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2018/05/25配信分

グルーバル感覚

マハティール氏が首相に返り咲いたマレーシアの行方【大前研一メソッド】

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御年92歳のマハティール氏がマレーシアの首相に返り咲きましたが、いろいろ大丈夫なんでしょうかと不安になってしまいますね。今後のマレーシア経済を増大させることができるのでしょうか?

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日本でいうとまるで中曽根康弘氏が総理大臣に返り咲いたような話だが、マハティール氏は過去22年もの間、マレーシアを強力なリーダーシップで牽引してきた人物だ!年齢には関係なく今後のマレーシアの将来を考えて発展へと導くと予想される。詳しくみてみよう!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 マハティール氏が15年ぶりにマレーシア首相に返り咲く 』
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2018年5月9日に投開票したマレーシア連邦議会下院選挙で、マハティール・ビン・モハマド元首相の率いる野党連合「希望連盟」が過半数を獲得し、1957年の独立以来、初の政権交代が行われました。15年ぶりに首相に返り咲いた92歳のマハティール氏は、81年から22年間、強力なリーダーシップでマレーシアの国力を飛躍的に増大させた人物です。

 

マハティール氏は強力なリーダーシップを発揮し、マレーシアの経済を再び増大させることができるのでしょうか。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 マハティール氏は「マレーシアの次の20年」を考えている 』
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◆マハティール氏は20年スパンの長期展望を持ち実行に移す人

 

私は18年間、マハティール首相の経済アドバイザーをしていた。80年当時、私がマハティール氏にアドバイスしたのは、1人当たり国内総生産(GDP)が1500ドルだったのを2010年までに1万ドルにする計画(Project2010 )だ。

 

【資料】一人当たりの名目GDP(USドル)の推移

 

途上国を卒業して先進国の仲間入りをする「20年後の国の姿」を描くにあたり、その象徴としたのが「GDP1万ドル経済」だった。いろいろあったが、とりあえずは達成できた。また、当時のマレーシアはニッパヤシの家に住む人が多かったが、貧困をなくす象徴として、まともな住宅に住めるようにするという目標も設定した。マハティール氏は首相としての最後の年にこれも達成できた。政治家としては「何を成し遂げたいのか」を明確に持ち、長期政権でもぶれなかった。

 

さらに、天然資源や観光業に依存していたマレーシアが今後生き抜くため、「IT先進国政策しかない」と提言した。これが96年からの国家プロジェクト「マルチメディア・スーパーコリドー構想」につながった。

 

最先端のITインフラで都市を整備し、大胆な規制緩和と優遇措置で世界の企業を呼び込み、国内のICT(情報通信技術)産業を育成することで、マレーシアをアジアのICTのハブ(拠点)にしようという構想だ。この実現のために、首相官邸や首都機能を移転した新行政都市「プトラジャヤ」や、ハイテク関連企業を集める工業団地「サイバージャヤ」を建設した。

 

マハティール氏は私の提言をすべて実行した。当初は「サイバーとかマルチメディアとか、おまえの言うことはまったく理解できない」と言っていたが、私のプレゼンをすべて聞いて、「よくわかった。それをマレーシアで進めるプランを作ってくれ」となった。さらに、プランを阻む法律があるとわかると、すぐに担当大臣を呼んで、法律をサイバー社会に適したものに替えていった。

 

◆大前提言:「マレーシアの次期20年計画はシンギュラリティへの対応を」

 

今回、仮にマハティール氏のアドバイザーを頼まれたら、20年後に起こると予想されるシンギュラリティへの対応を提言するだろう。シンギュラリティは、人工知能が人間の知性を超えることによって、大きな変化が起きるという概念で2045年に到達するといわれる。今ある仕事の多くはコンピュータやロボットに取って変わられてるだろう。

 

コンピューターが人間より賢くなり、人間が置いてきぼりを食らう時代に人間が取り残されないためにはどのようなスキルを身につけていなくてはならないのか、という新しいビジョンを掲げ、教育システムを抜本的に変えること。これは極めて重要だと思う。

 

マハティール氏は長期的な展望のもと、一歩一歩進めることができるビジョンの持ち主だ。90歳を超えているが、テレビで見るかぎり、頭はまだ冴えている。おそらくかつての盟友であり、かつアジア危機(97年)の際の不幸な経緯から投獄されたアヌワール元副首相(米国との距離感が近すぎたことがマハティール氏の不興を買った)に機会を見て後継者になってもらうことを考えているのだろう。国民もこの“恩讐のかなたに”の和解を喜ぶものと思われる。

 

現在の小中高生が2040年代、30代の働き盛りを迎えるころにはシンギュラリティに直面する点においては、日本が置かれている状況もマレーシアとまったく同じである。日本の政治家は次の選挙や総裁選のことだけで、そんな長期のことまで考えていない。日本の2045年計画については、提案はするが彼らと一緒にはやる気はしない。徒労に終わることが目に見えているからだ。

 

 

 

マハティール氏は今回の選挙に勝利した当初、首相に就任すると同時に、教育大臣を兼務すると表明していた。首相がほかの大臣を兼務することは「選挙公約違反」との批判を受け、兼務を撤回した。

 

それにしても、マハティール氏はなぜ教育大臣を兼務したかったのか。マハティール氏の考え方によると、人間を育てるという仕事が一番重要で、育った人間を使って国を運営する。マレーシアをどういう国にしたいかという絵を自分の手で描きたがっていることを意味する。すなわち、高齢ではあるがマハティール氏は本気であり、80年代のマレーシア飛躍の再来を想起させる。

 

 



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今回のポイントだ!
●マレーシアでは92歳のマハティール氏が15年ぶりに首相の座に返り咲いた。
●マハティール氏が最も重視する教育大臣を首相と兼務することを表明(選挙公約違反との批判を受け後に撤回)し、長期スパンで国力のさらなる増強策を練っている模様。
●2045年ごろに到来するといわれているシンギュラリティを見据えていると思われる。

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20年後の将来を見据えて政権を運営していくんですね!日本のAB首相も見習ってほしいものです!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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