BIZTIPS>BIZトピックス>新卒エンジニア年俸、世界標準は1千万円超!? 日本は買い叩かれる国に!?【【大前研一メソッド】

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2018/02/23配信分

グルーバル感覚

新卒エンジニア年俸、世界標準は1千万円超!? 日本は買い叩かれる国に!?【【大前研一メソッド】

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日本で働いていると全然実感がないような気がしますが、世界を見渡すとエンジニアの給料ってものすごいことになっているんですね! 日本のエンジニアも海外流出してしまうのでしょうか?

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日本にいると実感が湧くことはないだろうが、優秀なエンジニアはとんでもなく高い給料だ!“とんでもなく”というのも日本にいるから出る言葉で、シリコンバレーなんかでは新卒で年俸1000万円が標準だ。今後の日本のエンジニアはどうしたらいいのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 中国の華為、「初任給40万円」で大卒エンジニアを募集 』
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2017年の採用市場では、中国の通信機器大手華為技術(Huawei:ファーウェイ、以下、華為)が日本で大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めました。厚生労働省の調査によれば日本の大卒初任給の平均は約20万円(2017年)です。

 

日本企業の場合、エンジニアであろうと事務職であろうと初任給は基本的には変わりません。

 

日本企業の平均初任給の約2倍で募集をかけた“華為ショック”に「優秀な人材が流れてしまうのではないか」と戦々恐々の日本企業に対して、華為日本法人の広報は「優秀な人材を採るためのグローバルスタンダード」だとすまし顔です。

 

「初任給40万円」に対して「高い!」と日本では“華為ショック”が走りましたが、世界標準と比べるとむしろ「格安」なのだと大前研一学長は指摘します。日本人が知らない、世界のエンジニアの給料事情を大前学長に聞きました。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 「世界的年俸高騰」から、日本のエンジニアだけ取り残される!? 』
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◆中国人の半分の給料を“高給”と思って飛びつく日本のエンジニア

 

華為はスマホやルーターなどの通信端末、通信機器メーカーで、スマホの販売台数、シェアはアップル、サムソンに次ぐ世界第3位を占める知る人ぞ知る優良企業である。

 

「創業者が赤軍にいた」という理由で「中国共産党との関係が深い」との嫌疑から米国市場からは実質的に閉め出されているが、欧州や東南アジアではICTソリューション事業も積極的に展開している。中国深セン市にある華為本社を20年以上前に訪れたことがある。全社員の8割がエンジニアで、会社の横に米国風の庭付き一戸建てをたくさんつくって将来有望なエンジニアの社宅にして厚遇していたのが印象的だった。「中国から世界化する企業が出てくるとすれば第1号は華為だろう」と思ったが、その通りになった。

 

現在、華為は世界170カ国以上に進出していて、従業員数は18万人以上。今でも半分近くがエンジニアだ。華為本社のエンジニアの初任給がいくらかといえば、日本円で月額約83万円。日本で募集した初任給の2倍である。要するに今やエンジニアの人件費は中国よりも日本のほうが圧倒的に格安で、華為はバーゲン価格で募集をかけたわけだ。

 

中国人の半分の給料を「高給」と思って飛びつく日本のエンジニア。それに衝撃を受けながらも指をくわえて見守るしかない日本のメーカー。落ちぶれたものである。

 

エンジニアの給料が高いのは華為に限らない。中国のハイテク企業のエンジニアで年俸1000万円を下回る人はまずいないだろう。この20年間で何が起きたかといえば、ICTのエンジニアが圧倒的に不足して、エンジニアの給与水準だけが世界共通になった。つまりエンジニアの給与が安い国がなくなってしまったのだ。

 

◆インドの優秀なエンジニアの初任給は年間1500万円

 

一昔前は「インドのエンジニアを使えば安い」というイメージがあったが、今やインドの優秀なエンジニアの初任給は大体年間1500万円。最高峰のインド工科大学(IIT)の優秀な学生は15万ドル(1700万円)でグーグルやフェイスブックなどのグローバル企業に引き抜かれる。

 

当然、米国のシリコンバレーやサンフランシスコのベイエリアも、エンジニアの初任給が平均15万~16万ドルになっている。中堅エンジニアなら25万~30万ドルで引き抜かれる。複数のエンジニアを束ねてプロジェクトマネジメントができるエンジニアなら50万ドル(5400万円)は下らない。

 

顧客と直接交渉してシステムのスペックを決めて、自分でエンジニアのチームをつくって、見積もりを出して、4億円、5億円レベルのプロジェクトを回せるエンジニアなら1億円超えの年俸でオファーがくる。AI(人工知能)やディープラーニング(深層学習。人間の思考を模したコンピュータによる機械学習)の研究所長クラスなら10億円の値札が付いても不思議ではない。それが世界標準なのだ。

 

◆アマゾン、第2本社設立で平均給与10万ドル、5万人を新規雇用へ

 

17年9月、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが「第二の故郷を見つける」と第2本社の設立計画を発表した。世界最大のネット通販企業の本社はシアトルの街中にあって、いくら新しい事務所スペースや居住用マンションを供給してもほぼアマゾンの社員で埋まってしまう状況が続いてきた。それでも成長を続けるアマゾンにシアトルが悲鳴を上げて「出て行ってくれ」ということになったのだが、ベゾスが発表した計画内容はいわば「アマゾンショック」といえるほど衝撃的だった。

 

第2本社で採用するのはマネジメント層とエンジニアを中心に最大5万人。平均給与は年10万ドル(約1100万円)超というのだ。北米全土から候補地を募ったら、カナダ、メキシコを含む実に238の都市と地域が名乗りを上げた。平均給与10万ドル超で5万人の雇用があったら街の繁栄は約束されたようなもの。全米を巻き込んで熾烈な誘致合戦が繰り広げられてきたが、先般、アマゾンは「20都市に絞り込んだ」と発表している。

 

平均給与10万ドル超の会社なんて米国中を探してもほかにない。第2本社で雇用する5万人の7割方はエンジニアだから、そういう数字なのである。アマゾンは各都市の立地提案の内容をさらに精査して、18年中に最終決定するという。カナダのトロントも候補地に残っているが、国内で雇用をつくらないとトランプ大統領に攻撃されかねない。とはいえアメリカ国内でも5万人の雇用に衣食住を供給できるキャパシティがあるのは、ニューヨークか“没落ITシティ”のボストンくらいのものだろう。

 

◆「年俸高騰」から取り残される日本のエンジニア

 

このような世界的なエンジニアの「年俸高騰」からまったく隔絶されているのが日本。エンジニアも含めて日本人の給料はこの20年間、まったく上がっていない。日本のエンジニアの給料が上がらないのはなぜか。理由の1つは日本独自の雇用慣習にある。日本の企業が学卒を採るときは事務職もエンジニアも大量一括採用して、同じ給料でスタートするわけだ。

 

世界のエンジニアは何ができるかで名札と値札が決まる。「ビッグデータの解析でこんなことができる」とか「こういうゲームのこの部分をつくった」とか「この橋の構造設計をした」とか、どの領域で何ができるのかで名札が付き、マーケットでの値札が決まってくるのだ。

 

しかし大量一括採用された日本のエンジニアは、会社の人事評価制度の中で冷遇されてきた。それらの人事給与制度は日本的な平等主義で社員全体の給与を抑える仕組みになっていても、エンジニアの能力や成果に対して正当な報酬を支払うシステムにはなっていない。

 

国内に安住するエンジニアにも問題がある。日本の企業に就職して、下働きから始まってコーディング(プログラムを書くこと)経験ばかり延々積み上げた結果、40代になってもマネジメントができないエンジニアが多い。それでは給料は上がらないし、コーディングをやる人材なんてフィリピン辺りにごまんといるから、そのうち取って代わられる。

 

 

エンジニアとして稼ぎたいなら海外に雄飛するべきなのだが、世界で活躍するには語学がパーフェクトでなければならない。

 

ところが文科省の“偉大な”功績で日本人の多くは語学が圧倒的に苦手だ。どれだけ技術に長けていても語学ができないエンジニアは使われる側に回るしかない。英語で顧客と交渉してスペックを決めたり、英語で仲間を集めて指示したり、プロジェクトマネジメントができるエンジニアは使う側に回れるから稼げる。

 

だからインド人のエンジニアは強い。日本人の場合、英語ができるといってもマネジメントできるレベルではない。フィリピン人のほうがよほど英語は達者だから、そのうち彼らの下で働くしかなくなる。それが日本のエンジニアの現実だ。

 

 



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今回のポイントだ!
●ICTのエンジニアが圧倒的に不足して、エンジニアの給与水準が世界共通になり、新卒でも年俸1千万円は当たり前の時代になっている。
●プロジェクトマネジメントできる語学力を持たない日本人の給料だけが、世界的な“価格高騰”から取り残されたままである。
●エンジニアとして稼ぎたいなら海外に雄飛するべきであるが、世界で活躍するには語学がパーフェクトでなければならない。

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語学パーフェクトなエンジニアには逆に明るい未来が待っているわけですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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