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2018/06/27配信分

経営戦略

『デシジョン・メーキング』を覗き見! ⑤なぜ利益で意思決定できないのか?

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デシジョン・メーキングの講座も5回目に突入だ! 今回は利益では意思決定できないということを解説してもらおう。 なぜ利益によって意思決定はできないと思うか考えながら進めていこう!

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利益で意思決定できないってどういうことなんでしょう? 利益があればこれだ!という感じで意思決定できそうなもんですが、間違っているんですかね?

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■デシジョン・メーキング■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5.なぜ利益で意思決定できないのか?
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前々回の第3回で、「経済性評価は利益ではなく現金収支で行う」という事をお伝えしました。
 
今回は、なぜ利益で意思決定できないのか、その理由をお伝えします。まずは、簡単なケースを考えながら、利益と現金の特性を見ていきましょう。
 
 
 
¶ 利益と現金収支は一致しない
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Aデパートでは、1着1万円で100着のスーツを仕入れ、2万円で40着を販売しました。この時の売上総利益はいくらでしょうか。
 
売上総利益は売上高から売上原価を引いて計算できます。
売上高は2万円×40着で80万円となります。
 
次に、売上原価は、1万円×40着で40万円となり、売上高から売上原価を引いた40万円が売上総利益となります。
 
仕入れた100着のスーツ全部(100万円)を売上原価としないようにしてください。
 
会計には、費用収益対応の原則があり、売上に対応して原価を計上するようになっています。この場合は、販売した40着分を売上原価として計上します。
これは、どの時期でも公平に利益を計算するための原則です。
 
一方、すべて現金取引だとすると、現金収支は20万円の超過となります。
 
売上高は80万円で変わりませんが、先に100着を現金で仕入れているため、80万-100万で20万円の超過となります。
 
このように、利益と現金収支が一致しないケースがあります。
 
「黒字倒産」という言葉があるように、赤字(利益がマイナス)だから倒産するわけではありません。企業の倒産は、お金がなくなって支払いが出来なくなった時に起こります。
 
このケースのように、不足する20万円をどこから調達できないと、企業は倒産してしまいます。利益は出ているのに倒産してしまう事を「黒字倒産」と言います。
 
では、どうして利益と現金収支は一致しないのでしょうか。その事を理解するために、利益とは何か?という事を確認していきましょう。
 
 
 
¶ 利益とは株主に帰属する企業資産の増加分
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利益は会社の業績である、という事を聞く時があります。利益が多いと業績が良いと判断され、株主が将来を期待して株を買い、会社の株価が上がるからです。
 
しかし、先ほど見てきたように、利益があるのに倒産する場合があります。
これは、学生が試験で合格点を取ったのに、落第するようなものです。そう考えると、利益は会社の業績ではないのかもしれません。
 
利益とは収益(売上高)から費用を差し引いたものです。そして、損益計算書で計算されます。損益計算書はこづかい帳や家計簿と同じような物と説明する人がいますが、その本質は全く異なります。
 
こづかい帳や家計簿は残高が現金と一致しますが、損益計算書は計算した利益が、別の何かと一致するという事はありません。ざっくり言うと、損益計算書は、成果(売上高)を配分するための計算書です。
 
企業の周りには、仕入先、従業員、銀行、株主等、様々な利害関係者が存在します。損益計算書には、成果(売上高)をどのような優先順位で利害関係者に配分するかが記載されています。
 
そのため、損益計算書には、最初に売上高が記載されています。
 
次に、売上原価(仕入先)から順番に、労務費(従業員)、営業外費用(銀行への支払利息)、税金(国)等、利害関係者への配分が記載されています。
 
このように、成果(売上高)を利害関係者に配分した結果、最後にどれぐらい利益が残るかを計算したのが損益計算書です。そして、最後に残った利益から、株主への配当が行われます。
 
利益とは、株主に帰属する企業資産の増加分なのです。
 
また、株主への配慮として、どのタイミングで株主になっても公平なように、色々なルールが決められています。冒頭でお伝えした費用収益対応の原則もその一つです。
 
 
 
¶ 意思決定は会計のルールとは無関係に行う
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これまで見てきたように利益とは株主に向けて計算したもので、公平を期すため、色々なルールがあります。会計のルールがあるために、意思決定で思わぬ勘違いをしてしまうことがあります。
 
また、利益は、会計期間(通常1年)ごとに計算されますが、意思決定は、会計期間とは無関係に行わなければなりません。そのため、利益で意思決定するのではなく、現金収支を基準として意思決定するようにしましょう。
 
次回は、応用編として様々な意思決定を見ていきます。
 
 
【執筆:村上 昌也/BBT大学院修了】
 
 



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利益って会計のルールだったんですね!意思決定を利益でやってしまうと間違えることもあるんですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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