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2018/06/15配信分

経営戦略

日本の衰退を食い止める大前流移民受け入れ策【大前研一メソッド】

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日本政府が新たな外国人労働者受け入れ策を発表しましたが、これで日本の労働人口問題は解消に向かっていくんでしょうか?

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毎年30万人が労働市場から引退していくことを考えるとこの策では到底カバーできるようなもんではないだろうな。以前から私が考えている策があるんだが、それを参考にしてもらいたいもんだ!また改めてこの問題について提言しておこう!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 外国人労働者の受け入れ拡大に向け、新たな在留資格を創設へ 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

政府は来年度の経済財政運営の指針「骨太方針」の素案に、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた新たな在留資格の創設を盛り込みました。

 

【資料】「経済財政運営と改革の基本方針2018(仮称)」原案 pp.25-27

 

新制度の設計は今後の検討に委ねられますが、これまでの制度よりも職種を拡大して、人手不足に悩む建設、農業、宿泊、介護、造船業の5分野を対象に、技能をあまり必要としない分野にも受け入れる方向です。また日本語の能力検定でもN4、すなわち日常会話が理解できる程度のレベルでも最長5年間の就労を認めるというものです。

 

政府の新しい外国人労働者受け入れ政策案について大前研一学長に聞きます。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 日本の衰退を食い止めるためには外国人労働者の受け入れしかない 』
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◆1000万人超の外国人受け入れが必要

 

これまで外国人の受け入れは、治安の配慮から高度な専門知識を持つ人に限定されてきたが、単純労働の分野でも就労できるようになる。

 

厚生労働省によると、2017年10月末時点の外国人労働者は約128万人である。

 

【資料】「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在)

 

そのうち2割の約26万人が技能実習生だ。新しい在留資格で就労すれば、外国人労働者は年間数万人程度増え、2025年ごろまでに50万人の受け入れを見込む。しかし、この新しい外国人受け入れ政策、私には付け焼き刃としか思えない。

 

現在、毎年定年退職者30万~40万人が“労働市場”から卒業していく。これはGDP(国内総生産)の減少、ひいては国家の衰退を意味する。GDPは国内で1年間につくりだす総付加価値のことであり、当然、これは働く人の数に比例する。

 

つまり日本が現状のGDPを維持しようと思えば、毎年30万~40万人分ずつの労働力を補わなければならないのだ。私の計算では、合計で1000万人超の外国人が入ってこないことには、この国は現在の生活水準を維持することができない。私は『新・大前研一レポート』(講談社)の「日本を変える法案集」の「国籍法」で25年も前に主張している。

 

◆人口の約10%の永住者(移民)を受け入れる制度を確立すべき

 

例えば、母国の学校を優秀な成績で卒業した人、きちんとした資格を持った人を対象に、2年間無償で教育をして、日本語だけでなく、社会人としてのルールとマナーなど、日本で生活するための知識を学んでもらう。そして、成績優秀で日本に永住を希望する人に対しては、永住と勤労を保証する米国で言うところの「グリーンカード」を発行し、日本人と同じ条件で働けるようにするのだ。

 

現在の技能実習制度は最長5年の研修を認めるものの、研修を終えると本国に帰国しなければならない。せっかく技術を身につけたのに、5年でいなくなる。こんな愚かなことはない。

 

日本に通算10年間住んでもよいと言いながら、この新資格では永住権までは与えられない。法務省の「永住許可に関するガイドライン」には法律上の要件の一つに「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること」という項目がある。技能実習と今回の新資格で通算10年日本に在留しても、いったん帰国することになるので「引き続き」ではない。直ちに永住権取得の要件を満たすことはできないとされる。

 

【資料】永住許可に関するガイドライン

 

ドイツでは1970年代の経済成長期に人手不足解消のためにトルコ、ギリシャなどから移民を積極的に受け入れてきた。当初は資格審査が甘かったために、治安が極端に悪くなり、都市部にはあちこちにトルコ人「ゲットー」が出現するなどのトラブルもあったが、現在では外国人労働力の割合は15%だ。今やドイツはトルコ人がいなければ社会も経済も成り立たないほどになっていると言っても過言ではないだろう。

 

日本はと言えば、外国人労働者を国別でみると、中国がトップ(37万人=外国人労働者全体の29.1%)で最近は特にベトナムも多い(24万人=同18.8%、対前年伸び率39.7%)。ネパールも増えてきている(対前年伸び率31.0%。南米ではブラジルや意外にもペルーが多い。

 

中国人やベトナム人などの犯罪が時々起こるが、先に提言した教育課程を経た外国人が増えたら、親日的になって安全保障にもつながるだろう。

 

当初は日本人との間がぎくしゃくするかもしれないが、いずれはドイツのように安定する。とりあえず人口の10%くらいをターゲットに永住者(移民)を受け入れる制度を確立すべきだ。これは「単純作業だから日本語を使わなくてもいい」というような問題ではない。

 

 

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(2017年)によると、日本の総人口は2053年に1億人を割って2065年には8808万人となり、生産年齢(15~64歳)人口は2065年に4529万人にまで減少すると見込まれている。生産年齢人口の減少はGDPの減少、すなわち国家の衰退を意味する。これを食い止めるには、長期的視野で外国人労働者(移民)の受け入れに本腰を入れるしか方法がないのである。

 

【資料】日本の将来推計人口(平成29年推計)

 

そういった準備がまったくできていないのに「50万人受け入れ」を見込んでも、付け焼き刃としか感じられない。

 

 



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今回のポイントだ!
●政府は来年度の経済財政運営の指針「骨太方針」の素案に、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた新たな在留資格の創設を盛り込んだが不十分である。
●日本の衰退を食い止めるには長期的視野で外国人労働者(移民)の受け入れに本腰を入れるしか方法がない。
●人口の10%くらいをターゲットに永住者(移民)を受け入れる制度を確立すべき。

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日本政府の策ではまだまだ不十分なんですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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