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2018/03/30配信分

グルーバル感覚 経営戦略

日産とルノーは経営統合するのか?【大前研一メソッド】

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ルノーと日産が主要機能統合の拡大を発表しましたが、これにはどんな影響があるんでしょうか?

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カルロス・ゴーン氏の依存軽減を目的にやるようだが、そもそもこの複合企業はゴーン氏以外に誰が経営できるのか? ゴーン依存脱却シナリオを考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 ルノーと日産、主要部門の機能統合を拡大 』
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2018年3月1日、ルノーと日産は主要部門の機能統合を拡大すると発表しました。

 

【資料】
アライアンス、中期計画達成に向け、重点部門の機能統合を加速化

 

1999年に資本提携したルノーと日産は、2014年に研究開発、生産技術・物流、購買、人事の機能について統括責任者を任命し、あたかも1つの会社のような組織運営を進めてきました。主要部門の機能統合をさらに拡大するという内容です。

 

日産が34%を出資する三菱自動車もこの枠組みに加わります。三菱自動車を加えることでさらなる相乗効果を狙います。統合が進むと、複雑な企業連合体を経営するのは難しくなると大前研一学長は指摘します。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 ゴーン氏以外にはマネジメントできないルノー・日産連合 』
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◆後継者不在。ゴーン氏の経営手腕に依存するルノー・日産連合

 

ルノーと日産は、両社の会長を務めるカルロス・ゴーン氏への依存を軽減するための機能統合だと主張している。しかし、機能統合を進めたら、ますますゴーン氏以外にはマネジメントできない会社になってしまうのではないか。

 

ルノー・グループはブラジルに大きな工場を持っていて、ここで日産も製造している。さらに、ロシアの自動車大手アフトバスの株式を50%以上取得している。これらの経営もからむと、ますます複雑になる。統合が進むと、例えば三菱からみると不公平に思えるようなことも、ルノーのためにやらなくてはならなくなるだろう。

 

英国の港湾都市サンダーランドに日産の大きな工場があるが、ここの出身の人が非常に優秀で、ルノーと日産の役員にもけっこう名を連ねている。日産出身者がゴーン氏の後継になるのではないかという期待もあった。

 

ただ、ゴーン氏は優秀な人間が近寄ってきたら排除するところがある。中国の習近平国家主席と似ている。日産出身の日本人がゴーン氏の後釜になる可能性は非常に薄いと思う。

 

ルノー、日産に三菱を加えた2017年1年の売り上げ台数は、フォルクスワーゲン(1074万1500台)とほとんど肩を並べて世界第2位(1060万8366台)。3位はトヨタ自動車(1038万6000台)、4位はGM。これはゴーン氏の功績だ。しかし、ゴーン氏は自分以外の人間には経営はできないという会社にした。会社の継続性を担保できなかったという点では、ゴーン氏は経営者として落第点だ。

 

ゴーン氏について、かつて私は「2つの上場会社の会長兼務は『利益相反』の可能性が生じる」「日産から破格の報酬を得ながら、ルノーとフランス政府のために日産を食い物にしている」などと指摘したことがある。

 

日産も、上の人はいいが下の人たちは大変だ。いきなりロシア・アフトバスの工場に行けと言われても困るだろう。三菱の社員も同様だ。

 

要するに、ゴーン氏がやったのは、次の経営者が手も足も出ないような会社にした、フランス政府の言いなりになって自身のCEOとしての地位を延命した、ということだ。ルノーと日産の提携から19年も経っており、だから、後継者のことをもっと真剣に考えないといけないのではないか。

 

◆日産によるルノーへの利益貢献を確実にする経営統合を仏政府は期待

 

ルノーの17年12月期通期の営業利益は38.5億ユーロ。日産のルノーへの利益貢献は27.9億ユーロで、日産がルノーの儲けの7割以上を叩き出している。ルノーが日産に“おんぶにだっこ”してもらっている構図である。

 

ルノー株式の15%を保有する大株主であるフランス政府は、ゴーン氏がやがて退任の時を迎えてもルノー・日産連合が存続できるよう、日産との連携強化をルノーに迫っている。マクロン大統領は3月13日、『ルノーの利益や企業連合、フランス国内の工場を守る明確なロードマップ』を求めると表明した。

 

 

ルノーは2018年2月に開催した取締役会の決議に関する発表文で、ゴーン氏の再任を決めるとともに4年間の任期中に「2018年に企業連合を不可逆的なものにするために確実な歩みを進める」必要があると指摘した。さらに、ティエリー・ボロレ最高競争責任者(CCO)を空席だった最高執行責任者(COO)のポジションに昇格する人事も決定した。ルノーは4年間のゴーン氏をCEOに再任する期間中に日産を完全経営統合し、ボロレ氏を後継者として育成するシナリオではないだろうか。

 

【資料】
ルノー取締役会、ゴーンCEO再任 日産との連携強化要請

 

 



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今回のポイントだ!
●ルノー株式の15%を保有する大株主であるフランス政府は、ゴーン氏がやがてCEOを退任する時を迎えてもルノー・日産連合が存続できるよう、日産との連携強化をルノーに迫っている。
●ルノー・日産連合をマネジメントできる人間はゴーン氏しかいない。
●CEO再任が内定したゴーン氏は次の任期4年でルノーと日産を経営統合し、後継者を育成か?

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次期の任期中に後継者を育成する算段なんですね!

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大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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