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2017/11/24配信分

グルーバル感覚 経済原論

避けたいシナリオ!米中2国間の自由貿易協定が現実味を帯びてきた【大前研一メソッド】

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TPPはアメリカが抜けてもう終わったものだと思っていましたが、まだ続いていたんですね。カナダが合意に難色を示してまた注目を集めはじめましたけど、一体これで加盟国に何のメリットが出てくるんでしょうか?

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アメリカも中国もいないTPPにどれほどの効果があるんだろうな。それよりも注目した動きを見せているのがTPPにはいないアメリカと中国だ。どういうことなのか見てみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 TPPはカナダ抜きの10カ国で発足する可能性 』
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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が行われたベトナムで協議を続け、11月11日、新協定を締結することで大筋合意しました。

 

新協定では、米国の離脱前に盛り込まれていた約500のルールのうちの著作権の保護期間など20項目を凍結する一方、関税撤廃の約束はそのまま残すことで折り合ました。

 

ただ、土壇場でカナダが異論を唱えて合意をためらっています。カナダが求めた独自の文化政策の優遇措置が却下される見通しになったことが分かりました。カナダは要望が認められなければ署名式に出ない構えです。

 

署名式は11カ国全てがそろわなくても成立するため、カナダ抜きで行われる可能性があります。カナダが外れる場合、発効に必要な承認国数が6カ国から5カ国に変更される見通しです。各国は議会承認などの手続き完了を行う段取りです。

 

TPP参加国の国内総生産(GDP)の合計は世界の約13%からカナダ抜きでは約11%に低下します。10カ国でのTPPに果たして効き目はあるのでしょうか。大前研一学長に聞きます。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 米中が貿易でもめなくなった先に見えてくるもの 』
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◆世界二大交易国の米国と中国が入っていない自由貿易の協定に疑問符も

 

カナダが拙速に合意を受け入れた場合、TPPから離脱した米トランプ政権との北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に大きな影響を与えて、自国が不利になるとカナダのトルドー首相が考えたからだろう。

 

このカナダの動きに、まとめ役としてベトナムのアイン商工相とともに共同議長を務めた日本の茂木敏充経済再生担当相も、アタフタさせられて気の毒だった。いずれにしろ、世界の二大交易国の米国と中国が入っていない自由貿易の協定が、どれほど効力があるだろうか。

 

なお、TPPに対して中国は否定的な立場を取っており、実現に疑問符を投げかけている。否定的な立場を取っている理由は、TPPの狙いが中国を「迂回する」目的で、中国商品がこの“自由貿易経済圏”に流入するのを制限する目的と見ているからである。

 

【資料】TPPは変身してCPTPPに、実現には疑問符―中国メディア

 

◆米中が貿易でもめなくなった不気味

 

最近の貿易協定について私が感じているのは、米中が貿易でもめなくなったということだ。トランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談に合わせ、中国政府は11月9日、米国から航空機や電子チップ、大豆などを購入するほか、米中双方の企業がシェールガスや天然ガスを共同開発するなど、合わせて28兆円に上る商談が成立したと発表した。

 

署名式に出席した習氏は、今後5年間で中国への輸入額が約900兆円になるという見通しを示した。一方、トランプ氏も訪問先の中国・北京で、米中の企業経営者らを前に「米国は中国に対して多額の貿易赤字を抱えているが、この貿易不均衡について中国に責任はない。貿易不均衡の拡大を防げなかった過去の米国政権を責めるべきだ」と例によってオバマ、ブッシュ父子などを責めるスピーチでお茶を濁した。

 

このように、中国の大盤振る舞いに、選挙戦で「諸悪の根源は中国だ」とまで言ったトランプも声もなしという状況になっている。ということで、TPP参加国が騒ぎすぎると、中国側から「米国はNAFTAも抜けて、中国との二国間自由貿易協定(FTA)締結をしたほうがいい」と働きかけることも考えられる。

 

米中2国のGDP世界シェアは約40%に達する。カナダ抜きのTPPの4倍の規模である。中国のGDP世界シェアは15.5%と、TPP参加国合計のGDPよりも大きな規模である。このことからも、TPPにとって米中のFTAの可能性は大きな脅威であると言える。

 

【資料】主要国のGDPをグラフ化してみる(2017年)(最新)

 

 

もともとトランプ氏は、TPPやNAFTAよりも二国間協定を重視している。著作権の保護期間など知的財産関連でもめるかもしれないが、二国間協定で一番効き目があるのは米国と中国だ。米中のFTAができる可能性はプンプン匂う。その先には、中国が提唱するAIIB(アジアインフラ投資銀行)への米国加盟の可能性もある。

 

そうなると、日本もあからさまに肩すかしを食らうわけで、TPPの新協定の締結は何か気が抜けたというか、気合が入らなかったように思えた。

 

 



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今回のポイントだ!
●TPPは参加国からからカナダが抜けて10カ国で発足する可能性がある。
●二国間協定で一番効き目があるのは米国と中国だ。米中のFTAができる可能性はプンプン匂う。
●そうなると、TPPの新協定の締結の意味が低下せざるを得ない。

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米中がそんな動きをしていたんですね!そうなってしまったらTPPはますます効果のない貿易協定になってしまいそうですね。

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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