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2018/01/19配信分

論理思考

安倍首相が憲法改正の布石を打てないワケ【大前研一メソッド】

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安倍首相が以前から憲法改正を目指していますが、次の自民党総裁選に当選したら本当に憲法は改正されてしまうのでしょうか? 世論の見方はそんなこともないのではないかと思いますが、どうなんでしょうか?

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先日の世論調査では改憲反対派が半数以上を占めたが実際はどうなるだろうか。もちろん改憲など簡単なものではないが、その前の総裁選で安倍首相が必ずしも当選するとは限らない。モリカケ問題以外にも足を引っ張る要因が出てきそうだ! ではどうなっていくのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 安倍政権下での改憲反対54.8% 』
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安倍晋三首相が憲法改正を目指しています。
しかし、共同通信社が1月13、14日両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍首相の下での憲法改正に反対は54.8%で、平成29年12月の前回調査から6.2ポイント増加。賛成は33.0%でした。

 

9月には自民党総裁選があります。安倍首相は3選を果たすのか?その勢いで憲法は改正されるのか?大前研一学長に聞いてみました。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 選挙には勝ったが、安倍首相悲願の憲法改正に国民投票の厚い壁 』
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◆憲法改正の発議が可能な議席を“敵失”で得る

 

2018年の日本の政治を展望するために、2017年の衆院総選挙をいま一度振り返っておこう。選挙結果は自民党284議席、公明党29議席で合わせて与党は313議席。衆議院議席数の3分の2を超えて、憲法改正の発議が可能になった。

 

一方の野党は立憲民主党が55議席で野党第一党に躍進、希望の党は改選前議席を下回る50議席。共産党12議席、日本維新11議席、社民党2議席で、無所属を含め野党全体では152議席にとどまった。

 

議席数を見れば自民党の大勝である。しかしこれは安倍政権が信任されたというよりも、政権批判の受け皿となるべき野党の分裂、崩壊が招いた結果と見るほうが正しい。今回の総選挙における自民党の得票率は48%。投票率は戦後2番目に低い53.68%だったから、自民党に投票した有権者は48%×53%=23%で約4人に1人。にもかかわらず61%の議席を占有したことになる。

 

野党分裂の影響の大きさを示しているのが、落選した候補に投じられた票数、いわゆる「死票」だ。今回、小選挙区では総投票数の48%が死票になった。死票が48%ということは、有権者の2人に1人は死票を投じたことを意味する。

 

野党共闘が実現していたら、つまり立憲民主党、希望の党、共産党、社民党、日本維新の会、さらに野党系無所属などに割れた票が1つにまとまって統一候補を送り込んでいたら、自民党候補に勝っていた選挙区は少なくない。その意味では「共闘すれば安倍政権を倒せる」と主張してきた小沢一郎氏の見立ては間違ってはいなかった。

 

個人的には反対だったが、民進党は前回の参院選では共産党、社民党と選挙協力を行ってそれなりの結果(32の選挙区で統一候補11人が当選)を出した。

 

今回の選挙でも希望の党合流を決める前までは共産党との連携も選択肢にあったのだ。もし民進党が野党共闘を実現していたら、あるいは希望の党に丸ごと大合流を果たしていたら、結果は違っていたかもしれない。

 

選挙前の支持率を見ても、国民の心理は少なくとも安倍自民党から離れていた。ところが受け皿になるべき野党が空中分解して、選択肢がなくなってしまった。政権選択どころではなく、最後は人物本位で選ぶしかなくなってしまったわけだ。

 

 

◆憲法9条改正:国民投票で否決は必至

 

総選挙の結果を受けて、18年の政治はどう動くか。

 

まずは野党。「筋を通した」と評価を上げて野党第一党にのし上がった立憲民主党だが、選挙民の“判官贔屓”だけでは続かないし、野党再編のコンダクターになれるとも思えない。希望の党はもはや“絶望の党”に変わり果てた。

 

私が知っている希望の党の議員のほとんどは、「いかなる理由をつけて脱出するか」を考えている。次の選挙に向けて、いかに袂を分かつかしか関心がない。野党再編には強烈なリーダーシップを持った人間が必要だが、今の野党には見当たらない。民進党から希望の党に移った連中は選挙に勝つためなら簡単に信念を曲げて「排除の論理」にサインするのだから、国民の信頼が得られるはずもないのだ。

 

一方の安倍自民党は、野党の票の食い合いというオウンゴールで勝っただけで、国民から圧倒的な信任を得たわけではない。にもかかわらず、選挙からほどなくして加計学園の獣医学部新設に認可が下りて、今春にも開校される運びになった。安倍首相からすれば、「国難」が一つ突破できたのだからおめでたい。

 

国民感情としては安倍政権に対する信頼は薄いし、改憲勢力約8割がそのまま民意とは到底ならない。憲法9条の3項に自衛隊を明記したい安倍首相は、憲法改正の発議に着手するかもしれない。

 

しかし、「合憲」と言い張ってきた自衛隊をなぜ今になって憲法で追認しようとするのか、という疑念が当然湧く。9条3項の問題だけで国民投票に向かえば、「大手を振って自衛隊を軍隊につくり替えて、いずれ徴兵制も復活させる気だ」という批判の恰好のターゲットになる。反対勢力のほうが議論を展開しやすい。産経、読売の両紙を除いてマスコミもこぞって反対するだろう。つまり発議はできても、国民投票には弱い。従って改憲論議は安倍首相が意図する通りには進まないと思う。

 

9月には自民党総裁選がある。安倍首相は当然立候補して3選を目指すだろうが、決して万全ではない。「一寸先は闇」というが、「もりかけ」とは別の新たな火種が噴き出す可能性もある。スーパーコンピュータの開発に携わっていたベンチャー企業「PEZY Computing」の社長・齋藤元章氏の逮捕劇の余波を受けるのはこれからが本番である。

 

意外に早く躓くかもしれない。

 

 

「ネクスト」と目されているのは石破茂氏、岸田文雄氏、野田聖子氏、河野太郎氏の4人だが、こちらはこちらで現総裁に競り勝つほど票は集まらない。ただし、自民党内では「小泉進次郎まで飛べば圧勝する」という見方がある。

 

父親は「変人」だったが、息子はきわめて常識人で、安倍首相にも苦言を呈する。教育無償化などにかかる財源2兆円を捻り出すために、消費税増税分の使途見直しのほかに不足分の3000億円の負担を安倍首相は財界に要請した。これに対して筆頭副幹事長の小泉氏は「党は何も聞いていない。このままだったら自民党は必要ない」と批判した。

 

安倍一強の物申せない空気の中で、これだけの正論を吐けるのだからやはり器が大きいのだろう。農政改革でも思い切った提案をしたし、地方や被災地に頻繁に足を運び、地味な役職を労を惜しまずにこなしてきた小泉氏は党内の人気も高く、隠れファンも多い。総裁選に立候補すれば、勝ち切る可能性は高いとみる。

 

 



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今回のポイントだ!
●安倍首相は憲法改正の発議を目指すも、改憲反対の世論は根強い。
●9月には自民党総裁選がある。安倍首相は当然立候補して3選を目指すだろうが、決して万全ではない。
●小泉進次郎氏は党内の人気も高く、隠れファンも多い。総裁選に立候補すれば、勝ち切る可能性は高いとみる。

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そもそも安倍首相が次の総裁選では盤石ではないんですね!進次郎さんが立候補するとなるとこれは見ものですね!

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大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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