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2018/01/12配信分

グルーバル感覚 経済原論

2018年、世界のリーダーは中国に!?【大前研一メソッド】

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今年の世界10大リスクが発表されましたが、なんと中国の脅威が1位でしたね!北朝鮮かと思っていましたが、世界からみて中国には一体どんなリスクがあるということなんでしょうか?

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中国は少し前からいろんな意味で脅威の国として取り上げられているが、昨年は習近平の独裁体制を全会一致で決議する党大会が行われた。どうやらこれで習近平は神の領域に差し掛かってきたようだ!どういった中国になっていくのか一緒に考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 リーダー国家不在の隙間をつく中国 』
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世界の政治リスクを分析する米コンサルタント会社ユーラシア・グループは毎年年頭に世界の10大リスクを発表しています。2018年の第1位は「China loves a vacuume(リーダー国家不在の隙間をつく中国)」です。

 

【資料】
2018年世界の10大リスク。国際政治学者イアン・ブレマー氏インタビュー

 

北朝鮮問題や米トランプ大統領のニュースが目立つ昨今ですが、それ以上に中国からも目が離せないということですね。大前研一学長に、直近の中国情勢についてどのように見ているかを聞いてみました。

 

 

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【2】大前研一学長の見解
『 周近平の独裁化を黙認して私利私欲に走る中国人 』
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◆周近平の独裁化が完成領域に入った

 

2017年10月、中国共産党の党大会(第19回全国代表大会)が開催された。この大会は5年に1度、1週間程度開かれる党の最高意思決定機関であり、共産党一党支配の中国においては国家の方向性を国民および対外的に示す重要な機会と位置付けられる。大会を通じて感じたのは、習近平国家主席に対する礼賛の嵐とすさまじい権力集中ぶりだ。

 

党の最高規則である党規約の行動指針に「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」という文言を盛り込む改正案が「異議なし」の全会一致で採択された。

 

指導者の名前を冠した「思想」が規約に掲げられた前例は、「毛沢東思想」のみ。つまり習国家主席は毛沢東並みの権威を手に入れて、ほぼ神格化されたことになる。

 

人事権を完全に掌握し、共産党の規約に習ドクトリンを入れ込み、自身を「核心」と形容させることは、神格化された毛同様に「個人崇拝」せよ、ということだ。

 

中国共産党の創立者である毛と同格になることには異論が出ても然るべきだが、それがまったく出ない。自らの命をかけてまで誰も習国家主席に逆らわない。そういう状況まできている、つまり「独裁化が完成領域に入った」ということだ。

 

◆「一帯一路」とは、過剰な生産力を海外に振り向ける植民地政策

 

一方、党大会では中国が抱えている課題が何も取り上げられなかった。たとえば中国の大成長をもたらした生産力。鉄鋼でもコンクリートでも今やすべてが過剰生産となり、持て余している。日本の場合、繊維不況時には機織り機を壊したし、造船不況のときには船体を乗せる船台を約半分潰した。生産キャパシティを持っていると、どうしても生産したくなるし、安売り受注したくなる。結果、価格が崩壊して業界全体が潰える。そこで当時は通商産業省(現・経済産業省)の旗振りでキャパシティを物理的に減らしたのだ。

 

日本に3社、ヨーロッパには実質1社しかない鉄鋼メーカーが中国には国有企業だけで100社ある。その過剰な生産力をいかに収束するのか。そして過剰なインフラ投資によって建設された住宅街や商業施設が方々でゴーストタウン化しながら、それでもなお建設が続いているという問題もある。

 

習国家主席は「一帯一路」という経済圏構想を提唱しているが、これは過剰な生産力を海外に振り向けるためのものであって、新しい植民地政策にほかならない。

 

◆貧富格差、地方自治体の破綻が表面化

 

中国社会の格差問題もノータッチだった。共産主義社会は皆が平等に豊かになる社会だが、「中国の特色ある社会主義」がもたらした経済発展は経済的に恵まれた人と取り残された人の大きな社会格差を生み出した。

 

改革開放路線を進めた鄧小平は「先冨起来」というレトリックを使い、「先に豊かになれる人から豊かになって、後から追いつけばいい」と説いた。ところがなかなか追いつかないから胡前国家主席は「和諧社会」というスローガンを掲げた。格差を是正して「調和の取れた社会」を目指そうということだ。そうした社会格差、貧富の差の問題について、習国家主席は党大会で何ひとつ語らなかった。

 

それからもう1つ、地方自治体の破綻状況にも言及していない。中国の地方都市は大きなところを除いてほとんどが財政破綻している。過剰なインフラ投資と不動産バブル崩壊に加えて、融資を手控えた金融機関に代わって高利の中国版ノンバンクから金を借りるようになったために、各自治体の借金は雪だるま式に膨れ上がった。地方自治体の借金を全部足し合わせた額は中国のGDPに相当するとも言われている。

 

日本もそうだったように成長期の後にやってくる反動は避けて通れない。今、中国各地で宴の後の“歪み”や構造的な問題が表面化している。問題点をすべて封印して、自国の社会主義市場経済の素晴らしさを「強固」という言葉を20回も使って自画自賛しているのだから、正直さの欠片もない。

 

◆「このまま経済発展を維持してくれればそれでいい」

 

そうした正直さを国民と分かち合うことができないリーダーが絶対的権力を持ったらどうなるか。何か問題が生じたときには封殺しようとする。実際、中国ではすさまじい検閲と情報統制が行われていて、賃上げストのローカルニュースが流れただけでテレビ画面がパチンと消えてしまう。

 

しかしスマホで決済するEコマースなどネット利用が高度に発達した中国社会で、政府に都合の悪い情報だけをこの先もシャットダウンできるのかといえば、やはり長続きはしないだろう。それならばいずれ情報統制が利かなくなって不都合な真実が明らかになり、習体制や共産党の一党支配が揺らぐかといえば、それほど単純でもなさそうだ。

 

たとえば民主化を求めて天安門広場に集結したデモ隊が武力弾圧を受けて多数の死傷者を出した1989年の天安門事件。これは中国では「なかった」ことになっている。では天安門事件を経験した中国人は今、何を考えているのか。

 

政府のやり方に満足している人はいない。心の奥底では民主化を望んでいるかもしれない。だが今の中国政府に逆らって民主化要求運動に加わっても、圧倒的な軍事力に押し潰されるのが関の山。それならば下手に反政府的な動きが広がって経済が混乱するよりも、「このまま経済発展を維持してくれればそれでいい」。実利的で自己中心的な中国人はこう考える。

 

つまり若い世代も含めて、怒りを封印して自己正当化する術を覚えてしまったのだ。民主化運動は完全に下火。今は政府に逆らわないで、自分の得になることだけをやる。いざとなったらカナダかオーストラリア辺りに1億円ぐらい持って脱出すればいい。中国政府は変わらない。だったら自分が選んだ政府のところへ行けばいい。だからさっさと蓄財しようという発想なのだ。

 

それでも資金が海外に持ち出しにくくなったのでビットコインなどに殺到し、海外渡航したあとにこれを引き出せばいい、と怪しげなやり方に狂奔している。

 

確かに貧しい人々はまだ大勢いる。それでも10年前に比べれば暮らし向きはよくなっているわけで、経済的理由で暴動が起きるとしてもきわめて局所的だ。一方で深刻な大気汚染や水質汚染などの環境汚染が傷口になる可能性もあるが、中国政府が性急でかなり無理のある環境対策を次々と打ち出したおかげで現状は沈静化しつつある。

 

 

中国が永遠に一党独裁の単一国家を維持することはできない。6つか7つに分裂したうえで連邦制を模索するのが次のステップだと私は思っている。ただし、そのシナリオが見えてくるのは、「強固」な習体制が10年くらい続いた後のことだろう。

 

もうじき、中国は経済大国となるだけでなく、テクノロジーにおいても世界のスーパーパワーになるだろう。

 

中国はあらゆる指標で日本に大きく差をつけ、米国に近づくスピードが増している。以下はその代表的かつ重要な指標の例である。
(1)モバイル決済規模 1000兆円(世界のモバイル決済の約50%)
(2)株式公開から10年未満の企業の時価総額 中国2.8兆ドル(日本0.6兆ドル)
(3)AI(人工知能)論文数 2位中国(7位日本)
(4)米国留学生数 1位中国35万人(8位日本1.9万人)

 

 



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今回のポイントだ!
●中国では誰も習国家主席に逆らわなくなり、独裁化が完成領域に入った。
●中国は「強固」な習体制が10年くらい続く。
●もうじき、中国は経済大国となるだけでなく、テクノロジーにおいても世界のスーパーパワーになるだろう。

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世界を席巻していく可能性すら出てきたわけですね! リーダー国家が不在な時期に中国がリーダーの座を取るのか怖くなってきましたね。

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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