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     ⑤事業開発の潮流、”オープンイノベーション” とは

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2017/12/27配信分

経営戦略

『技術戦略論』を覗き見!
 ⑤事業開発の潮流、”オープンイノベーション” とは

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技術戦略論も第5回に突入だ!2017年最後の講義だぞ! くまおはオープンイノベーションという言葉を聞いたことがあるか?オープンイノベーションがどういったもので、企業が実際に使った例を紹介していくぞ!

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言葉は聞いたことがありますが、正確にはわかっていませんね。一体どういった技術になるんでしょうか?

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■技術戦略論■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5.事業開発の潮流、”オープンイノベーション” とは
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前回、「真のイノベーションを起こすには」というテーマでご紹介しましたが、今回はイノベーションを起こすための有効な手段である、「オープンイノベーション」について解説します。
 
 
¶ オープンイノベーションとは
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オープンイノベーションとは、ヘンリー・チェスブロウが2003年に提唱した概念です。
 
従来から行われていた研究活動におけるアウトソーシングや、外部資源の活用という取り組みを異なる次元に発展させたものです。事業としての成功を目指すという目的達成のために、自社の技術、技術者といった内部の経営資源に固執せず、開発当初から外部技術視点を活用する手法です。
 
 
¶ オープンイノベーションの狙い
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オープンイノベーションの狙いは、大きく3つあります。
 
1.事業開発活動のスピードアップ
2.自社に無い経営資源の活用による、自社単独では実現できない商品の事業化
3.リスク分散
 
いかに効率よく、事業開発を行うか、ということですね。
 
 
¶ オープンイノベーションがもたらしたもの
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P&GはオープンイノベーションをC&D(Connect + Development)推進と名付け、例えば以下のようなパートナー募集の呼びかけをしていました。
 
「傷んだエナメル質や象牙質を、長期間の修復・保護することのできる画期的な製品を世界中の消費者に提供したいと考えています。このニーズを確実に満たせるソリューションはありませんか?」
 
これはおそらく新しい歯磨き粉を連想するテーマのように見えます。
製品開発のテーマを設定した段階で、社外に技術の募集を始めているのですね。
 
もし日本企業の技術者が、このような情報を社外に出すとどうなるでしょうか。企業秘密を漏洩したとみなされるかもしれません。
 
しかしP&Gはこのようにして、オープンイノベーションを積極的に推進した結果、次のような成果を出しています。
 
・一から自前で開発した場合と比べて、コストは半分になった
・これまで3、4年かかっていた商品化が、2年で出来るようになった
・R&Dの効率が約60%向上し、対売上研究開発比率が30%近く低下した
・全社イノベーションの35%超、売上高にして、数十億ドルを生み出した
 
オープンイノベーションによって、会社の価値が確実に向上していることがわかります。
 
 
¶ 自前主義固執の結果
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以前、もともとはニコンやキヤノンといった日系メーカーが強かった半導体露光装置の分野において、この20年間でオランダのASMLがシェアのほとんどを占めるようになった事例をご紹介しました。
 
ASML躍進の原因はオープンイノベーションの推進と言われています。
 
その動きに対してニコンの木村社長は、オープンイノベーションの価値は認めるものの、リスクや効率の面から自社のコア技術を内製する方針は変えない趣旨の発言をしています。
(出典:日本経済新聞2010年12月12日)
 
その後、どのような結果になったのでしょうか。2016年の日経新聞によると、「高速処理を求める韓国や台湾の顧客ニーズを先行して捉えたASMLにシェアを奪われ、170億円前後の赤字となっている模様」と報道されています。
 
高いシェアを獲得していた事業が赤字へと転落したのは、自前主義固執も大きな原因かもしれません。
 
 
¶ オープンイノベーションは経営判断
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そもそも技術部門という実働部隊は、技術開発を自分の手でやりたい、という欲求があります。
これは自部門、自分の仕事の存在価値にもつながるので、自分の仕事をなくして外部に委託する、という発想は持ちにくいものです。これは本能的な欲求ともいえます。
 
そのため、外部の技術を積極的に取り入れるオープンイノベーションは技術者ではなく、経営者の判断が必要となります。
 
経営者は「どの研究を社内で行い、何を社外に依頼するか」を見極めることが重要です。
 
そのためには判断を研究開発部門に任せてはいけません。さらには人事評価制度にも反映させ、全社の文化風土として高めていく必要があります。
 
自社技術の流出を恐れずに、スピードを上げて事業化を進める態勢を作ることは経営者にしかできないことではないでしょうか。
 
最後となる次回は、「新規事業」をテーマにご紹介します。
 
 
【執筆:村西 重厚/BBT大学院修了】
 
 



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社外の技術を使ってしまおうという戦略なんですね! どういったものを社外に出していくのかの見極めが難しいところかもしれませんね。

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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