BIZトピックス 話題のビジネスマナーや、時事問題を大前研一やMBAホルダーの視点で鋭く解説。あなたの成長へのプロセス作りを後押しする、ビジネストピックス集。

2018/01/26配信分

グルーバル感覚

旅行にすぎない!?安倍首相の意義なし外交【大前研一メソッド】

熊画像
上部枠

先日、安倍首相が日本の首相では初のバルト三国へ訪問しましたけど、この外交には一体どういった意味があったんでしょうか? 何か大きな成果が出たという感じもしないですけど、実際はどうなんでしょうか?

下部枠
矢印
人画像
上部枠

どこの国に行っても握手さえしていればいいというのは外交ではないからな。今回もそんなに成果はなかったと見えるが解説していこう!

下部枠
矢印

 

■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 安倍首相がバルト3国と東欧3カ国を歴訪 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

安倍晋三首相は1月12日からエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国とブルガリア、セルビア、ルーマニアの東欧3カ国を駆け足で歴訪し、17日に帰国しました。バルト3国を日本の首相が訪問するのは初めてでした。

 

「お疲れ様でした」と安倍首相の労を労いたいところですがバルト3国と東欧3カ国の訪問は、それほど大きな意味はなかったのではないかと大前学長は指摘します。その理由を聞いてみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 意義が見いだしにくい国々を駆け足で巡っても成果はない 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

◆北朝鮮の弾道ミサイル脅威をバルトの小国に訴えるお笑い

 

国境を接するロシアに対し、バルト3国の反感は強い。第二次世界大戦では旧ソ連に強制的に併合されたという歴史もある。「人間の鎖」で連帯を示して旧ソ連から分離独立したあとも常にロシアの脅威にさらされている、と感じている。現在は3国ともNATOとEUのメンバーで、ロシアのウクライナ南部クリミアの併合後、欧米の対露抑止の最前線になっている。

 

一方、安倍首相は北方領土交渉でロシアから良い答えを引き出したいから、プーチン大統領と17回も会い、強い絆を強調している。日本の対ロシア政策はバルト3国からは「ロシアに融和的」と思われている。安倍首相の訪問で「ロシアに融和的な日本」という思いが変わることはないだろう。

 

エストニアを除く残りの5カ国は北朝鮮と国交を結んでいることから、安倍首相は今回の訪問で、各国の首脳に北朝鮮への圧力強化でも連携を求めた。エストニアでは安倍首相は「北朝鮮はタリンも射程に収める弾道ミサイルを発射している」と、わざわざ首都の名前を挙げてラタス首相に危機感を訴えた。

 

だが、バルト3国にとっては、ロシアの短距離ミサイルが何千発もあり、現実問題としてバルト3国を狙っている事実のほうがよほど大問題なのである。北朝鮮の弾道ミサイルが欧州全域を射程に収める中、わざわざバルトの小国を狙う理由はない。バルト3国もそのような事態はまったく考えていないし、興味もさらさら持っていない。

 

こういうことを言わせたのは外務省の連中の浅知恵だろう。ロシアの短距離ミサイルの存在をわざとなのか意図してなのか不明だが、無視しているという外交センスの悪さを感じる。

 

◆世界最先端の電子政府をエストニアで勉強してくるべきだった

 

エストニアに行くのだったら、半日程度ではなく、数日をかけて同国の電子政府の素晴らしさを勉強してきてほしかった。エストニアの「eガバメント」(電子政府)は世界で最も進んだ国民データベースを構築し、国民はICチップの入ったIDカード(身分証明書)を所持し、スマホのSIMカードを通じてすべての行政サービスを受けることができる。従来、省庁別になっていたデータベースやアクセスもX-ROADという相互乗り入れシステムを作って一元化している。

 

これをじっくり視察し、バラバラで全く役に立たない日本のマイナンバーを何とかゼロベースから作り直してもらいたいところだ。また、エストニアはロシアからサイバー攻撃を受けて苦労した経験があり、高い防御技術力を持っている。

 

こうした話も深くしてもらい、IT先進国にシステム発注するくらいの関係強化をしてもらいたかった。国内“ITゼネコン”に発注するよりもはるかに優れた仕事をしてくれるはずである。

 

ブルガリアは短期間だけではあるがEUの議長国、ということで行ったのだろうが、政治の腐敗は目に余るものがある。セルビアに至ってはユーゴスラビア崩壊のあと、近隣のバルカン諸国に民族浄化と言われるような戦争を仕掛け、人道上の罪を犯して今でもEUからは疑いの目を向けられている。

 

政情不安定ルーマニアに至っては、歴訪直前、同国のミハイ・トゥドゼ首相が辞任するという政変と政治空白の真っ只中に首都ブカレスト入りするというタイミングだった。

 

 

外交はどこの国にでも出かけていって握手すればいい、という問題ではない。

 

今回の駆け足旅行は最もその意義が見いだしにくい国々を選んでいる。バルト3国は日本のことを仮想敵国ロシアに融和的と見ているし、ブルガリアやセルビア、ルーマニアの政府にはそれぞれ問題がある。外務省はそのあたりが全然わかっていない。今後につながるような成果はなかったように思う。

 

 



人画像
上部枠

今回のポイントだ!
●外交はどこの国にでも出かけていって握手すればいい、という問題ではない。
●2018年1月に安倍首相が歴訪したバルト3国や東欧3カ国は、最も意義が見出しにくい国々をわざわざ選んでいる。
●せっかくの歴訪であったが、今後につながるような成果を期待することは難しい。

下部枠
矢印
熊画像
上部枠

意義が見出しにくい国にわざわざ訪問するなんて… そんなことする時間があるならもっと日本のことを考えてほしいものです。

下部枠
矢印
一票を!

今後のサイト作りの参考にさせて頂きます。

役立った!
同一カテゴリのトピックスを読む
MBA診断

本サイトのBIZトピックス・ビジネステンプレート・ビジネス用語集は、ビジネス界の第一線で活躍する大前研一が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。

【無料】9日間でカフェ経営メルマガ

<ステップメール>経営学の要諦を物語で学ぶ!定年退職した父親は元公務員。ビジネス経験ゼロの父が、一流の経営者になるまでの感動のストーリー

BIZTIPSとは?
close

BIZTIPSは、ビジネスに関する様々な情報を集約したビジネスパーソンの知的給油所です。現在進行形で起こっている諸問題、疑問に対するプロの見解や最新のビジネストピックスなど、必読情報満載のポータルサイトです!

BIZまとめ
役立つ5つのコンテンツ
BIZトピックス
BIZ用語集・テンプレ
BIZライブラリ
BIZリファレンス
検索人気ワード

バナー

バナー

バナー

BIZクイズ一問一答!

問題

市場そのものは隆盛を続ける一方で外資に国内系企業が淘汰、買収されたりすることを何という?

ビジネスの第一線から最新情報を配信中!
本サイトは日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を努めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。
ビジネスの第一線で活躍する講師陣ならではの最新のビジネス情報を配信中です。

大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

PAGE TOP