BIZTIPS>BIZトピックス>「老後不安→貯蓄増」の悪循環を断ち切るには?【大前研一メソッド】

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2018/07/13配信分

経済原論

「老後不安→貯蓄増」の悪循環を断ち切るには?【大前研一メソッド】

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日本人の保有している金融資産残高が相変わらず高いままですが、貯蓄が増えると景気がよくなるんでしょうか?

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貯蓄をしていて景気は上向くということはまずないが、そもそも貯蓄がこれほどまでに膨らんでいるのには訳がある! 将来の不安から貯蓄に勤しんでいるだろうが、将来のことばかり考えて今を生きないのは良いことではないな! 外国も参考にしながら生き方革命を考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 1800兆円にまで積み上がった、家計が保有する金融資産 』
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日本銀行が6月27日に発表した2018年1-3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で前年比2.5%増の1829兆円でした。年度末の残高としては過去最高を更新しました。

 

【資料】資金循環 p.4

 

家計が保有する金融資産残高が増えるということは、一見すると良いことのように思われます。しかし、大前研一学長は貯蓄ではなく、消費に向かないと日本の景気は上向かないと言います。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 日本人は老後に備えた資産を使わずに残したまま死ぬ 』
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◆日本人は資産を使わずに残したまま死ぬ

 

家計が保有する金融資産残高1829兆円のうち、現金・預金の残高は961兆円と構成比率で全体の約52%を占めた。相変わらず、現金・預金の増加が続いている。これまで「1200兆円だ」「1500兆円だ」と騒がれていた個人の金融資産は、ついに1800兆円を超えてしまったわけだ。

 

この1800兆円のうちの1%、18兆円でも市場に出てくれば(購買に回れば)、消費税を7%減額したのと同じ効果があり、日本の景気は大いに刺激されるはずだ。しかし、金融資産のかなりの部分が、0.1%ほどしか金利のつかないところに置かれている。貯金を少し持っていても、増えている感覚がないので、人々は使う気にならないのだ。

 

しかも、政府が突然「人生100年時代構想」と言い出したので、ますます使えなくなる。私の同年代の友人たちの多くは、「人生80年でもカネは足りないかと思っていたのに、100年なんてことになったら全然足りない。大前、おまえは何でそんなにカネを使うことができるのだ。バイクで日本全国を回っている場合じゃないだろ」と、余計なお世話のイヤミを言ってくる。

 

現在、日本人は、貯金、年金、そして保険で、三重に老後に備えている。しかし、それでも不安だ、ということで年金の3割近くを貯金に回している。こんな国は世界にない。したがって、亡くなったときも、使わずに残された資産が世界で一番多い。イタリア人は「死ぬとき貯金ゼロ、が理想だ」という。それで持ち金を全部バケーションなんかに使って人生をエンジョイする。

 

◆「食えなくなったらどうしよう」という漠然とした不安心理を取り除く

 

日本人はなぜこんなふうに貯めるのか。政府を信用していないからだ。それで、いつも将来を悲観して、おびえた生活をしている。これがカネが市場に出回らない理由になっている。

 

この問題を解決するには、思い切って、「最後は国が全部、面倒をみる」と宣言するしかない。つまり、最低生活ができるだけの額を国が保障し、「貯金がゼロでも生きていけるようにしてあげるから、心配しないでください。日本という素晴らしい国に生まれてきたのだから人生を謳歌してください」と言うわけだ。

 

こういった考えを元にした政策が実現できたら、貯金は全部引き出して使い出し、1000兆円以上のカネが市場に出てくる。日本には非常にいい保険制度があるので、「病気になったらどうしよう」という心配は、とりあえずは乗り越えられると思う。問題は、年金が増えないという状況の中、「食えなくなったらどうしよう」という心配だ。要は、この不安心理を取り除いてあげればいいのだ。

 

日本は世界で一番、個人がカネを持っている。しかし、高齢者の多くは暗い顔をしている。先述のイタリア人は死ぬとき貯金が1銭でも残っていると「もったいないことをした」と考える。

 

【資料】『生活保障に関する調査』

 

 

 

日本の景気がよくなるかどうかは、「年金が破綻してもらえなくなったら食えなくなるかもしれない」という漠然とした不安心理を克服するしかない。

 

1000兆円以上の預金をどんどん使って、積極的に生きて人生を楽しみ、「ああ、オレの人生、よかった」と言って死んでいけるように「最後は国が全部、面倒をみる」という保障――これが究極の政治課題ではないだろうか。

 

 



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今回のポイントだ!
●家計が保有する金融資産が1800兆円を超えた。
●政府を信用していないから貯金する。それで、いつも将来を悲観して、おびえた生活をしている。これが、カネが市場に出回らない理由になっている。
●「最後は国が全部、面倒をみる」という保障があれば、老後に蓄えていた貯金を安心して消費に回せる。

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この前20代で老後に不安があると言っている人を見ました!こんな国では景気も上向かないですね!もっと安心して消費できる国を目指してほしいものです!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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