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2018/08/31配信分

マーケティング 論理思考

大新聞はなぜこぞってサマータイムに反対なのか?【大前研一メソッド】

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サマータイム導入について全国紙で否定的な意見が目立ちますが、賛成的な意見は出てこないんですかね?

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海外の失敗事例を大きく取り上げるような記事があったが、誰か否定的な人が仕掛けたんだろうな。導入にもいろいろやり方があるだろうから、ここは導入するためにはどうしたらいいかを考えていくぞ!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 全国紙各紙がサマータイム導入の導入に否定的 』
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8月、サマータイム導入の是非について、全国紙が社説で取り上げています。
朝日・読売・毎日・産経・日経の5紙とも、サマータイムの導入に対しては否定的です。全国紙の社説のタイトルと掲載日は以下の通りです。

 

朝日新聞 サマータイム あまりに乱暴な提案だ(2018年8月12日社説)
読売新聞 サマータイム 効果と弊害の慎重な見極めを(2018年8月19日社説)
毎日新聞 サマータイム議論 「五輪のため」は短兵急だ(2018年8月10日社説)
産経新聞 サマータイム 混乱回避が導入の条件だ(2018年8月9日社説)

 

全国紙はなぜ、サマータイムの導入に否定的なのでしょうか。大前研一学長の意見を聞いてみましょう。

 

 

■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 官邸が有力メディアに反サマータイムを働きかけているのか 』
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◆日経は「EUで廃止論」の旧聞情報をトップニュース扱い

 

ここにきて、サマータイムのデメリットを伝えるニュースが増えてきた。
例えば、「1970年代から本格導入しているEU(欧州連合)では、期待されたレジャーの活性化や夜間のエネルギー消費削減などの効果が出ないうえ、健康や睡眠への悪影響を示唆する研究成果が報告されて、疑問視する声が広がり、欧州委員会が28加盟国から寄せられたパブリックコメントの結果を分析して対応する」といったものだ。

 

日本経済新聞はこの「EUで廃止論」という記事をトップニュース扱いで掲載していた。だが、EUの廃止論なんて昔から言われていることだ。サマータイムの議論が日本で出てきたタイミングで、これを大きく打ち出すということは、日経が誰かの働きかけを受けてサマータイムに反対していることが透けて見える。

 

【資料】サマータイム、EUで廃止論 是非判断へ世論調査

 

 

読売新聞のサマータイム肯定→否定の方向転換も奇異に映る。ことの発端は東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が7月27日、首相官邸を訪れ安倍晋三首相にサマータイム導入を要請したことだ。元派閥の親分の言い出した案だけに安倍首相は「それが1つの解決策かもしれない」と応じたと報告されているが、その後、菅義偉官房長官などがこれを打ち消すために有力メディアを個別撃破している姿が透けて見える。それ以降、8月中旬に記事掲載日が集中している。

 

しかしこうしたことに煩わされることなく、この際、サマータイム日本版をきちんと検討すべきだ。

 

◆白夜の北欧と南欧でサマータイムに対する考えが違うのは当然

 

EU加盟国が共通して採用するサマータイムは、3月の最終日曜日から時計を1時間早めて10月の最終日曜日に元に戻すもの。しかし、フィンランドが今年初めに「利益よりも不利益が大きい」として廃止を提案。ドイツの最新世論調査では74%が廃止を望んでいる。フランスも54%が制度に反対。また、バルト3国のラトビアも76%が廃止、エストニアも廃止に賛成、リトアニアも見直しを求めている。

 

サマータイムは、日照時間を有効利用して家族との時間や余暇活動に充てるもの。省エネ以外に、明るいうちに帰宅できることで交通事故が減少したり、暗くなるまで営業する店が減って犯罪が減るなどの効果もうたわれている。
しかし、フィンランドのように緯度が高い国は夏の日照時間が極端に長く、生活を1時間ずらす意味はほとんどない。

 

欧州の北と南ではサマータイムに対する考えはまったく違う。私は夏のアイスランドに行ったことあるが、日が沈まないので夜がない。寝るときも明るいから疲れる。一方、南ではサマータイムで生活をエンジョイしている。それをEU全体で時間をズラしてしまうから、おかしくなるのだ。

 

米国では、こうした議論は比較的少ない。米国に駐在していた人に聞くと、「仕事後にスポーツや食事、映画が楽しめ、1日が2回あるような気分」と語っていた。私もカナダや米国には400回も行っているが、夏は食事がゆっくりできるし、仕事以外の友人や家族との時間が取れてとても有効だ。外食後も、まだ日が暮れてない。これは何ともいえない気分だった。だから、必ずしもマイナスばかりではない。

 

 

私は40年近く前からサマータイムを検討すべきだと著書などで主張してきている。3.11の後も電力消費量を15%近く減らす方法として検討すべきだと提案している。今回、東京五輪・パラリンピックの猛暑対策としてサマータイム導入が検討されているが、五輪のためだけでなく、本格検討も議論してほしい。例えば、北海道だけでも時間をずらして、「時間は1つではない」ということをイメージさせるのも一つの手だと思う。

 

いろいろな意見があっていいと思うが、意図的にマイナス・イメージの記事を流布してサマータイムを潰そうとすることは、あまり感心しない。

 

 



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今回のポイントだ!
●サマータイム導入の是非について、全国紙が社説で取り上げている。各紙とも導入に否定的。
●菅義偉官房長官などが有力メディアを個別撃破して反サマータイムの記事を書かせている姿が透けて見える。
●いろいろな意見があって良いのだが、意図的にマイナスイメージの記事を流布してサマータイムを潰すのではなく、サマータイム日本版をきちんと検討すべき。

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日本で導入するには、という目線で考えた方がいいんですね!諸外国の失敗事例も参考にしながら制度を作ってほしいですね!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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