り”して化石燃料に頼らざるを得なくなる。

 

地球温暖化のパリ条約を満たしていくためにはモーター、コンプレッサーなどの効率化や電球のLED化など電力使用量の30%カットを政策的に進めていかざるを得ない。

 

つまり「原発ゼロ」は既定路線であって争点にはなりえず「国民に省電を義務化する」という問題こそが国政選挙での争点になるべきであったし、将来の争点になるということだ。

 

 



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今回のポイントだ!
●原発の新設は日本では難しい。原発は11年の東日本大震災後、運転期間が原則40年、最長60年で終わる。
●日本ではいずれ原発ゼロになる。原発の発電量をほかの電源で完全に穴埋めすることは難しい。
●モーターなどの効率化のほか「国民に省電を義務化」せざえるを得なくなる。

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電気を今よりもさらに省電で使う時代が到来するんですね! またイノベーションが起きて電気ではないものがエネルギーになる時代が到来したりして… 

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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