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2018/08/03配信分

論理思考

トランプ大統領の次なる矛先はイラン?【大前研一メソッド】

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トランプ政権がイランからの石油輸入を停止するように各国に働きかけていますが、日本はイランからの石油がなくなっても大丈夫なんでしょうか?

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石油の輸入自体は代替調達でなんとかなりそうだな!しかし石油価格が上昇していることを考えるとさらに価格は上がっていきそうだ。イランと日本は友好関係を構築してきたが、この関係が崩れないかどうかのほうが心配ではあるな!日本にどんな影響があるのか考えてみるぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 米国の要求でイラン産原油が輸入停止へ 』
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イラン核合意から離脱表明した米国トランプ政権が、イランへの経済制裁を再開する2018年11月4日までに同国産原油の輸入停止を各国に求めたのを受け、日本の石油元売り大手各社も最終調整に入りました。同年10月にもイランからの輸入量はゼロになる見込みです。

 

遠い中東の出来事に日本の関心は北朝鮮問題ほど深刻に見られていませんが大前研一学長は要注意だと警鐘を鳴らします。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 日本や欧州とイランとの関係が米国の横やりで危機に瀕する 』
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◆「イラン産原油の輸入を続けたら、ドル決済停止」と米国が脅す

 

イランがゼロになっても、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの中東諸国からの代替調達により、石油製品の安定供給に支障が生じる恐れは少ないと思われる。とはいえ、調達コストの上昇が石油製品の価格に波及することは避けられない状況だ。

 

米国のイラン制裁の方針が明らかになって以降、原油価格は上昇。経済産業省によると、7月17日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格は152円30銭で、約3年半ぶりの高値をつけた。

 

石油元売り各社はイラン原油をドル建ての銀行決済で購入している。原油が日本に到着して1か月後に決済されるが、日本のメガバンクから石油元売り大手に対して、イラン産原油の代金決済が停止になる可能性があると通知されているという。

 

つまり、「イラン産原油の輸入を続けたら、ドル決済ができなくなるぞ」というトランプ政権の脅しが功を奏したということだ。そのため、イランとは長い付き合いがあるフランスもギブアップ状態だ。

 

◆イランと「原油の結びつき以上の信頼関係」を失う瀬戸際に立つ日本

 

出光興産が直接取引をして世界で初めて石油製品を輸入するなど、イランと日本の友好関係は深い。日本の石油元売り各社は「イランとの関係は維持すべきだ」と主張している。しかし、米国に意地悪されると息の根を止められる状態。日本もうまい対抗手段がない。

 

イランの原油生産量は1日約380万バレルで、世界の産油量の4%を占める。イランの原油輸出先は、中国(約65万バレル)、インド(約50万バレル)、韓国(約31万バレル)、トルコ(約17万バレル)、イタリア(約15万バレル)ときて、日本(約14万バレル)は第6位。中国、インドは決済手段をドルにしないでやっていく方法を考えると思う。おそらくトルコも米国による輸入停止要求には従わないだろう。韓国がどう出るかは不明だが、おそらく輸入を諦めざるを得ないだろう。

 

一方、日本の原油輸入量は1位がサウジアラビア(約34%)で、2位がUAE(約25%)。以降、カタール(約8%)、ロシア(約8%)、クウェート(約8%)ときて、イラン産の割合は6番目(約5%)。イランに対する依存度は小さい。だから、影響はそれほどないかもしれない。

 

他方、イランも手をこまねいているわけではない。クウェートやアブダビに切り替えたタンカーがホルムズ海峡を通過するのを阻止するようなことを言っている。

 

これに対してトランプ大統領は、「イランの最高指導者、ハメネイ師が力で米国に盾突くのなら壊滅的なダメージを与えて思い知らせてやる」とけんか腰だ。進展が見えない北朝鮮や、評判が悪かった米露首脳会談から明らかにイランの方に衆目をそらせる狙いがあると思われる。

 

いつか表舞台から去ったときに「単なるピエロだった」と言われる可能性が高いトランプ大統領の横やりで、イランとの非常に大切な関係を遮断されるのは日本や欧州の国々にとっては大きな問題だ。

 

日本の石油連盟は、一時的に輸入が止まったとしても、「イランは将来にわたって安定供給してもらえる産油国」と位置づけている。良好な関係を続け、引き続き輸入を再開できるよう働きかけていく考えだが、日本のいまの力で、ドル決済をできなくされたら、米国に盾突くのは難しいだろう。

 

 

ペルシャ湾岸諸国で算出する石油の重要な搬出路であるホルムズ海峡を封鎖することをイランはほのめかしている。日本に来るタンカーの全体の8割がこの海峡を通過すると言われている。

 

日本としては、イラン産原油輸入停止による打撃もさることながら、対立が激化することによりホルムズ海峡の封鎖に発展した場合、影響は計り知れない事態となる。

 

 



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今回のポイントだ!
●イラン核合意から離脱表明した米国トランプ政権が、イランへの経済制裁を再開し、同国産原油の輸入停止を各国に要求している。
●進展が見えない北朝鮮や、評判が悪かった米露首脳会談からイランの方に衆目をそらせるのがトランプ米大統領の狙い。
●日本としては、イラン産原油輸入停止による打撃もさることながら、対立が激化することによりホルムズ海峡の封鎖に発展した場合、影響は計り知れない事態となる。

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対立が激化すると石油の輸入自体に影響を及ぼしそうですね!トランプ政権の横暴に世界はいつまで巻き込まれるのか心配です。

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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