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2017/11/17配信分

組織人事 経済原論

「働き方改革」で日本の賃金はさらに下がる!?【大前研一メソッド】

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第4次安倍内閣が発足しましたね。 今回は一体どんな改革でデフレ脱却を目指すと言うんでしょうか? そろそろデフレ脱却してくれてもいいぐらいの長期政権になっていると思うんですけどね。

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デフレ脱却を目指してもらいたいところだが、ことごとく政策を外してきているな。今回のなんとか革命も検討違いの政策と思うが、言っている本人もよくわかっていないんだろうな。どうして的はずれな政策をいとも簡単に言ってしまうのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪としてデフレ脱却? 』
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2017年11月1日に第4次安倍晋三内閣が発足しました。
安倍首相は会見で、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪とし、デフレ脱却に向けて税や予算などの政策を総動員する考えを示しました。

 

そんなにうまくいくのでしょうか。

 

みずほフィナンシャルグループ(FG)が今後10年で1万9000人分の業務量削減を検討、三菱東京UFJ銀行が約9500人、三井住友FGは約4000人相当の業務量を減らす方針であることが相次いで報じられました。3メガバンク合計3万3000人の「銀行員の仕事」が消えます。3メガバンクともAIなどの活用によって人員や業務のスリム化を図るとされています。

 

生産性革命は省人化につながりますが、「人づくり革命」やデフレ脱却と両立しないと大前研一学長は言います。大前学長の見解を見てみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 働き方改革の目玉「残業規制」で年間残業代が8.5兆円減少へ 』
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◆「人づくり革命」「生産性革命」「デフレ脱却」の3つは矛盾する政策

 

「人づくり革命」と「生産性革命」「デフレ脱却」の3つは矛盾するものだ。
いまの日本人の多くは、作業内容に一定のパターンがあって標準化そしてマニュアル化が可能な定型業務を行っている。その定型業務の生産性を向上するためには通常、コンピューター化やロボット化などで自動化が進むことになる。いままでの働き方しか知らない人たちは機械に仕事を奪われて、失業者であふれることになる。

 

人づくり革命を行うのであれば、機械ではできないまったく新しいことを産み出さなければならない。しかし、現在の大学や会社の教育制度では、そういうことを産むような人たちが出てくることはない。

 

つまり教育革命なくしては生産性革命は単に失業者を生むだけなのだ。その点を安倍政権が理解しているとは思えない。

 

政府は「働き方改革」の目玉として、長時間労働を是正するための罰則付きの残業上限規制の導入を目指している。実現すれば、繁忙期を含めて1人当たり年720時間、月平均60時間が残業上限と規制される。早ければ2019年4月から施行される見通しだ。

 

ただ、2017年9月に大和総研がまとめた試算によると、この働き方改革によって国民の所得が大きく減る可能性があるという。

 

月60時間の規制が施行された場合、労働者全体で月3億8454万時間の残業が減る。これを年間の残業代に換算すると、最大で8兆5000億円に相当する。
大和総研は、個人消費にとって逆風となりかねない、と指摘している。

 

【資料】
第 194 回日本経済予測(改訂版)―― 大和総研 p.15

 

◆残業規制は定型業務にしかなじまない

 

残業抑制は、前述したような定型業務にしかなじまない。その一方で、非定型業務という仕事がある。これは経営戦略の構築や事業計画の策定、新製品の企画開発など個人の思考力、判断力が必要なクリエーティブな仕事で、時間ではなく成果で計られる。これをロボットに替えるのは今現在の技術力だと難しい。

 

非定型業務には、残業という概念はないはずだ。しかし政府は、ルールと規制があってしかるべき職種とクリエーティブな職種を一緒にして残業時間を規制している。

 

残業上限規制は、電通の女性社員の自殺に対する過剰反応ではないか。私は自殺の原因をもっと分析する必要があると思う(詳しい情報は持ち合わせていないが、パワハラの方がより強い原因であったのではないかと個人的には考えている。上司との信頼関係があれば防げた可能性が大きいからだ)。

 

一方、新国立競技場の建設工事の現場監督だった男性が自殺した問題は、下請け会社に対して過酷な長時間労働が続いたことによるものと考えられる。

 

【資料】
男性が自殺 新国立競技場建設、過酷労働の内情 ―― 朝日新聞

 

この2つは違うと思う。報道されていることなどから推測すると上のケースは非定型業務の比率が高く、下のケースは定型業務の比率が高かったと考えられる。

 

 

見当違いの働き方改革で、残業代を削ってしまうと、安倍首相が実現したがっていた賃金増は遠くなるばかりだ。現在の日本で問題なのは、1人当たりの労働生産性がG7(先進7カ国)で最下位、OECD(経済協力開発機構)の平均も下回っていることだ。さらに深刻なのは、名目賃金が欧州、米国は1995年から2倍近く増えているのに、日本だけが低下し続けていることだ。

 

【資料】
労働生産性の国際比較 ―― 日本生産性本部

 

各国の名目賃金の推移

 

そういった危機感も持たずに、人づくり革命や生産性革命と言っている安倍首相にしても、麻生太郎副総理兼財務相にしても、実は「家業が政治家」の人たちだ。政治家が家業だから企業社会の実体を理解していない。こうした政治家が標語として「働き方改革」をもてあそぶのは経済にとっても社会にとっても迷惑な話だ。

 

 



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今回のポイントだ!
●政府は「働き方改革」の目玉として、長時間労働を是正するための罰則付きの残業上限規制を導入する。
●企業社会の実体を理解していない「家業が政治家」の人たちが標語として「働き方改革」をもてあそぶのは経済にとっても社会にとっても迷惑。
●現在の日本で問題なのは、1人当たりの労働生産性がG7で最下位かつOECDの平均も下回っていることだ。さらに深刻なのは、名目賃金が欧米は95年から2倍近く増えているのに、日本だけが低下し続けていることである。

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家業政治家というのは全く国民を理解しようとしないんですね。こういう人を政治家に選んでしまうのも問題ではありますね。

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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