BIZトピックス 話題のビジネスマナーや、時事問題を大前研一やMBAホルダーの視点で鋭く解説。あなたの成長へのプロセス作りを後押しする、ビジネストピックス集。

2018/02/09配信分

グルーバル感覚

再び、東西冷戦の時代が来るのか?【大前研一メソッド】

熊画像
上部枠

トランプ政権が小型の核兵器開発に乗り出す姿勢を見せていますが、オバマ政権のときと違って核軍縮と方針転換をしてしまいましたね。アメリカは戦争をするつもりなんでしょうか?

下部枠
矢印
人画像
上部枠

核軍縮とは反対になるが、アメリカにとって脅威となっているのが中国やロシアだな!これはアメリカの国防戦略でもある。アメリカが何を考えているのか推察してみるぞ!

下部枠
矢印

 

■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 米、核軍縮方針から一転、小型核兵器を新しく開発へ 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

トランプ米政権は2月2日、中期的な核戦略の指針となる核戦略見直し(NPR)を発表し、爆発力を抑えた小型核兵器の開発を打ち出しました。「米国が核兵器を本当に使う」と敵国に思わせることで、核抑止力を強化するのが狙いと見られています。

 

今回のNPRは、2010年のNPRで「核なき世界」を目指し、核兵器の数と役割の縮小を掲げたオバマ米前大統領の核軍縮方針から米国が大きく転換したことを意味します。

 

【資料】トランプ、先制核攻撃へ一歩──小型核弾頭開発を表明

 

なぜ今、小型核兵器を新しく開発する必要が米国にはあるのでしょうか。
大前研一学長の意見を聞きます。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 中国とロシアの軍事的台頭に対し、米国の優位を維持へ 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

◆対イスラム過激派から、対中国・ロシアに。米国は国防戦略を転換

 

米国のマティス国防長官は1月19日、トランプ政権下では初めての「国家防衛戦略」を公表し、中国、ロシアとの軍事的な競争への対応を最優先の課題とした。米国は9・11以降の過去15年間、イスラム過激派との戦いを国防戦略の優先課題としてきたが、その方針を転換したものと思われる。

 

中身は、対テロの軍事作戦は続ける一方、中長期的な国防戦略では、中露の軍事的な台頭に対し、米国の優位を維持するため、核を含む軍事力の近代化と増強を急ぐとしている。また、日本などの同盟国の役割を重視することも強調している。優先事項は今後の国防予算の要求に反映される。

 

この米国の新国防戦略について、中国国防省は「脅威を誇張している」などと反発している。また、ロシアのラブロフ外相も国連で、「通常の対話の機会や国際法の根拠に基づかず、米国がこのような対立的な戦略を通じて指導力を証明しようとしていることは残念だ」と発言した。

 

こうした反発も理解できないわけではないが今回のマティス長官の指摘、私は正しいと思う。確かに中国やロシアは軍拡を急速に進め、米国と対抗できる状況になっている。

 

ロシアはシリアを演習場のようにして、自分たちの兵器を使いまくった。カスピ海からクルーズミサイルでシリアの反政府軍の基地を攻撃する、など兵器の性能テスト以外には考えられない派手な演出であった。おかげでロシア製の兵器は世界の軍事産業の中で一番売れるようになってしまった。米国およびその軍需産業が危機感を持つのは当然だと思う。

 

中国も、航空母艦はまだ遅れてはいるものの、経済発展を背景にかなりのカネをかけて軍備の近代化と増強を進めている。南シナ海に人工島を造成し、アジア太平洋での存在感も拡大している。地域によっては、米国より優位という所もできている。

 

そういう意味で国防の基本を対露、対中としたのは正しいと思う。だからといって軍拡競争をしようというのではなく、だからこそ軍縮の話し合いをしようと言うべきだが、今回はそこまでは踏み込んでいなかった。

 

この新国防戦略では、核ミサイルだけでなく生物化学兵器なども保有する北朝鮮を、イランとともに「ならず者国家」と名指しして、地域や国際社会を不安定化させていると指摘している。日本にとっては、こちらのほうが現実的な脅威だ。

 

◆中国が北朝鮮制裁決議を守った分、ロシアが埋め合わせる

 

その北朝鮮の問題についてトランプ米大統領は1月17日、ロイター通信のインタビューで「ロシアが国連安全保障理事会の制裁決議に反して北朝鮮に物資を供給している」と非難した。

 

私も以前から指摘しているように、中国が国連の制裁決議を守った分、ロシアが特に油関係を中心にその埋め合わせをするという構図は変わらないのではないか。

 

しかし、米国は中国に対しては、貿易不均衡ということで、「30%の関税だぞ」と脅かすことができるが、ロシアはすでに欧米から制裁を受けているし、何を言われても、怖いものなしである。「ケロッ」と無視するだけだろう。米国は「国連は何をやっているのだ」と非難することぐらいしかできない。原油価格が上がってロシアは舞い上がっている。そんなロシアに対してできることは非常に限られている。

 

 

軍事的なアンバランスが生じている潜在的紛争地域での優位性を確保するため、軍備拡大競争が激化し、東西冷戦が現実化するおそれがある。米国が小型核兵器を新しく開発する理由の一つに、「中国が台湾に侵攻するのではないか」という危機感を持っていることが挙げられる。背景には以下のような、中国と台湾の戦力格差拡大と、米軍の存在感の低下が起きているからである。
[『中国安全保障レポート2017』(防衛省防衛研究所)より]

 

【軍事的なアンバランスが生じている潜在的紛争地域=台湾海峡の例】
(1)中国と台湾の戦力格差拡大
(1-1)中国の短距離弾道ミサイルが1200発以上台湾正面に配備
(1-2)台湾の戦闘機は更新されずに老朽化している一方、中国の第4世代
戦闘機の数で台湾を凌駕。台湾の制空権確保が困難に
(2)米軍の存在感低下
(2-1)中国の対艦弾道ミサイルが米空母の脅威に
(2-2)中国の海軍艦艇や空軍爆撃機の西太平洋での活動活発化
(2-3)第三次台湾海峡危機の時よりも、米国の軍事介入のハードルが高
まっている。

 

【資料】2020年に中国が台湾に侵攻か。欧州にも噂が伝わる習近平の悲願

 

 



人画像
上部枠

今回のポイントだ!
●米国は核軍縮方針から一転、小型核兵器を新しく開発する方針を明らかにしている。
●米国は9・11以降の過去15年間、イスラム過激派との戦いを国防戦略の優先課題としてきたが、その方針を転換したものと思われる。
●軍事的存在感の巨大化が無視できなくなている中国、ロシアに対抗する構えである。

下部枠
矢印
熊画像
上部枠

アメリカにとって中国やロシアの軍拡を無視できなくなっている状況になってきたのですね!戦争が起きないことを祈りたいです!

下部枠
矢印
一票を!

今後のサイト作りの参考にさせて頂きます。

役立った!
同一カテゴリのトピックスを読む
MBA診断

本サイトのBIZトピックス・ビジネステンプレート・ビジネス用語集は、ビジネス界の第一線で活躍する大前研一が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。

【無料】9日間でカフェ経営メルマガ

<ステップメール>経営学の要諦を物語で学ぶ!定年退職した父親は元公務員。ビジネス経験ゼロの父が、一流の経営者になるまでの感動のストーリー

BIZTIPSとは?
close

BIZTIPSは、ビジネスに関する様々な情報を集約したビジネスパーソンの知的給油所です。現在進行形で起こっている諸問題、疑問に対するプロの見解や最新のビジネストピックスなど、必読情報満載のポータルサイトです!

BIZまとめ
役立つ5つのコンテンツ
BIZトピックス
BIZ用語集・テンプレ
BIZライブラリ
BIZリファレンス
検索人気ワード

バナー

バナー

バナー

BIZクイズ一問一答!

問題

自社や外部環境の分析をすることによって、適切な目標を立てるために役立つフレームワークは?

ビジネスの第一線から最新情報を配信中!
本サイトは日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を努めるビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供しております。
ビジネスの第一線で活躍する講師陣ならではの最新のビジネス情報を配信中です。

大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

PAGE TOP