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2018/06/29配信分

ITリテラシー グルーバル感覚

これは「いいね?」、Facebookの知られざる闇【大前研一メソッド】

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先日、Facebookがものすごい数の個人情報漏洩を起こしましたが、いつ自分の情報が漏洩してもおかしくない社会になってしまったようですね…。個人で防ぐとしたらやっぱり登録しないようにするしか方法はないんでしょうか?

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この問題は情報漏洩だけでなく、今の社会そのものの課題を垣間見た感じがするな!どんな課題が潜んでいるのか、考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 FB、被害者数8700万人の個人情報の漏洩 』
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Facebook(以下FB)で膨大な個人情報の漏洩問題が発覚、情報を不正に取得された被害者は8700万人に上ることが判明しました。同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏はこの問題で米議会上下両院の公聴会に呼び出され、対策の不備を認めて全面的に謝罪しました。

 

FBの個人情報が当人の知らないうちに無限に拡散してしまうのがサイバー社会の恐ろしいところです。27万人の個人データが8700万人に広がったように、いくら自分で注意深く個人情報を守っても、友人の「友達リスト」から情報が紐付けされて流出するリスクがあります。

 

例えば、FBに残された個人情報から支持政党が判別され、世界の数多くの選挙で情報戦が仕掛けられたとされます。今回は商業目的で利用されるリスクについて大前研一学長に聞きます。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 ユーザーの知らないところでクレジットカード情報をFBが紐付け 』
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◆ターゲティング広告の精度を高めるために情報収集&集約。

 

情報漏洩のきっかけは、英ケンブリッジ大学の心理学教授アレクサンドル・コーガン氏がFBを通じて行ったユーザー調査だった。教授自身が開発した性格診断アプリをFB上に公開して約27万人の個人データを集めた。

 

調査自体はFB社との契約に基づく学術目的の合法的なものだった。ところがコーガン氏は集めた個人情報を英国の民間データ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(CA)社に横流しする。

 

27万人というのはコーガン氏のアプリをダウンロードしたユーザーの数だ。アプリをインストールして利用した場合、ユーザーはアプリ開発者が個人情報にアクセスするのを許可したものとみなされる。FB上に公開される個人情報の中には「友達リスト」などの友人情報も含まれているから、友達の友達、そのまた孫友達という具合に、芋づる式にアクセス可能な友人情報が広がっていく。コーガン教授のアプリを利用したのは27万人に過ぎないが、結果的には8700万人分の個人データがCA社に流れたわけだ。

 

2018年4月、先の公聴会の数日前にFBはCA社の不正取得問題とは別に、世界20億人の利用者の大半について、「個人情報が悪用されるリスクがあった」ことを公表した。友人を探しやすくするために電話番号やメールアドレスで個人のアカウントを検索できるシステムをFBは設けていたが、この機能を使って名前や写真、生年月日などの基本プロフィールが不正収集されて悪用される恐れがあったという。既にFBは電話番号やメールアドレスによる検索機能を廃止するなどの対策を講じている。

 

また、公聴会に呼ばれたザッカーバーグ氏は、サイト利用者保護のために偽アカウントや投稿内容を確認する要員を年内に5000人増やして2万人にすると発表した。しかし「人と人をつなげて世界を近づける」とザッカーバーグ氏が語るFBの理念と世界的なユーザー規模からすれば、どれだけ対策しても万全ということにはならないだろう。

 

そもそもFBは無料サービスである。20億人のユーザーから会費を取らないでどうやって儲けているかといえば、広告収入だ。当然、広告効果を上げるために、ユーザーが公開している情報や言動分析したり、膨大な外部データを紐付けたりしている。

 

よく知られているのはFBの「いいね」ボタン。どのような情報、コンテンツに対して「いいね」を押したか、データを集めて解析すればさまざまなことがわかる。行動パターンや立ち回り先での思想信条、趣味嗜好まで相当にしぼり込めるのだ。

 

◆クレジットカードの情報をFBが買って、ユーザー情報を裏で集約?

 

日本には「名簿屋」といって非公開の社員名簿や在学生&卒業生名簿を売買する稼業があるが、合法、非合法のデータを扱って商売にしているデータブローカーは日本に限らず世界中に存在する。

 

FBはそうしたデータブローカーからも情報を買い集めている。他サイトやリアルな小売店で購入した商品履歴、年収など、FB上で公開していないクレジットカードなどの情報を名寄せしてユーザー情報を集約化する。ターゲティング広告の精度を高めるためだ。

 

もちろん、ユーザーはそんなことは知る由もない。従って、自分で公開した覚えのない情報に基づいた広告が舞い込んできて、驚かされることになるわけだ。

 

こうした情報収集は国家の情報機関が得意としてきた。世界最強の通信傍受システムと言われるのが米国を中心に英国、カナダ、オーストラリアなどが参加している「エシュロン」。米国のNSA(国家安全保障局)が運営主体とされるが、詳細は未公表だ。

 

国家による情報収集は、さぞかし国民のプライバシーを踏みにじっていることだろうが、テロや国内の反乱を未然に防ぐという若干のメリットがある。

 

しかし、FBがユーザーの知らないところで行っている情報収集や情報集約はあくまで商業利用目的で、ユーザーにメリットはほとんどない。

 

 

FBは「27万人から8700万人に拡散したデータを抹消することは技術的に非常に難しい」と言う。

 

言わば、FBは井戸のようなもので、その縦横無尽に広がったサイバー社会という地下水脈につながっている。いくら水を吸い上げても、いったん、地下水脈に染み込んだ個人情報は簡単には除去できないらしい。「サーバーを遮断してFBという井戸を閉じない限り個人情報の除去は不可能」という説もあるが、FBはEUなどで巨額の罰金を払ってでもしぶとく生きていくつもりらしい。

 

産業革命が「資本家対労働者」の対立を生んで以来、長い年月をかけて企業側による労働者の搾取を抑える社会に移行していった。今再び、サイバー社会でもこれと同じような利害の対立が個人とFBのようなプラットフォーム企業の間に生まれている。これを21世紀最大の社会的課題として解決していく地道な努力が求められる。

 

 



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今回のポイントだ!
●FBで、被害者数8700万人と大規模な個人情報の漏洩が発覚した。
●サイバー社会では個人がFBを使うとターゲティング広告の標的になることがある。
●FBのようなプラットフォーム企業は、個人の情報を集めてその人に対して高い精度の広告を打つビジネスモデルで生業を立てており、個人情報を守る立場とは利害が対立する存在である。

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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