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2019/02/01配信分

グルーバル感覚

のみ込まれたくないけれど中国を利用したい台湾人【大前研一メソッド】

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今回は、台湾を取り巻く現状についてですね!中国とは切っても切れない関係にありながらも、飲みこまれまいという姿勢の台湾。そこにはどんな思いがあるのでしょうか?

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この2つの国の距離感はとても難しいな。近づきすぎると飲みこまれる可能性があるし、かといって台湾にとって中国は重要な存在で簡単に無視できる存在ではない。台湾にとって「いい距離感」とはなんだろう?

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■ ビジネストレーニングの種 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 蔡英文氏、2020年の台湾総統再選に黄信号 』
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2018年11月、台湾の統一地方選挙で与党の民主進歩党(民進党)が大敗を喫しました。22の県と市で首長選挙が行われて、野党国民党が15の首長ポストを獲得、民進党は現有の13県市から6県市に大きく減らしました。
 
惨敗の責任を取って蔡英文総統は民進党の党主席を辞任しました。蔡総統の求心力の低下は免れないでしょう。今回の統一地方選挙は米国の中間選挙のようなもので、蔡政権の2年間の評価であり、2020年の総統選挙の行方を占うものです。
 
「不必要に中国を刺激しているからお灸を据えてやろう」とする蔡総統への審判だったというのが、台湾で長い間政府や民間企業のアドバイザーを務めてきた経験を持つ大前研一学長の見立てです。
 
 
■ 大前研一学長の見解 ■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 中国と、ほどほどの距離を置きたい台湾人 』
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◆中国との距離感を巡って、国民党支持と民進党支持が揺れ動く
 
台湾の世論というものは、大陸(中国)融和派の国民党支持と台湾独立を綱領に掲げる民進党支持の間で揺れ動くのが常だ。
 
国民党政権が中国に接近しすぎたときにはアラームが鳴って民進党に支持が集まる。逆に民進党政権になって中国との関係が冷え込んだときには、再びアラームが作動して国民党への揺り戻しが起きる。基本、この繰り返しだ。
 
◆台湾経済にとって「中国」という存在は非常に重要
 
台湾経済にとっても台湾の個人商店にとっても「中国」という存在は非常に重要で、マーケットとして、生産拠点として、あるいはカネを落としてくれるインバウンド消費の主体として欠かせない。
 
国民党の馬英九政権のときに台湾でも中国人観光客によるインバウンドブームが巻き起こった。昔の貧しい中国人ではなく、消費力抜群の中国人が大挙してやってくるのだから、インバウンド消費で台湾経済・観光業界は大いに潤った。大陸から台湾への旅行が解禁されたのは、10年以上前のことだが、ピーク時の2015年には年間400万人以上の中国人が人口約2400万人の台湾を訪れている。
 
ところが、2016年の台湾総統選で蔡氏が勝利して8年ぶりに民進党政権が誕生すると中台関係は一変する。中国政府は態度を硬化、台湾との対話や交流を凍結し、圧力を強めるようになった。台湾への旅行を制限したり、航空便を大幅に減らしたりしたのもその一環で、おかげで台湾を訪れる中国人観光客数は270万人(2017年)まで激減、観光業界が悲鳴をあげる状況が続いていた。
 
◆民主主義を奪われた香港の二の舞は避けたい
 
ひと頃は香港を先行指標とするオプションもあった。香港は50年間何もいじらないという約束で英国が99年に中国に返還した。返還後も一国二制度を維持する香港は格好の「統一モデル」だったのだが、中国政府は真綿で首を絞めるように日増しに介入を強めて、今や「民主化運動は違法」と行政府の長官が言ってのけるほど。選挙に出馬するのは中国政府の息がかかった候補者ばかりで、民主化に関わる人は立候補もできない。締め付けられて民主化デモの参加者は減る一方だ。
 
台湾の人々からすれば、香港はもはや先行指標になりえない。台湾人にとって大事なのは実は選挙。自由に立候補して自由に選ぶ。中国4000年の歴史の中で自分たちが最初に民主的な自由選挙を行った、という自負があるのだ。
 
◆オリンピックに出場する際の呼称「チャイニーズ台北」の意味するところ
 
統一地方選挙の時に同時にいくつかの住民投票が行われた。そのうちの一つ「台湾名義で東京五輪への参加申請の是非を問う」住民投票は否決され、「チャイニーズ台北(中華台北)」の呼称で参加することが決まった。「台湾」ではなく、「台北」という都市名でオリンピックに出場する。それが中国との正しい距離感を探り続ける台湾世論の今回の選択なのである。
 
 
 
台湾世論は中台関係に敏感に反応し、「中国にはのみ込まれたくない。利用してナンボ」という以下のような共通認識を持っている。
(1)大陸の主要製造業、輸出産業を台湾系企業が牛耳っているので、中国とのあからさまな敵対関係は好まない。
(2)中国が一国二制度を遵守するなら仲良くしても良いが、北京がその試金石である香港を日増しに支配強化しているので、明日は我が身、と警戒せざるを得ない。
 
 



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今回のポイントだ!
●台湾人のほとんどが中国に対して持っている共通認識は「絶対にのみ込まれたくない。利用してナンボ」というもの。
●台湾経済にとっても台湾の個人商店にとっても「中国」という存在は非常に重要で、マーケットとして、生産拠点として、あるいはカネを落としてくれるインバウンド消費の主体として欠かせない。
●ただし、中国に近づきすぎて香港のように自由を奪われたら元も子もない。

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中国と台湾の関係はなかなか一筋縄ではいかなさそうです。どちらが政権を執るかでこんなにも姿勢が変わると世論も混乱してしまいますね。いい距離感って…難しい!

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大前研一
経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。

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