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2018/10/12配信分

グルーバル感覚

中国の「債務トラップ外交」とは?【大前研一メソッド】

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ペンスさんが中国の政策を債務外交と強く牽制をしましたが、一体これはどういったことを言っているのでしょうか? 中国が外交でお金を貸しているということが問題なんですか?

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中国の外交政策に問題があるようだな。ただ資金を貸しているというわけではなく、そこには中国が他国に対して返済できないほどの資金を貸し付けて、代わりに何かを得ようとしていることが伺える。それを牽制したようだ。一つの例を示してみよう!

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『「一帯一路」を通じて影響力を広げる中国の「債務トラップ外交」』
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ペンス米副大統領は10月4日、ワシントンで対中国政策について講演し、広域経済圏構想「一帯一路」を通じて影響力を広げる中国の手法を「債務外交」と断じ、強くけん制しました。
 
【資料】中国は「債務外交」 ペンス氏が批判
 
中国からの「債務の罠」にはまったアジアの国が債務を返済できなくなり、代替措置として、港湾などを中国国営企業に貸し出すことを強いられている状況を受けたものです。
 
【資料】「債務の罠」外交でアジアを蝕む中国の「一帯一路」
 
モルディブの例を大前研一学長に解説してもらいます。
 
 
■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 中国の軍事空港&軍事港湾化への懸念がモルディブ国民の間に高まる 』
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◆モルディブの大統領選で親中国の現職大統領が敗れる
 
インド洋の島国モルディブで9月23日、5年に一度の大統領選が行われ、野党連合の統一候補のイブラヒム・モハメド・ソリ氏が、現職のアブドラ・ヤミーン氏を破った。ソリ氏の得票率は58%、ヤミーン氏は42%だった。
 
ヤミーン氏は2013年に就任以降、中国政府が提唱する海のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に協力し、中国から多額の投融資を受けて大規模なインフラ整備を実施した。だが、汚職疑惑や野党、メディアへの抑圧などで国民の反発を招いていた。
 
私が数年前にモルディブに行ったとき、地元の人は「このままではモルディブは中国に乗っ取られてしまう」と心配していた。中国の資金で港湾や空港整備、空港と首都の間の架橋工事など巨大プロジェクトが相次いで実施されたが、中国に資金返済できなかったら、その代償として中国の軍事空港か軍事港湾化してしまうのではないかと懸念していたのだ。
 
東アフリカのジブチの場合、中国への債務はGDP(国内総生産)の80%に及んでいる。そしてモルディブも30%に届こうという金額に膨れ上がっている。
 
◆インフラ整備に中国が援助する最終目的は空港や港湾の乗っ取り?
 
実際、中国の援助はモルディブの将来の発展を思ってやっているわけではない。モルディブはインドとスリランカの南西に位置し、一帯一路の海上ルートの非常に重要な拠点になっている。スリランカのハンバントタ港やパキスタンのグワダール港などとともに中国のシーレーン戦略「真珠の首飾り」の要衝にあたるのだ。
 
中国の援助が決まると、先兵として「中国交通建設」(CCCC)という世界最大の国際工事請負業者がやってきて、トータルで10兆円規模のプロジェクトを行う。日本ではあまり知られていないが、CCCCはものすごい機動力がある国策企業だ。大きな受注量を誇り、鉄道、港などのインフラ整備を担っている。
 
日本にはそういった規模のゼネコンは存在しない。米国にはかつてシュルツ国務長官などを輩出した「ベクテル」という総合建設業を営む多国籍企業が特に中近東などで工事を受注していたが、気がつくとCCCCがアフリカや中近東、そして財政的に苦しんだギリシャなどに入り込んでいる。
 
実は中国の援助には2つあって、1つはインフラ関係にカネを出すもの、もう1つは旅行客を送り出すことだ。モルディブはインド洋のリゾート地として知られ、欧州からのバケーション客が多いが、日本からも年間約4万人が訪れている。
 
最近は中国から急に観光客が増えて海上コテージなどには大勢が押し寄せている。その中国からの観光客がいきなり減ると、リゾートと漁業ぐらいしか産業が存在しないモルディブの観光業は、首を絞められてしまう。
 
 
 
中国寄りの政権だったモルディブが9月の大統領選挙でインド寄りの政権に変わったが、中国は2つの“援助”(インフラ関係にカネを出す&旅行客を送り出す)を使って中国との関係に従来よりも距離を置こうとするであろう新政権に圧力をかけるのではないか。中国が一帯一路の海上ルート上の要衝であるモルディブへの進出を、政権が変わったからと言って簡単に諦めることはあり得ないだろう。
 
 



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今回のポイントだ!
●インド洋の島国モルディブで9月23日、5年に一度の大統領選が行われ、現職の親中国派の大統領が敗れた。
●中国の資金で港湾や空港整備、空港と首都の間の架橋工事など巨大プロジェクトが相次いで実施されたが、中国に資金返済できなかったら、その代償として中国の軍事空港か軍事港湾化してしまうのではないかという懸念が国民の間で高まっていた。
●中国が一帯一路の海上ルート上の要衝であるモルディブへの進出を、政権が変わったからと言って簡単に諦めることはあり得ないだろう。

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中国はあえて返済できないほどの資金を貸し出して他国の領土を占領しようとしているんですか!? 合法的に用地を取得している感じがしますね!

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大前研一

大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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