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2018/06/13配信分

経営戦略

『デシジョン・メーキング』を覗き見! ③経済性評価は利益ではなく現金収支で行う

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『デシジョン・メーキング』も三回目に突入するぞ!前回は経済性評価を損得で決める話だったが、今回はもう一つの基本原則を解説してもらおう!くまおも大好きな現金の話が出てくるぞ!

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現金!? 私が金の亡者みたいな事言わないでくださいよ~。現金でどうやって経済性評価を出していくんでしょうか?

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■デシジョン・メーキング■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.経済性評価は利益ではなく現金収支で行う
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前回は、経済性評価の基本原則「比較対象を明確にする」ということをお伝えしました。
 
ある場面で経済性評価を行う際、比較対象によって、それぞれの損得が変わってきますので、自分で意識して選択するという事が大切になります。
 
今回は、もう一つの大切な基本原則をお伝えします。
 
それは、「比較する代替案の現金収支をとらえる」というものです。
どうして現金収支でとらえる必要があるのか、詳しく見ていきましょう。
 
 
 
¶ どちらが正しい?利益と現金収支で結果が違うケース
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理解を深めるために、次のようなケースを考えてみましょう。
 
とある会社、A社では、製品Aが採算割れ寸前の状況にあるので、業績回復のために、コストダウンを色々と考えています。
 
毎月の現状の利益は0円です。
 
売上高1,000万円に対する費用の内訳を見ると、材料費、人件費、その他の経費が600万円、減価償却費が400万円となっています。
 
減価償却費とは、製造設備等の大きな金額のものを購入した際、一括で費用に計上せずに、購入金額を何年かに分けて費用に計上していくものです。
 
A社では、2年前に製造設備を新しくしており、それ以降、毎年400万円を減価償却費として計上しています。
 
色々考えていくと、製造設備をリースにすると利益が出ることに気付きました。毎月のリース料は300万円なので、減価償却費とくらべて、100万円費用が安くすむ計算です。月間100万円の利益が期待できます。
 
この判断は、正しいのでしょうか。
 
判断が正しいか確認するために、少し視点を変えて、現金収支で見てみることにしましょう。
 
A社では、売上をはじめ材料費、人件費、その他経費は全て現金で決済されています。また、減価償却費は、会計上、費用として計上されるだけで、実際にお金が出ていくことはありません。そのため、現状の現金支出は600万円となり、現金収支は400万円となります。
 
また、リースに変更するとリース料が300万円かかるため、現金収支は100万円となります。
 
まとめると、下記のようになります。
 
 
《利益で判断》
現状 : 0円、 リース:100万円
 
 
《現金収支で判断》
現状 :400万円、リース:100万円
 
 
利益で判断するとリースにした方が良く、現金収支で判断するとリースにしない方が良い、という結論になりました。これは、どちらが正しいのでしょうか。
 
実は、どちらも正しい、というわけではなく、利益で判断した時、ある勘違いが元で、間違った数字を導き出してしまっていたのです。
 
 
 
¶ 利益ではなく現金収支で評価する
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利益で判断した時の勘違いとは何でしょうか。それは、ある費用(損失)を見落としてしまっていたことです。
 
リースにして既存設備を休止し、減価償却費を0円にする事は可能です。しかし、既存設備を新たに稼働させると、また、減価償却費が発生しますし、既存の製造設備を廃棄した場合でも、固定資産除却損という損失が発生します。
 
設備を購入した時の金額は、いずれどこかで100%費用になります。
 
つまり、設備を休止した場面では減価償却費は0円になるので、費用が0円になったように見えますが、長期的に、どこかで費用が発生するということです。
 
その費用にリース料が上積みされるので、実際は、リースにした方が損、という事になります。利益で判断すると、このような勘違いをしていします。
 
経済性評価の二つめの基本原則として、代替案のキャッシュフローを把握し、その額や率で評価する、という事を覚えておきましょう。
 
 
どうして利益で意思決定してはいけないのかは、今後お伝えします。
 
次回は、経済性評価の基本原則を適用する場合に注意するポイントを見ていきましょう。
 
 
【執筆:村上 昌也/BBT大学院修了】
 
 



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利益で意思決定してはいけないって、初めて知りました!なんでなのか、次回が楽しみです!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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