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2018/02/28配信分

経営戦略

『企業再生論』を覗き見!
 ⑦ 実例! カネボウ化粧品の企業再生

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今回は実際の企業再生の例を紹介してもらおう!カネボウ化粧品の実例だ。一度破綻したカネボウには一体何が問題でどのように再生していったのかをみていこう!

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カネボウ化粧品は今でもある会社じゃないですか? 一度破綻していたんですか!?そんなことがあったなんて、どうやって再生していったのか知りたいです!

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■企業再生論■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7.実例! カネボウ化粧品の企業再生
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¶ 企業再生が始まるまでの経緯
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今回から、2回に渡って、カネボウ化粧品の企業再生事例を紹介します。
カネボウ化粧品はどういう経緯で、企業再生への道を歩んだのでしょうか。
 
再生当時、カネボウは120年近い歴史を持った企業でした。その歴史の中で、天然繊維から始まり化粧品など、様々な事業へ多角化していきました。
 
しかし、競争環境が激化して競争力を失い、業績が悪化する中、不採算事業からの撤退時機を逸してしまいます。そして、不採算事業を新規事業が支えている間に無理がたたり、財務状況が悪くなっていきました。
 
銀行からのプレッシャーが次第に厳しくなる中、事態打開のため、中心の化粧品事業の売却交渉が始まります。しかし、売却交渉は破談。そして、産業再生支援機構へ支援を依頼し、2004年3月、支援が決定しました。
 
改めて、カネボウの化粧品事業を切り出す事を目指し、その化粧品事業を産業再生支援機構が支援する形で企業再生が始まりました。
 
それでは、具体的な内容を見ていきましょう。
 
 
¶ まずは債務超過を解消し企業再生のスタートラインに立つ
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当時のカネボウの財務状況はどうなっていて、財務状況改善のため、どういう事をしていったのでしょうか。
 
カネボウの貸借対照表(BS)を見てみましょう。
 
カネボウの2003年9月末のBSは、資産合計が6355億円に対し、負債合計が6985億円でした。一般的に、資産合計と負債合計は同じ額になりますが、カネボウは負債合計が資産合計より多い、債務超過に陥っていました。
 
そこで、債務超過を解消するために、カネボウ化粧品株式会社を設立し、化粧品事業を3800億円で営業譲渡しました。そうすることで、カネボウにキャッシュが入り、債務超過が解消する予定でした。
 
しかし、実際は、債務超過は解消されませんでした。実態のBSは更に悪い事が判明したからです。(後にカネボウは粉飾決算で上場廃止になります)
 
そこで、追加で995億円の金融支援を要請し、ようやく企業再生のスタートラインに立つことができました。
 
 
¶ カネボウ化粧品が抱える大きな3つの問題点
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次に、カネボウ化粧品が抱えていた大きな3つの問題点を見ていきましょう。
 
まず、一つ目はブランドの問題です。
 
カネボウ化粧品は、既存ブランドの売上が減少すると、新ブランドを投入し、売上をカバーしていました。ブランドが乱立状態にあったため、販売員は、より多くの商品知識習得に追われ、疲弊していました。その上、売上も減少するという弊害が起きていました。
 
化粧品事業は、人とブランドが価値を生み出します。化粧品事業では、いかに強いブランドを育てるかがカギになると言っても過言ではありません。
 
しかし、ブランドを育てるのでもなく、売上最優先で、次々と新しいブランドを投入していました。
 
 
次は、営業組織の問題です。
 
化粧品事業は、過去、百貨店などの限られた場所で販売されていました。そのため、エリア別の営業組織でも問題はありませんでした。
 
しかし、90年代の再販制度撤廃以降、流通構造が激変し、ドラッグストアなどでも化粧品が販売されるようになりました。
 
こうなると、既存のエリア別組織では、全国のドラッグストアでどれぐらい販促費を使っているのか、といった状況が分からなくなってきました。また、販売経路(チャネル)別の戦略もたてられない、という弊害も出てきました。
 
 
最後は、海外戦略の問題です。
 
国内市場は横ばいで、今後の成長はそれほど期待出来ません。しかし、アジア、特に中国では成長余力があるという事が分かっていました。しかし、これまで国内市場が中心で、海外にはあまり資源を投入していませんでした。
 
 
このように、再生が始まった時、カネボウ化粧品は、「ブランドの問題」、「営業組織の問題」、「海外戦略の問題」という3つの問題を抱えていました。
 
カネボウ化粧品は、どうやって、この問題を解決していったのでしょうか。
 
次の最終回では、いよいよ具体的な話に入っていきます。
 
 
【執筆:村上 昌也/BBT大学院修了】
 
 



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破綻したときには深刻な問題を抱えていたんですね!再生までの道のりを早く知りたいです!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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