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2018/07/20配信分

経済原論

日本はキャッシュレス社会になるのか?【大前研一メソッド】

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キャッシュレス社会が最近話題になってますが、日本も推進協議会を発足して世界から遅れを取らないようにしていますね。これで日本もキャッシュレス化が加速するんでしょうか?

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政府は協議会を設立するということをよくしたがるが、これでうまくいった試しなどまあないな。相変わらずこういったたぐいのことをしたがるが、そんなことでは何もできずに終わるということをそろそろ自覚してもらいたいものだな! どうなったら普及していくのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 キャッシュレス化に対する意識が低い日本の消費者 』
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米ハッタン・アソシエイツ株式会社は、米国、中国、日本の3カ国の一般消費者を対象に、実店舗およびオンラインショッピングに関する意識調査を実施しました。その結果、日本市場でのキャッシュレス化の遅れや、今だにポイントプログラムへの高い期待があることなどが明らかになりました。

 

【資料】ショッピングにおける消費者意識調査

 

中国と日本を比較しただけでも、この数年で消費者行動に大きな違いが出てきました。政府はキャッシュレス化に遅れを取らないため、推進協議会を設立しましたが、大前学長はこれに対し「愚の骨頂である」と指摘します。大前学長の見解をみてみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 経産省主導の“護送船団”でキャッシュレス化を推進する愚 』
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◆日本のキャッシュレス対応の遅れや、ポイントに固執する姿勢が浮き彫り

 

「店舗での支払い方法について、あなたは次のどれが好ましいと思いますか?」という設問に対して、日本では「従来型のレジカウンター」が65.0%と圧倒的だったのに対し、中国では「売り場でのモバイルPOS」(38.0%)と「アプリによるスキャン&ゴー方式の無人レジ」(20.8%)という新しい支払い方式への支持が合計で58.8%と過半数を占めるという大変面白い結果となった。

 

中国ではキャッシュレス化がすでに相当浸透し、より簡便な方法へとニーズが移っているのに対して、日本ではキャッシュレス化への消費者の意識や必要性がまだ高まっていない状況であることが見て取れる。日本と中国は消費者行動でこの数年の間にこれほど大きな差ができてしまったのだ。

 

また、販売店に対して好感を抱く要素、つまり買い物をする際に大切な要件を尋ねたところ、日本ではポイントカードなどの「優待プログラム」に対するニーズが70.8%と、他国を大きく引き離し圧倒的な支持を得た。

 

このことから、日本の消費者がショッピングの際に、ポイントプログラムをはじめとする優待制度の有無を非常に重視しており、こうしたプログラムが販売を促進している一面があることが分かる。

 

店側はディスカウントしたくないからポイントを与えている。そこに日本人は簡単に引っかかる。出張する際、上司にも奥さんにも知られずにポイントをためて、そのポイントでビールを飲む程度のささやかなことが楽しみになるのだ。

 

いずれにしても、この調査によって日本のキャッシュレス対応の遅れや、いまだポイントに固執する姿勢が浮き彫りになった。

 

◆「キャッシュレス推進協議会」では何もできない

 

そんな中、経済産業省は7月2日、電子マネーやクレジットカードによる決済手段を推進する「キャッシュレス推進協議会」を発足した。メンバーはNTTや三越伊勢丹HD、みずほ銀行など民間145社や20の業界団体だ。

 

【資料】産学官からなる「キャッシュレス推進協議会」を設立しました

 

2018年度は2次元バーコード「QRコード」の規格統一や、自動販売機のキャッシュレス化促進に取り組み、キャッシュレスの決済比率を2025年までに40%に高めるという政府目標の達成を目指すという。

 

この方針、腹を抱えて笑うしかない。こんなもの、中国ではアリババ傘下の金融関連会社アントファイナンシャルが1社で突っ走って、一気に促進したことだ。

 

米国の医療システムも1社が突き抜けたことで風穴が開いた。サンフランシスコの新興企業で、医師が患者の医療記録を管理するクラウド・サービスを提供するプラクティス・フュージョンという会社がスマホに開業医の診療データや処方箋を入れ、これを送信するだけで薬が買えるようにしたのだ。

 

日本でも厚生労働省が動いているが、いまだに規格すら決まっていない。キャッシュレス決済も同じようなことになるだろう。経産省が150社集めて「QRコードの規格を統一しましょう」「電子レジを標準化します」なんて言っても、話しているだけで日が暮れる。永遠に統一できない。日本はQRコードを発明した国なのに、規格統一すらできていない。

 

 

150社も集めてはダメ。1社が駆け抜けたら、それで済む話だ。そのへんが中国との彼我(ひが)の差というか、スピード感のなさだろう。そもそも経産省が音頭をとること自体が大笑いだ。

 

「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」や「CAFIS(Credit And Finance Information Switchingsystem)」などの縛りや規制がなければ、どこかの企業がとっくにやってしまっているはずだ。

 

技術力からみて、中国のアントフィナンシャルかテンセントかそれらと組んだ日本企業が日本のキャッシュレス化を一気に促進することになるだろう。

 

 



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今回のポイントだ!
●日本のキャッシュレス化が遅れている。
●経済産業省は、電子マネーやクレジットカードによる決済手段を推進する「キャッシュレス推進協議会」を発足した。
●中国ではアリババ傘下の金融関連会社アントファイナンシャルが1社で突っ走って、一気に促進した。
●日本でも突き抜けた1社が突っ走って、推進協議会を出し抜くだろう。

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協議会ではダメなんですね! どの1社が突き抜けるのか楽しみですね!

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大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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