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2018/03/16配信分

グルーバル感覚 経営戦略

「持ち家か、賃貸か」にいよいよ決着!?【大前研一メソッド】

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最近家を買った方がいいのか、賃貸で乗り切った方がいいのか考えてるんですが、やはり今後は住宅価格が安くなるという認識でいいんでしょうか?そのときには思い切って買ってしまおうと思っています。

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くまおは持ち家派なのか?現代の若者とは少し違うかもしれんな! 日本はすでに空き家率が問題となっているか今後はもっと空き家が出てくるだろうな。そうなると住宅価格は下がる可能性が高いな!家を買うべきか、賃貸か少し考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 住宅を買うべきではない 』
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2019年10月に消費税が10%にアップする予定です。消費税のアップを考えると8%のうちに、また、住宅ローン金利が低いうちに駆け込みで持ち家を購入したほうがお得な気がします。

 

一方、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年以降には、供給過多で不動産価格が暴落するのではないかとも言われています。家を買いたい人、家を売りたい人にとっては住宅の買い時や売り時は最大の関心事です。

 

消費税アップやオリンピック特需のようなイベントやタイミングとは別に、日本人の住宅感自体が変容して、住宅問題に大きな影響を与えていると大前研一学長は指摘します。その結果、住宅を買うべきではないというのが大前学長の結論です。住宅問題のトレンドを、どのように大局的に理解しておくべきか、不動産相場に詳しい大前学長に聞きました。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 需給関係から住宅価格相場は先安感しかない 』
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◆どの世代からも「家を建てよう」という積極的なマインドは出てこない

 

世代別に、住宅購入に対する意欲を俯瞰してみよう。

 

バブル崩壊直後の90年代前半に政府が景気刺激策として導入した「ゆとりローン(ステップローン)」に煽られて住宅購入したローンをようやく払い終わった引退世代が出てきた。引退世代の50歳代後半から60歳代は、とんでもない高値掴みをさせられて、しんどい思いで返済してきたトラウマが強く尾を引いて、住宅消費には懲り懲りしている。

 

その下の世代、40歳~50歳代になると昇給がないことにも20年来のデフレにも慣れている一方、少子化の一番先頭を走っている世代でもあり、子供一人という家族構成が多い。夫婦に子供一人という家族構成なら、極端なことを言えば、2LDKの間取りの賃貸住宅で十分なわけで、戸建住宅へのこだわりはない。

 

さらに40歳前後から下の若い世代ともなると、「家を持ちたい」という欲望が希薄である。「金利が低い今が買い時」と言われても、「金利はもっと下がるんじゃないか」と何となく感じているし、そもそも家を買って借金を抱えることは大きなリスクだと思っている。「“負け”から入りたくない」と彼らは言うのだ。

 

今どきの若い人は「いつ足元が崩れるかもしれないのに、何千万円も借金するなんて人生“負け”から入るようなものだ」と思っている。極端な話、結婚して家庭を持つことだって“負け”から入る部類だ。

 

こうして俯瞰すれば、どの世代からも「家を建てよう」という積極的なマインドは出てこない。だから金利1%を切る長期固定金利ローンのフラット35も借りる人がいない。つまり、住宅政策はもはや経済の起爆剤にはなりえないということだ。

 

◆住宅がふんだんに供給されて、空き家が増え続ける

 

デフレ慣れした若い世代は「今、家を買わななければ値上がりして買えなくなるかもしれない」という先高感がない。実はこれは100%正しい。少子高齢化で19年以降、日本の世帯数は減少に転じる。このトレンドが続く限り、住宅が値上がりする理由はない。

 

日本は世界一空き家が多い国で、総住宅数に占める空き家の割合は13年に13.5%、33年には空き家率が30%を超えるとの試算もある。

 

【資料】「総住宅数・空き家数・空き家率の推移と予測」p.17 ―― 野村総研

 

東京郊外でも都心から30kmを超えるような新興住宅地に足を運ぶと、怖いぐらいに人が住んでいない。商売にならないのか商店も軒並み閉まっていて、都心へ出るのも電車で1時間30分はかかる。売りに出しても買い手がつかないのだ。そうして寂れたニュータウンが日本中で増えている。

 

一方で、住宅用地の供給は今後さらに緩む。よく言われるのは「2022年問題」。30年間、農林漁業に使うことを義務付けられた生産緑地の営農義務が22年に解除される。つまり、宅地に転用できるようになるのだ。92年に生産緑地に指定された土地は全国で1万3442haあって、東京で3296ha(2013年3月時点:「平成27年都市計画現況調査」(国土交通省))。

 

東京23区だけで東京ドーム100個分近くの生産緑地があって、これがすべて宅地化されれば、約25万戸の一戸建てが供給可能だという。これは年間の東京都の新築一戸建て着工件数の2倍の数字だ。

 

【資料】2022年に破裂する「生産緑地」という時限爆弾 ―― 東洋経済ONLINE

 

便利なエリアに住宅がふんだんに供給されて、空き家が増え続けるのだから住宅相場に上がり目はない。つまり、基本、待っていて損はないのだ。

 

「借金からスタートしたくない」という人生観を持っている若い世代が、賃貸住宅を選択するのもきわめて現実的だ。宝くじかビットコインの相場でも一発当てれば家を買う選択肢もあるのだろうが、悲観的あるいは見通しの悪い将来に対しては「家を持つほうがリスク」と考えるのは当然。賃貸なら海外勤務を命じられても留守宅を心配する必要もないし、転職する際にも勤務地の制約に縛られない。子供一人の家族構成ならそれほど手狭でもない。今後は賃貸物件の供給も増えるはずだから、よほどの好立地でなければ家賃高騰の心配もない。

 

超金持ちが都心3区で坪単価600万円を超える物件を買っているが、そちらもそろそろ限界に近づいている。海外の富裕層の都心マンション漁りも中国からの資金持ち出しが制限されたために2年ほど前にピークをつけたあとは下がり始めている。

 

 

住宅の供給は増えるのに対して、需要は減る一方である。大きなトレンドでみると住宅価格は下がり続ける可能性が高い。

 

日本人にとって、ライフプランを前提に考えると、持ち家よりも融通性の高い賃貸住宅という選択肢のほうがこれからは賢明である。戦後一貫して続いてきた日本人の「持ち家信仰」という住宅感は根本から変わってしまった。

 

 



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今回のポイントだ!
●戦後一貫して続いてきた日本人の「持ち家信仰」という住宅感は根本から変わった。
●住宅を買う人は減り、需要は減っているのに住宅の供給は増え、住宅価格相場の先行き見通しは先安感しかない。
●ライフプランを前提に考えると、持ち家よりも融通性の高い賃貸住宅という選択肢のほうが賢明である。

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賃貸の方が賢明なんですね!安くなったら家を買おうと思ってたんですが、そんな考えは捨てたほうがいいかもしれないですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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